尾上先生の勉強風景(15) ホールパイク先生の『社会進化の原理』

ダーウィンのフォースが尾上先生とともにあられんことを
1
尾上正人 @9w9w9w92

Hallpike, Christopher R. (1986) The Principles of Social Evolution, Oxford University Press. これも80sの本だが、どういう経緯で買ったのか忘れた(笑)

2019-02-12 19:25:14
尾上正人 @9w9w9w92

序文…調査で深まった機能主義への懐疑。エチオピアの現在は全く異なる生活様式の2部族(コンソとボラナ・ガッラ)がよく似た諸制度を持ち、それは機能的なのではなく共通の起源を示す。パプアのタウアデの暴力・殺人や不必要な焼畑農業 「進化的パースペクティブが人類学になす本質的貢献の提示」vi

2019-02-13 05:17:07
尾上正人 @9w9w9w92

ラドクリフ=ブラウン…「[構造]機能主義と進化主義の非常に近い論理的結びつき」p.4. 現代では D S. ウィルソンがこの側面を強調しとるね

2019-02-13 10:32:00
尾上正人 @9w9w9w92

「逆説的だが、社会の理解に歴史的なアプローチを提唱した人類学者、エヴァンズ=プリチャードやボアズは、[歴史にそれほど関心のなかった]ラドクリフ=ブラウンあるいはデュルケームよりも、社会進化の一般理論に対して遥かに共感的ではなかった」p.6.

2019-02-13 10:45:42
尾上正人 @9w9w9w92

人類学者ネーデルにとっては、社会進化の問題は大きすぎて扱えない…「進化の『法則』は規模が巨大すぎて、社会や文化の中でのトムたちやディックたちやハリーたちの行動を理解するには役に立たないが、それこそが結局は我々の関心なのだ」p.8.

2019-02-13 11:05:40
尾上正人 @9w9w9w92

モーリス・プロッホ「近代西洋の人類学者たちの、社会進化に対する概ねネガティブで曖昧な理論的態度……進化主義者とのラベルを貼られるなら酷く恐れるであろうこれら西洋人類学者の著作を見ると、彼らの著作は検証されない進化的想定を常に含んでいることがわかる」p.9.

2019-02-13 11:15:35
尾上正人 @9w9w9w92

エドマンド・リーチによる社会進化の否定、また「現代社会」と「原始社会」の区分の撤廃…著者は「社会人類学からあらゆる種差的な研究対象を奪い去るもの」と批判。pp.12-3.

2019-02-13 13:27:12
尾上正人 @9w9w9w92

「色々な時代や場所で(軍事力の独占により政治的権威を集権化する意味での)国家のような複雑な制度が独立に出現することを考える際の特別な力……我々の目的は、社会変動のこれらの方向づけをする特性を説明することであるが、国家の進化に特に注意を与えることが高度に示唆的であろう」pp.16-7.

2019-02-13 16:11:05
尾上正人 @9w9w9w92

「集権化された政府は、権威の執行がそれを維持する民衆に重要な便益を与えるように思われることがなければ、決して出現し得なかっただろう」p.18.

2019-02-13 16:14:39
尾上正人 @9w9w9w92

「私の目的は、適応に中心的位置を与えることなしに、それゆえ唯物論の主張を否定することによって社会進化を説明することであるが、社会と自然環境の関係が第1の重要性をもつものとして扱われなければならないことは強調されねばならない」p.23.

2019-02-13 19:33:45
尾上正人 @9w9w9w92

「生物学的概念を社会進化に適用することは、よく知られていることをそれほど知られていないことで説明しようとすることであり、むしろまるで、誰かが社会を、実際の人々や活動を観察する代わりに、メンバーの足跡を研究することによって探求しようとするようなものである」p.30.

2019-02-14 22:35:48
尾上正人 @9w9w9w92

「ダーウィン的な諸原理をヒトの社会の進化に適用するのは不可能である。なぜなら、それらは一貫して、社会ー文化システムに適用するのは誤りであるタイプだからだ。この点で、社会進化の真にダーウィン的な説明と、スペンサー的・機能主義的なタイプのそれの区別を思い起こすことは重要である」p.32.

2019-02-14 22:49:48
尾上正人 @9w9w9w92

「歴史的時間での社会変動や、特定の制度における社会間の違いや、文化の諸側面が、有意に遺伝的な基礎を持つことを示し得るという証拠はない。…社会進化は生物学的進化と最小限にしか関係していない」pp.32-3.

2019-02-14 22:57:15
尾上正人 @9w9w9w92

「社会とは主要には情報システムであり、有機体の場合のように物理的なつながりでまとまっているわけではない」p.35.

2019-02-15 11:01:07
尾上正人 @9w9w9w92

「生物学的システムは2つの発達過程、つまり系統発生と個体発生を持つが、社会システムにおいてはそれらは全く同一のものである」p.35.

2019-02-15 11:14:54
尾上正人 @9w9w9w92

「統計学的な『遺伝子プール』モデルを社会システムに適用し、何らかの社会的形質の『適応度』をその相対頻度から見積もろうとする生物学者は、網膜細胞が筋細胞よりも少ないから適応度が低いと立証する社会学者と同種の馬鹿げた考えの罪を犯している」p.35. どんな「社会学者」だよw…聞いたことない

2019-02-15 11:15:45
尾上正人 @9w9w9w92

「社会にあっては、有機体とは異なり、再生産[reproduction、繁殖]と自己保存は全く同一のものであり、遺伝子に準えられるような社会的再生産の『基本単位』はあり得ないし…社会-文化システムのいかなる『基本単位』もない。かくして淘汰の<単位>が存在しない」p.36.

2019-02-15 11:23:14
尾上正人 @9w9w9w92

「社会システムの場合には、⒜有機体のようにははっきりと境界づけられておらず、⒝社会間および社会内の関係の双方に関して、それ自身は適応によって変わらない『環境』のアナロジーのようなものは存在しない。『適応』の一方的な過程の代わりに、[環境との]『相互適応』の持続的過程がある」p.36.

2019-02-15 11:33:04
尾上正人 @9w9w9w92

「ダーウィン的理論は…本質的に<競争的>である。…社会システムは確かに競争を有するが、しかし相互適応の過程の一部にすぎず、そこでは社会システムの色々な要素が互いの作動を促進し合っている。つまり<協調>するのである」p.36. 「協調」「協力」の解明はネオ・ダーウィニズムの真骨頂なんだがの

2019-02-15 11:42:40
尾上正人 @9w9w9w92

「<突然変異>と…社会的<発明>の間には有意な類似性はない。…生物学的多様性[variation、変異]はランダムなものとして扱われ得るが、社会的な多様性は特定の社会や文化的伝統の産物であり、それゆえ全くランダムではない」p.36.

2019-02-15 11:46:45
尾上正人 @9w9w9w92

構成素(component)と単位(unit)の別…前者は生成的に異質、後者は生成的に類似 「生物学の場合は、構成素の基礎単位は細胞で、複製・遺伝の単位は遺伝子である。…2つのタイプの単位で…我々が有機体の構造や機能を考える時には片方は無関連で、その構造の遺伝を考える時にはもう片方が無関連」37

2019-02-15 13:19:58
尾上正人 @9w9w9w92

「諸個人が社会の基本単位だと言うことは、構成素を組織と混同することである。社会は明らかにヒトの組織だが…その組織の原理と構成素は…諸個人ではなく、カテゴリー、ルール、価値であり、それによって諸個人は組織されるのだ」p.38.

2019-02-15 13:32:12
尾上正人 @9w9w9w92

「包括適応度の概念をヒトの社会に適用しようとする社会生物学者は、要するに、社会科学において論難されて久しいナイーブな個人主義の廃れた観念に依拠しているのである」p.38.

2019-02-15 13:37:32
尾上正人 @9w9w9w92

「ヒトの歴史の明らかな特徴は、主要な変化がしばしば起きる、その極端な<速さ>である」p.41.

2019-02-15 15:29:37
尾上正人 @9w9w9w92

K. ボールディング「社会システムにおいては、遺伝子はヒトの心の中のイメージあるいはアイデアである…遺伝子との並行性は正しい。両者の本質的構造は情報にあり、その情報は好ましい環境では、適切な表現型を作る技術的過程を創造することができる」p.44. A Primer on Social Dynamics (1970) の一節

2019-02-15 15:54:13
1 ・・ 5 次へ