勤労統計 官邸関与 上西先生が読み解く

安倍首相が答弁で言及した阿部正浩教授(元・検討会座長)の発言についての上西先生の連ツイまとめ
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上西充子 @mu0283

官邸関与「精度向上が目的」 勤労統計の有識者検討会座長:日本経済新聞 nikkei.com/article/DGXMZO… 安倍首相が答弁で言及したこの阿部正浩教授(元・検討会座長)の発言、注意深く読む必要がある。(続く)

2019-02-26 07:27:56
上西充子 @mu0283

今、官邸の関与によって、「四重に下駄をはかせた」という比喩で野党は追及しているが、サンプル入れ替えそのものは賃金を上振れさせるわけではない。むしろ、下振れさせる。全数入れ替えを部分入れ替えに変えることは、下振れを緩和させる意味はあるが、本来であれば、上振れにはつながらない(続)

2019-02-26 07:30:32
上西充子 @mu0283

2018年1月からは、全数入れ替えを部分入れ替えにしたと共に、過去にさかのぼって数値を補正する遡及改訂をやめた。この、遡及改訂をやめた、ということが重要。それが、官邸が行わせたかったことのポイントと思う。遡及改訂をやめるとどうなるか。過去の数値の下方修正が防げるのだ。(続)

2019-02-26 07:32:20
上西充子 @mu0283

これまでの質疑でも出てきているように、2015年3月の中江秘書官の問題意識は、サンプル入れ替えによる遡及改訂によって、過去の数値がプラスからマイナスに転じることだった。安倍首相も、昨日前の数値が(遡及改訂により)がらっと変わる、これはいかがなものかといった答弁をしていたと記憶。(続)

2019-02-26 07:33:55
上西充子 @mu0283

本日の公述資料より。 2015年3月31日に中江秘書官は姉崎部長に「問題意識」を伝えている。それは、 「過去にさかのぼって大幅に数値が変わるようでは、経済の実態がタイムリーにあらわせない」 というものだった。 このとき、サンプル入れ替えに伴う遡及改訂により、過去の数字がマイナスに転じている pic.twitter.com/7WJ3TlPR64

2019-02-26 07:39:16
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上西充子 @mu0283

わずかながらプラスだった名目賃金の伸び率が、遡及改訂により2014年10月は0.2から-0.1に、11月の名目賃金も0.1から-0.2に、変更され、プラスからマイナスに転じることとなった。 その発表が2015年3月31日の予定だったのが、中江秘書官と姉崎部長の面会日の3月31日に、4月3日へと延期された。

2019-02-26 07:41:48
上西充子 @mu0283

そして、中江秘書官の「問題意識」を受けて開催された2015年6月の第1回検討会。そこで姉崎部長は、「賃金の動きが、今月上がった、下がった、どのぐらい上がったと注目されている中で、いきなり過去の3年間に遡って変わってしまったために」いろいろご意見をいただくことになったと説明。 pic.twitter.com/IWeZspbKoP

2019-02-26 07:43:28
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上西充子 @mu0283

だから、2015年3月から9月にかけての官邸関与の問題の焦点は、遡及改訂による過去のデータの下振れを防ぐことにあった、とみると、問題がすっきりする。サンプル入れ替えをしても賃金が上がるとは限らない、という安倍首相の答弁は、目くらまし。

2019-02-26 07:45:07
上西充子 @mu0283

そして、日経のインタビューの阿部座長の発言も、目くらましだと思う。 「前年比で上振れさせるような政治的な意図は感じない」とあるが、そうではなく、遡及改訂をやめることにより過去の伸び率データの下振れを防ぐ政治的な意図があったのだ。

2019-02-26 07:46:23
上西充子 @mu0283

日経は「中江氏は15年3月末に厚労省に「経済の実態をタイムリーに表すため改善の可能性を考えるべきではないか」との「問題意識」を伝えたとされる」としているが、大事なポイントをあえて紹介していない。 「過去にさかのぼって大幅に数値が変わるようでは」という前段がポイント。

2019-02-26 07:48:18
上西充子 @mu0283

日経記事ではアベノミクス偽装に阿部座長が否定的として、「(総入れ替え方式は)入れ替え直後のギャップが大きいが、「部分入れ替え方式でギャップは小さくなるが、必ず賃金が高くでるとは限らない」とした」としているが、これも目くらまし。

2019-02-26 07:49:16
上西充子 @mu0283

通常なら、入れ替え後には、賃金水準は低くなる。今回が例外。小川淳也議員はその点を質疑で指摘している。サンプル入れ替えの影響で賃金水準が上がったというのは、史上初ではないか、と。そしてそれは日雇い除外の影響ではないか、と。

2019-02-26 07:50:17
上西充子 @mu0283

「「賃金を高く見せる意図があれば容認できない」とする一方、「当時は賃金が社会的に関心が高かった。首相官邸が統計の精度を上げるため関与することは悪いとは思わない」とも述べた」との阿部座長の発言も目くらまし。「高く見せる」ではなく、遡及改訂による過去の伸び率の下振れを防ぐ意図が問題。

2019-02-26 07:51:54
上西充子 @mu0283

検討会では、部分入れ替え方式が検討されたが、総入れ替え方式が維持される予定だった。しかし、部分入れ替えも併せて検討することとなり、そのあと厚労省は統計委員会に部分入れ替えへの変更の意図を伝えた。 検討会では、部分入れ替えでも補整をするならやはりコストがかかるという議論があった

2019-02-26 07:53:20
上西充子 @mu0283

しかし、結果として、部分入れ替えだけが採用され、部分入れ替えでも補整をするということは行われず、遡及改訂はしないこととなった。 それによって、過去のデータの下振れは起きないこととなった。 それこそ、官邸が求めたこと。

2019-02-26 07:54:12
上西充子 @mu0283

安倍首相はしきりに、「サンプル入れ替えがどうのとか、そんなこと、いちいちきにしてませんよ」のような答弁をする。しかし、サンプル入れ替えに伴う遡及改訂により、過去の賃金の伸び率がプラスからマイナスに転じた、そのことに2015年3月に大きな問題意識を持ったはずだ。

2019-02-26 07:55:35
上西充子 @mu0283

安倍首相の昨日の発言に注目したい。2015年に官邸が介入しても、手法が変わるのは2018年。当時は三選の制度もなく、自分の政権ではないときのことになぜ介入するのか、といった答弁だったが、もし遡及改訂が続いて入れば、それは安倍政権時のデータに影響した。 twitter.com/buu34/status/1…

2019-02-26 07:59:42
buu @buu34

@玉木質疑 アレ「ですから、当然ですね、これ(ローテーションサンプリング)に変えたところで、我々の、おー、この、アベノミクスが良くなるというわけでは、ございませんし~15年に変えたところで、出てくるのは、変えるのは18年ですし、その結果が出てくるのは19年ですから。これは、15年に、19年に

2019-02-25 21:05:44
上西充子 @mu0283

総入れ替え方式を続けていれば、遡及改訂によって、自分が政権を担っていた2015~2017年の賃金伸び率のデータが、プラスからマイナスに転じることもありえた。それは、アベノミクスに「傷」をつけることになる。

2019-02-26 08:00:57
上西充子 @mu0283

安倍首相は、毎月勤労統計のデータでアベノミクスの成果を誇ったことなどない、とよく答弁する。そりゃそうだ。誇れるほどの値ではない。 むしろ、野党の批判の材料だった。その野党の批判を受け止めなくないから、安倍首相は、「都合の悪いデータ」を消しにかかったのだと思う。

2019-02-26 08:02:10
上西充子 @mu0283

「勤労統計のデータでアベノミクスの成果を誇ったことなどない」が、勤労統計のデータでアベノミクスの欠点をつく、その野党の攻撃は防ぎたかったのだ。 勤労統計のデータは安倍首相にとって「都合が悪い」データだった。

2019-02-26 08:03:29
上西充子 @mu0283

安倍首相のこの間の、勤労統計への官邸の関与に関する追及への反論は、反論ではなく、目くらましだ。日経の記事もそうだ。 それらに野党は惑わされないでほしい。

2019-02-26 08:06:19
上西充子 @mu0283

改めて、小川淳也議員の2月4日の指摘が重要だ。遡及改訂によって賃金水準はこれまで常に、下がっていた。麻生大臣が言うように「上がったり下がったり」していたのではない。下がっていたからこそ、遡及改訂による下振れを麻生大臣は2015年10月の経済財政諮問会議で問題にしたのだ(下記中央)。 pic.twitter.com/aEaVrmTvyV

2019-02-26 08:09:33
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上西充子 @mu0283

部分入れ替え方式に移行することにより遡及改訂をやめたことによって、2018年1月のサンプル入れ替え時には、過去にさかのぼって「アベノミクスに傷がつく」という現象を避けることができた。そして、その他の手法変更により、今後の賃金水準のかさ上げが可能となった。そう理解するとすっきりする。

2019-02-26 08:26:21
上西充子 @mu0283

必ず遡及改訂によって過去の賃金は下がる、いう4日の小川淳也議員の指摘。プラスがマイナスに転じるという中江秘書官の問題意識。サンプルの入れ替えでどうのこうのなんて、気にするわけがないじゃないですか、という安倍首相答弁。昨日までの数値ががらっと変わる、という安倍首相発言。すべて共通。

2019-02-26 08:32:30