(”アート・”)アニメーションについての北村愛子さんの発言まとめ

自分用にまとめた「“アート”アニメーションにまつわる土居伸彰さん(@NddN)と黒瀬陽平さん (@kaichoo)とのやり取り」 http://togetter.com/li/132205 の補足資料(仮編集)です。 「アニメーション作家-”工場”の必要性」 http://togetter.com/li/75658 辺りの流れからの続き。 昨年末からの北村さんのTweetは外から見た場合であってもとてもわかりやすい説明になっていると思います。 続きを読む
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北村愛子 @Aico_kitamura

短編アニメーションの制作にはお金がかかる。思っているよりずっとお金がかかる。ほんとにちゃんと上映館やフェスティバルで流せるものを作ろうと思うと、個人制作は現実的でない。特にデジタル化された今だからこそかかるお金もある。かからなくなった部分もあるけれど。

2010-12-05 12:20:57
北村愛子 @Aico_kitamura

こうした制作費の工面は世界中での短編アニメーション作家が多かれ少なかれ抱えている問題。(わたしみたいなまだ素人では、工面なんて考える前に、働いた方が現実的。)ただ、現在活躍中の作家ですら、日本で支援支給をしてくれる場は少ない。

2010-12-05 12:28:37
北村愛子 @Aico_kitamura

制作費の支援支給は少ないのではなく、皆無といってもいい。文化庁の助成金制度とかでは使いづらい。企業や財団に頼る方法もあるけど、まず個人では見向きもされないし、ある程度の社会的見返りも必要。

2010-12-05 12:32:23
北村愛子 @Aico_kitamura

山村先生のまずは制作費の捻出を、というのはこういった状況から。これができないことには、なにも始まらないし、短編作家が制作を続けて行く道も広がらない。

2010-12-05 12:35:26
北村愛子 @Aico_kitamura

CALFのみなさんの活動の意義もわかる。まずは作品を広く知らせて、作家活動を認識してもらうこと。また、アニメ文化の盛んな日本では、これ自体をまず進めることはとっても大事。未だに短編アニメーションを認識してくれる人は少数だし。

2010-12-05 12:39:21
北村愛子 @Aico_kitamura

ただ、DVDを売ったとしても、制作費が工面できるわけではない。DVDが1000枚売れたとしても、1つの作品の制作費には及ばない。しかも短編は複数本収録でそれだけだから、そう考えると現実的に厳しいものがある。

2010-12-05 12:44:01
北村愛子 @Aico_kitamura

コンスタントに制作費を捻出する方法を見いださなくては、短編アニメーション自体続かない。市場にならない、と良く聞くけど、でも廃れた市場なんじゃなくて、実際はこれから伸びる市場なのかもしれないし。

2010-12-05 12:46:43
北村愛子 @Aico_kitamura

という感じで復習終了!答えがでる問題ではないけれど。ちなみにADで、イギリス、エストニア、ポーランド、フィンランド、フランス、カナダ、いろんな作家さんと短編の現状についてお話させていただく機会を得ました。

2010-12-05 12:53:57
北村愛子 @Aico_kitamura

今挙げた国は、短編アニメーションではまだ恵まれた環境にあるように感じる国だけど、みんな抱えている問題は同じ。でも、制作を支えてくれる企業が複数ある、というのが日本とはちょっと違う部分かも。文化と芸術に根ざした国だからかも。

2010-12-05 12:55:57
北村愛子 @Aico_kitamura

ただ彼らの国でも、短編アニメーションの現状は厳しくなっている。特に一番問題なのは本当におもしろい作品を作る作家が減っている、というのがみなさんの大体の結論。その中では、日本は恵まれているよ、というお言葉もちらほら。

2010-12-05 13:00:16
北村愛子 @Aico_kitamura

今年の感想は、アニメーションを作る世界に入って(まだ足先を突っ込んだ程度だけど)、心底よかったと思った一年でした。沢山のアニメーション作家さんと出会うことができて、自分は1年でも長く続けていこう、一つでも良い作品を作ってみたい。そう思える年でした。

2010-12-29 03:29:59
北村愛子 @Aico_kitamura

少しだけだけど自分が使える英語を喋って、他国のアニメーション作家さんとお話できる機会を得れました。日本でもそうですが、世界も、アニメーション作家さんのみなさんは本当に素敵なのです。そういった方達と、色んなお話ができたこと、そして焦らなくなったことが収穫の一年でした。

2010-12-29 03:36:03
北村愛子 @Aico_kitamura

アートの世界っていつからクラフトやエンターテイメントの世界と切り離されて考えられるようになったのだろう。難解さが疎まれる理由はなんなんだろう。それが権威的に感じられるようになったのはいつの時代からなんだろう?

2011-05-06 12:59:05
北村愛子 @Aico_kitamura

日本って必ずこういう議論が上がるなあ。そもそも、日本の芸術文化って、「工芸」や「技継承」が主流だったからなのかな。うーむ。

2011-05-06 13:21:58
北村愛子 @Aico_kitamura

短編アニメーションを初めて見た時は、ただ衝撃だっただけだけどなあ。パテルの「ビーズゲーム」だったと思うけど、こうした優れた作品が本当に「権威に乗っかってるだけ」かどうか、そんなの見たらわかると思う。

2011-05-06 13:27:37
北村愛子 @Aico_kitamura

難解だと思われるものも、なんとなーく気になって、何度か見てるうちに、「あ、わかったかも!」っていうひらめきみたいなのが出てくるとおもしろいのだけど、そういう風なものって、エンターテイメントの優れた作品にもあって、別にジャンル分けが必要だとは思わないけどなあ。

2011-05-06 13:32:46
北村愛子 @Aico_kitamura

最近は、上映会で「こういう難しいのはわかんない」っていう言葉も聞くのだけど、ちょっとガイドラインを示せば「もっかい見てみたいわ!」ってなったりする。そういうのを示すのが、評論家や研究者の役割だと思うんだけどなあ。

2011-05-06 13:36:31
北村愛子 @Aico_kitamura

映画記号論のロトマンの言葉をツイートしておこうっと。「アニメーション映画は写真映画の一変種ではなく、独自の芸術言語を有し、多くの点で劇映画ともドキュメンタリー映画とも対立する完全に自立した芸術であるという事実を認識することである。続く→

2011-05-06 13:49:25
北村愛子 @Aico_kitamura

それはオペラとバレエが原理的にその芸術言語を異にするのにもかかわらず、一つの組織形態の枠内で、類似による統一がしばしばそれらを結合するのに似ている」byロトマン(映画記号論より)

2011-05-06 13:49:44