政宗九さんの『旧作ミステリ再発見』

ミステリマニア書店員、政宗九さんの旧作ミステリ紹介ツイートをまとめました
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まさむね @mmmichy

十津川警部と、彼らと同じ青森出身の亀井刑事が事件を追う。メンバーが減っていく中、容疑者は二転三転、果たして真犯人は、そしてその動機は……。時刻表トリックやサスペンス、亀井刑事個人の物語も絡んでくるなど、様々な要素が織り込まれ、読み応えのある小説だ。

2019-03-11 10:51:51
まさむね @mmmichy

ポイントは「動機」。犯人が分かってもその真の動機がなかなか判明しない。最後の1ページで初めて明かされるのだ。協会賞受賞も納得の作品で、近年のトラベルミステリーへの偏見をお持ちの方にこそ読んでいただきたい。

2019-03-11 10:54:04
まさむね @mmmichy

ただ、いささか古さは否めない。今回読み返してみて、また新鮮な気持ちにもなったが、「国鉄」時代だし、「ゆうづる」にまつわるトリックも今では分かり難い(というか、亀井刑事がトリック検証で一度失敗するが、それは時刻表を見たらすぐ気づくでしょうに、と突っ込んでしまった)。

2019-03-11 10:56:38
まさむね @mmmichy

また、本書のタイトルにある「終着駅」も重要なキーワードで、「ゆうづる」終着駅の青森駅と、東北の人々からみた終着駅としての「上野駅」の存在感が、現在とはまた違った郷愁を呼び起こす。ノスタルジーにも浸れる傑作だと思う。

2019-03-11 10:59:18
まさむね @mmmichy

西村京太郎作品を続けると、実はキリがない。本格ファンに有名な『殺しの双曲線』や『名探偵なんて怖くない』、社会派の『天使の傷痕』、巨大消失もの『消えたタンカー』『ミステリー列車が消えた』などなど。ぜひ読んでみてください。西村京太郎編は今回までにします。次は別の作品で。

2019-03-11 11:07:29