BDZの減量方法 by 佐々木幸哉医師

精神科医によるBDZ減量の実際が非常にわかりやすく書かれています。医師だけでなく患者さんにも理解出来ると思われます。
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Yukiya Sasaki/佐々木幸哉(精神科医, 製薬) @YukiyaMEDICAL

個人的見解ですが、BDZの減薬はある種の精神療法に似ている。 パニック障害に対する段階的曝露とか。 寄り道は最小限に留めたいので詳細には触れませんが、例えば新幹線に乗るとパニック発作を起こす患者さんを、普通電車から始めて、段階的に慣れてもらって新幹線に乗れるようにするための治療です。

2019-03-12 19:17:14
Yukiya Sasaki/佐々木幸哉(精神科医, 製薬) @YukiyaMEDICAL

患者さんを強制的に新幹線に乗せても意味が無い。患者さんが「新幹線で出張できるようになる」という目標を持ち、発作のトリガーとなりうる刺激に身を曝すための「治療意欲」を持つことが何より重要。曝露療法という技法はあるが、その枠内で治療者がいかに気の利いた工夫を凝らすかが次に重要になる。

2019-03-12 19:17:14
Yukiya Sasaki/佐々木幸哉(精神科医, 製薬) @YukiyaMEDICAL

この治療が理想的に進んだ場合、患者さんは治療者の工夫を真似て、アレンジし、自分のものにしていきます(治療者の内在化)。「新幹線に乗る⇒パニック発作が起きる⇒だから乗らない」という自動思考を打破し、新幹線どころか飛行機にも乗れるようになる。 同じことが減薬過程でも起きるのが理想的。

2019-03-12 19:17:14
Yukiya Sasaki/佐々木幸哉(精神科医, 製薬) @YukiyaMEDICAL

BDZの減薬において、患者さんが自身の体調を見極めて、自ら減らす量や頻度を調整し、しかし程良く眠れるようになってほしい。 そのためには治療者の側が、枠は保持しつつ、しかし如何にしなやかに振る舞えるかが肝要です。 しかしその工夫によって生じる全ルートを網羅していては話が終わりません。

2019-03-12 19:17:14
Yukiya Sasaki/佐々木幸哉(精神科医, 製薬) @YukiyaMEDICAL

ので、ここでは、 「週に1回マイスリー5mgで眠れる」 ようになったら次は、 「週に2回マイスリー5mgで眠れる」 ようになることを次の目標に設定した場合のルートに絞ってお話を前に進めます。 <続く?:2019/03/12 19:13>

2019-03-12 19:17:14
Yukiya Sasaki/佐々木幸哉(精神科医, 製薬) @YukiyaMEDICAL

@jadegreen210 ご本人やご家族のお考えもあるでしょうが、30年のヴィンテージ物のベンゾ依存で、ご年齢が90歳超となると、敢えて減薬とか離脱とかしない方が、QOLは良いのかもしれませんね。

2019-03-15 00:20:53
Yukiya Sasaki/佐々木幸哉(精神科医, 製薬) @YukiyaMEDICAL

えらく時間を掛けてしまいましたが、違法薬物依存については守備範囲外ですので、これについての僕のツイート、ブログの内容は個人的見解の域を超えるものではありません。 違法薬物依存について述べるのはこれで最後にして、処方薬(特にベンゾジアゼピン)依存の路線に戻りたいと思っています。 twitter.com/YukiyaMEDICAL/…

2019-03-18 10:00:50
Yukiya Sasaki/佐々木幸哉(精神科医, 製薬) @YukiyaMEDICAL

3月17日のツイートをまとめました。 例によって、140字制限があるツイッターでは書き切れなかった部分を加筆・訂正してブログ記事化しています。 #薬物依存 #薬物報道ガイドライン @chochocho4 もっとシンプルに #ピエール瀧 (とそれに表象される人々)を扱うべきなのでは? psychopharmacology.blog.fc2.com/blog-entry-226…

2019-03-18 09:56:40
Yukiya Sasaki/佐々木幸哉(精神科医, 製薬) @YukiyaMEDICAL

@1OOhaMpfa3sLYlg 「変な症状」の中身次第……でしょうね。 一般的にはデパスの方が余計な症状出やすい印象ですが。

2019-03-19 10:05:38
Yukiya Sasaki/佐々木幸哉(精神科医, 製薬) @YukiyaMEDICAL

誤解を招きやすい概念の自乗になるので説明に気を遣うのですが、最近「ベンゾジアゼピンを減薬する過程で患者さんはHSPになるな」と感じることがしばしばあります(HSP=Hyper Sensitive Personの原義どおりの用法では無いのでそこはご留意を)。 心身ともに、刺激に過敏になる方が多いように思う。 twitter.com/TaekoN/status/…

2019-03-19 10:33:00
TAEKO @TaekoN

ベンゾ減断薬で肋間神経痛になってる方っているでしょうか? 前の断薬後にも同じ症状になってその時はどこか骨にヒビでも入ったと思い検査した結果どこも異常なし。 で又今回も同じ症状で痛みが増して前より苦しいのですが… #ベンゾジアゼピン #肋間神経痛 #減薬 #断薬 #ベンゾジアゼピン離脱症候群

2019-03-19 08:47:29
Yukiya Sasaki/佐々木幸哉(精神科医, 製薬) @YukiyaMEDICAL

例えば、虫歯の痛みを、歯科医が評価するよりもずっと強く感じる。 肩こりがいつもより気になる。 経済的な不安をそれまでよりも強く感じるようになる(収入も支出も変わっていないのに)。 職場の人の些細な一言で深く傷つく(以前なら受け流せていたのに)。 ――これもある種の離脱症状なのかなと。

2019-03-19 10:33:00
Yukiya Sasaki/佐々木幸哉(精神科医, 製薬) @YukiyaMEDICAL

ベンゾを処方される以前の元の症状が心気症状や病的不安だったわけではなかった患者さんでもこのような症状が現われるので、反跳性の不安・症状の再発ではないと思います。 臨床で接するイメージとしては、コードの被覆が剥がれて神経がむき出しになっているような感じ。 一臨床医の臨床的所感ですが。

2019-03-19 10:33:01
Yukiya Sasaki/佐々木幸哉(精神科医, 製薬) @YukiyaMEDICAL

@remomsourlove @TaekoN いやあ、難しい。 BZやその離脱でどのような症状でも起こりうる。 だからといって体に起きた全ての不調をBZのためだと考えると、他の身体疾患を見逃す恐れがある。 身体的不調とBZの影響を客観的に証明する方法も否定する方法も無い。 ではどうすれば? という。 向精神薬、特にベンゾは難しい。

2019-03-19 12:35:03
Yukiya Sasaki/佐々木幸哉(精神科医, 製薬) @YukiyaMEDICAL

「週に2回マイスリー5mgで眠れる」ようになるところからです。 身体的依存は「いくらか和らいでいる」という域を脱していませんが、心理的依存は、週に1回眠剤を半量にできただけでも、かなり軽減していることが多い。 次のステップは、前述の通り「自己判断で週2回、マイスリー5mgの日を作るです。

2019-03-20 18:31:58
Yukiya Sasaki/佐々木幸哉(精神科医, 製薬) @YukiyaMEDICAL

最初のステップをクリアした患者さんは、時間を掛けさえすれば、次のステップは遅かれ早かれクリアできることが多いです。 ただ、その速度のコントロールが難しい。 最初のステップよりも早く通過できるというのは一般論で、やはりここでも個人差が大きい。医師も患者さんも焦らないことが重要です。

2019-03-20 18:31:58
Yukiya Sasaki/佐々木幸哉(精神科医, 製薬) @YukiyaMEDICAL

1週間あたりの処方内容は、  マイスリー10mg錠×5  マイスリー5mg錠×2  マイスリー2.5mg錠(5mg錠を薬局で分割してもらう)×1 とします。 2.5mg錠は5mgの日に眠れなかった場合の追加分。 僕は「これで何とかやりくりして下さい」と説明することが多いです。 患者さんに能動的に服薬してほしいので。

2019-03-20 18:31:59
Yukiya Sasaki/佐々木幸哉(精神科医, 製薬) @YukiyaMEDICAL

2~3週間して「やはり5mgにすると全く眠れない」という訴えがあれば、無理をせずに前ステップに戻ることをお勧めしています。 最初のステップでは後退=毎日10mgに戻ることを不可としていました。それは減薬断念に近い感覚を患者さんが持ってしまうからです。 これ以降は前段階への後退はアリです。

2019-03-20 18:31:59
Yukiya Sasaki/佐々木幸哉(精神科医, 製薬) @YukiyaMEDICAL

但し、ステップを行ったり来たりしながらも、中長期的には前進するという姿勢は示しましょう。「いったん1つ前の飲み方に戻して、体勢を立て直して再チャレンジしましょう」といった具合に。 さて、第2ステップが進んだ場合(大体は進みます)。 誘導せずに患者さんお話を聞くことを旨として下さい。

2019-03-20 18:31:59
Yukiya Sasaki/佐々木幸哉(精神科医, 製薬) @YukiyaMEDICAL

非活動性のせん妄の睡眠確保にも効果有りますね。 高齢者が多い某小樽の病院勤務時のフェイバリットでした。 かっちり眠れる割に副作用が穏やか目で、高齢者にも使いやすい印象です(もちろん個人差あり。 @XK2FLqSFYhE6flp twitter.com/XK2FLqSFYhE6fl…

2019-03-23 00:35:41
まつもとメンタルクリニック @XK2FLqSFYhE6flp

ベンゾ系の睡眠薬を止める時に、トラゾドン(レスリン、デジレル)で置換するとうまくゆく時がある。睡眠リズムを壊さないのでより熟眠感を得られることが多い。 twitter.com/MoodDisHB/stat…

2019-03-22 23:22:47
Yukiya Sasaki/佐々木幸哉(精神科医, 製薬) @YukiyaMEDICAL

一般科でも、高齢の方の不眠には最初からトラゾドン25mgくらいを処方していただけると、ベンゾジアゼピン系薬物を処方した場合に起こりうる、非常にややこしいあれやこれやを防止できる可能性が高いと思います。

2019-03-23 00:35:42
Yukiya Sasaki/佐々木幸哉(精神科医, 製薬) @YukiyaMEDICAL

といってもこの場合、一般科診療の中で睡眠薬の減量を行っているわけですから、診療の中での位置付けはメインディッシュの後のデザートあたりにならざるをえませんし、そうであるべきでしょう。 お勧めは診察の最後の方、処方箋を打ち込む前に「今回は2.5mg錠、何錠処方しますか?」と訊く方法です。

2019-03-23 23:57:36
Yukiya Sasaki/佐々木幸哉(精神科医, 製薬) @YukiyaMEDICAL

2週間毎に受診されている患者さんが「今回も2つ下さい」と言ったなら、減薬は進んでいません。5mgの日に眠れず、それぞれ追加を使用しているか、5+2.5+2.5=10mg服用している日があるということだからです。逆に「今回は不要です」という答が返ってきた場合は減薬は順調であるということになります。

2019-03-23 23:57:36
Yukiya Sasaki/佐々木幸哉(精神科医, 製薬) @YukiyaMEDICAL

恐らく後者の割合の方が多い。 ただどちらの場合も、即時の介入は必要無いし、しない方が良い。歯痒いかもしれませんが、診察2~3回程度は様子を見ましょう。 前者が後者に寄ってくる場合もあるし、後者が「やっぱり今回は1錠下さい」と仰るかもしれない。前者も後者も、急がせ過ぎない方が良い。

2019-03-23 23:57:37
Yukiya Sasaki/佐々木幸哉(精神科医, 製薬) @YukiyaMEDICAL

1つには、脳がベンゾジアゼピンの減量に慣れるのに、一定の時間を要するからです。減量幅がわずかでも、2週間で慣れるものではありません。 <続く:2019/03/23 23:57>

2019-03-23 23:57:37
Yukiya Sasaki/佐々木幸哉(精神科医, 製薬) @YukiyaMEDICAL

@kairiutsusessy1 @cardioathlete @DrTowa108 @osanpo_surgeon 何を標的にベンゾジアゼピンを処方されているかにもよりますが、解離性障害とベンゾジアゼピンって、そもそも相性悪いんですけどね。 個人的には禁忌だと思っています。

2019-03-24 00:22:18
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