緊急避妊薬について正しく知っておいてほしいこと

旅行記などを描かれるWEB漫画家のよねはらうさこ氏がまとめられた3P漫画「緊急避妊薬について男子たちに知っておいてほしいこと」が1万RTを超えましたが、この漫画内の情報そのものはほとんどが不正確なもので、しかし画像本体を修正されることもなく連ツイによる追記にて訂正がされるのみ(訂正ツイートのRTは微々たるものです)。 twitterでは、正確な(真面目な感じで書かれている)情報ほど、なぜかあまりバズりません。氏の漫画はどちらかというと「女性は大変なんだ!男性は知れ!」という(男性非難にも取れる)スタンスに加え、フォロワー数の多さが1万RTに至った理由ではないかと思います。正確な情報で描かれていればそれだけの人に届いたのかと思うと、とても悔しい思いです。
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どうか、一旦画像を削除して修正した後に再投稿をお願いします。それだけの拡散力で正確な情報が届けられれば、沢山の女性の力になることができますから。

ピルについての基本的な情報

瑞谷藻緯 @Moi_Mizutani

ピルについての基本的な情報は手前味噌ですがこちらにまとめてあります。 moi-m.com/?p=2771 この1ページで概ね網羅できていると思うので、 ・生理日ズラし ・緊急避妊 ・デイリーピル ・治療用ピル を色々混同されている人は是非お読み頂ければ。

2019-04-01 15:20:45
瑞谷藻緯 @Moi_Mizutani

ピルについてもっと詳しくという方は、長年ピルユーザーから信頼されているサイト ・ピルとのつきあい方 finedays.org/pill/index.html 婦人科から低用量ピルを処方されている方も、飲み忘れの対応についてご一読下さい。12時間以上の飲み忘れの時の対処を医院から説明されていますか?

2019-04-01 17:29:56

外部サイトに読みに行くのが面倒臭い人用

瑞谷藻緯 @Moi_Mizutani

■緊急避妊薬  日本で選択できるのは大雑把に2種類  ・ノルレボ 1.5万円~2万円 副作用少  ・F(ノルレボのジェネリック)  1万円以内?  ・中用量ピル4錠 3千円~8千円 副作用強 ■中用量ピル  いわゆる混合ピル。元々は避妊薬だったものを治療用認可した。中用量とは卵胞ホルモン量を指す。

2019-04-01 18:40:37
瑞谷藻緯 @Moi_Mizutani

■低用量ピル  中用量ピルと比べて卵胞ホルモン量を少なく開発された経口避妊薬。  日本では随分遅れて「避妊用」として認可されたが、後に一部銘柄が「治療用」として別途認可された(保険が適用されて同額程度になるので元の金額を考えると…?)  概ね月2千円~3千円程度。他国と比べても割高。

2019-04-01 18:53:10
瑞谷藻緯 @Moi_Mizutani

■超低用量ピル  卵胞ホルモンを更に少なく開発した経口避妊薬。  ここまですべて海外の会社が開発したもの。  唯一日本で開発されたのが超低用量「ルナベルULD」、この用量のピルは他国には存在しない。日本では避妊認可がされていないし治験もされていない。(ルナベルLDとは用量が違います)

2019-04-01 19:02:36
瑞谷藻緯 @Moi_Mizutani

■副作用  目立った副作用である、吐き気、血栓症は主に「卵胞ホルモン」(エストロゲン)が原因。もちろん黄体ホルモン由来の副作用もある。  ノルレボやFは、黄体ホルモン(レボノルゲストレル)単体で、約1週間程度の排卵抑制をする。その為卵胞ホルモン由来の目立った副作用がない。

2019-04-01 19:05:56
瑞谷藻緯 @Moi_Mizutani

■緊急避妊の服用  基本的には排卵を抑えることから、できるだけ早い服用がカギ。ただし72時間以上経っても諦めず服用をすることは、回避率は低くなるものの無意味ではない。  逆にどれだけ早く服用しても、避妊率は100%にならず、99%程度(その一回の避妊率)

2019-04-01 19:20:10
瑞谷藻緯 @Moi_Mizutani

また服用後の妊娠確認には時間を要し、その間あまり「お気楽」では居られない。万が一連続的に服用が必要になった場合には基本再服用が推奨されるが、その場合の「妊娠していないかへの不安」は想像に難くないでしょう 「乱用が懸念される」という人は確率についてと、その実際の現場を想像してほしい

2019-04-01 20:42:29
瑞谷藻緯 @Moi_Mizutani

■なぜ各薬剤を混同してしまうのか  中用量~超低用量、ノルレボには黄体ホルモンが必ず含まれます。  黄体ホルモン単体で排卵の抑制ができます。しかしそれだけでは多量に必要になってしまう為、卵胞ホルモンを一緒に合わせることで効果を高めます。これが「混合ピル」です。

2019-04-01 20:27:49
瑞谷藻緯 @Moi_Mizutani

ということはどの薬剤も、用量は違えど基本的に「排卵を抑制して」「内膜の剥離(生理)を抑える」ということになります。 一緒くたに考えてしまうのは、知らない人にとっては仕方がないかもしれません。 しかし、用量が違うこと、含んでいる女性ホルモンが違うことは、とても大きな違いです。

2019-04-01 20:31:22
瑞谷藻緯 @Moi_Mizutani

もしよければこれを機に、興味を持って頂いて、少しでも「違い」を認識して下さればと思います。 「緊急避妊は副作用が強くてしんどい」 「ピルは負担が掛かる」 それだけが独り歩きすることは、女性にとってなんの力にもなりません。 正確な情報を得て、的確に運用できるようになることが何よりです

2019-04-01 20:33:12

更に追加の余談

瑞谷藻緯 @Moi_Mizutani

あまり細かく説明しても見て貰えないかなとは思いつつ、一応 緊急避妊薬: 72時間以内に飲む→ 出来るだけ早く72時間以内に服用 ただし72時間を超えても効果はある(回避率50%を切るが) 85%ほどの避妊効果→ 妊娠回避率の間違い 画像:twitter.com/yoneharausako/… より引用 pic.twitter.com/0qDwOlI8qc

2019-04-02 21:56:00
よねはらうさこ @yoneharausako

緊急避妊薬について男子たちに知っておいてほしいこと pic.twitter.com/2qNMEXs1Av

2019-03-30 23:42:22
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瑞谷藻緯 @Moi_Mizutani

中用量ピル: 一定期間飲む→ 日本では治療用に認可されたのでそういうケースが多かっただけ。低用量が認可される前の日本の方がむしろ、避妊の為のピル処方が盛んだった。それが当時の中用量。産後のお母さんに小児科でも処方されてた。しかしそれも廃れてしまい、現在は婦人科が独占の状況。

2019-04-02 22:00:48
瑞谷藻緯 @Moi_Mizutani

生理日調整の為に中用量がよく処方されるのは、その用量の為と、多分数錠単位で処方できるからかな……。そのへんは私も詳しく知りません。 実際問題、中用量の方が抑える力が強い傾向にあるというだけで、ノンピルユーザーでも種類によっては低用量でも調整できる。

2019-04-02 22:54:57
瑞谷藻緯 @Moi_Mizutani

低用量ピル: 毎日飲む→やや説明不足。基本セットとしては21日服用+7日間の休薬。 ただしこれは実質風習的なもので(おそらくは月経が28日周期の為にそれに合わせた)、ぶっちゃけ絶対ではなく、連続服用も実質可能。 歴史的にはいつから「休薬」の概念が出来あがったのかは調べてたけれどわからず。

2019-04-02 22:09:24
瑞谷藻緯 @Moi_Mizutani

なので、「生理周期が整う」というのは、結果的にそうなるというか。 基本的には内膜に対して抑制が利く間は、服用中出血が起こらない。しかし抑えが不足し出すと、あるいは抑えの強さが下がるとそれをきっかけに破たんする。これが概ね消退出血になる。 低用量はシートとして21錠セットがセオリー。

2019-04-02 22:12:19
瑞谷藻緯 @Moi_Mizutani

黄体ホルモンの量は必ずしも中用量の方が多いとは限らない むしろ低用量ピルの方が卵胞ホルモンを少なくした結果多くなっているという場合もある 黄体ホルモンと卵胞ホルモンの関係は種類・用量によって違い、単純に値だけで比較することはできない。総体的には中用量の方が抑えが強い傾向にあるけれど

2019-04-02 22:21:37