「茨城県のヒラメのセシウム濃度に関する考察」ほか・・・三重大・准教授 勝川俊雄さんのツイート

水産資源管理の専門家の三重大学・准教授 勝川俊雄さん(@katukawa)の5月10日の連続ツイート。 魚による放射性物質の濃縮について。 最後にブログの紹介あり。
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勝川 俊雄🐬 @katukawa

「生のスケトウダラについては、日本に代わる漁獲地も開拓されている。ベーリング海で水揚げし、空港のあるアラスカのアンカレジやカナダのバンクーバーを経由して搬入する流通網が新たに開拓されている。」韓国市場から敬遠される日本の水産物。 http://bit.ly/iBxYWu

2011-05-10 02:43:16
勝川 俊雄🐬 @katukawa

ひとたび別ルートができると、それが取引実績になるので、もし日本が安全だとわかっても100%元には戻らない。マーケットを失うのは確実なんだけど、それがどの程度かという問題。

2011-05-10 02:45:08
勝川 俊雄🐬 @katukawa

福島県の水産物の放射能測定結果。コウナゴとヒラメしかデータがない。被食者コウナゴに取り込まれたので、今後は生態系を循環するのは確実。ヒラメはすでにセシウムの値が上がっているけど、汚染のピークは来年1月ぐらい。今後の推移に注目したい。 http://bit.ly/mOvQ2r

2011-05-10 03:06:16
勝川 俊雄🐬 @katukawa

福島研水産研究所 「福島県海域のイカナゴの食性について」は、コウナゴの汚染を考える上で重要な資料。 http://bit.ly/lbw2pN

2011-05-10 03:13:03
勝川 俊雄🐬 @katukawa

コウナゴの主要な餌は、動物プランクトン(カイアシ類)。そのときに利用可能なプランクトンを食べているような印象。つまりごくありふれたプランクトン食性の魚だね。

2011-05-10 03:25:50
勝川 俊雄🐬 @katukawa

「コウナゴで高い値がでたのは、内臓にあるプランクトンが原因」という説もあるようだが、福島水試の報告書では「1尾当たりの摂餌量は体重の0.5%未満の個体が多かった」とある。餌のプランクトンが80万Bq/Kgも汚染されているというのはあり得ない。コウナゴが汚染されているのだろう。

2011-05-10 03:27:50
勝川 俊雄🐬 @katukawa

カイアシ類が汚染源だとすると、多くのプランクトン食性の魚は汚染されているはず。なぜコウナゴだけで高い値が出ている理由は次の2つだと思う。1)コウナゴ(稚魚)は代謝が早いので、体内に蓄積される、2)コウナゴ以外のプランクトン食性の浮魚はほとんど計っていない

2011-05-10 03:30:40
勝川 俊雄🐬 @katukawa

この辺で表層に生息している稚魚を調べれば、コウナゴと同じぐらいの値が出ると思う。コウナゴだけが汚染されているわけではなくて、早期に汚染されやすい魚はコウナゴしか調べていないだけ。こういう小さな魚が、より大きな魚の主要な餌なのだから、時間遅れで大型魚も汚染される可能性が高い。

2011-05-10 03:34:17
勝川 俊雄🐬 @katukawa

犬吠まで来る間に相当希釈されているはずだけど、ちょっと気になる動きですね。 http://bit.ly/jooJCX

2011-05-10 03:45:09
勝川 俊雄🐬 @katukawa

と思ったら、ゴールデンウィーク以降シラスを調べているが値は低いようだ。サンプル地点が南中心なのが気になるところではある。4/26に北茨城のシラスから180Bq/Kgの汚染が確認されている。 http://bit.ly/iMV7mu

2011-05-10 04:19:57
勝川 俊雄🐬 @katukawa

シラス(カタクチ稚魚)のセシウムが低い理由は、黒潮系だから。「カタクチ仔稚魚は黒潮系暖水域や表面水温の高い海域に濃密な群れを形成しており、冷水域および暖水塊の内部では分布密度は2桁以上低く、親潮域ではほとんど出現しない」 http://bit.ly/mrcjH0

2011-05-10 04:34:22
勝川 俊雄🐬 @katukawa

汚染されたプランクトンは、汚染水と一緒に流されるので、水がきれいになれば、プランクトンの汚染も収まるはず。プランクトン食性の魚は汚染を取り込むのも早いけど、汚染が収束するのも比較的早いと思う。

2011-05-10 04:39:42
勝川 俊雄🐬 @katukawa

海の生態系を理解するには、海流、回遊、食性といった情報が重要なことがよくわかる。

2011-05-10 04:41:31
勝川 俊雄🐬 @katukawa

魚の回遊や食性はわかってない部分が大きいので、確定的なことは言えないです。様々な可能性を示唆することはできても、その先は難しい。俺を含む専門家の言うことは、あくまで「一つの意見」として聞いておくのが正しいでしょう。

2011-05-10 04:47:25
勝川 俊雄🐬 @katukawa

仔稚魚の生態、特に初期減耗については、専門家の間でも意見が分かれる部分が多いのです。まあ、いろんな仮説がでてくるのが面白いところでもあるんだけどね。

2011-05-10 04:49:26
勝川 俊雄🐬 @katukawa

自粛していた茨城県の小型船の漁が再開 「ヒラメやマコガレイからは放射性物資が検出されていないことなどから、小型船での漁を再開した」とあるけど、暫定基準値以下の汚染は検出されている。 http://bit.ly/mkKcr5

2011-05-10 05:02:21
勝川 俊雄🐬 @katukawa

茨城のヒラメの計測値を全てまとめるとこんな感じ。縦軸はセシウム(Bq/kg)。不検出はゼロにしてある。徐々に値が上がっているのが見て取れる。ピークはおそらく来年の1月ぐらいで、どこまで上がるのかの問題。 http://yfrog.com/h2iesjp

2011-05-10 05:08:27
勝川 俊雄🐬 @katukawa

ツイッターに書いた内容をブログにまとめました 「茨城県のヒラメのセシウム濃度に関する考察」 http://t.co/LsLUdVy

2011-05-10 05:47:42