87歳の辻真先先生（1932＝昭和７年生まれ）が、最新のアニメやエンタメを愉しみ過ぎていてすごい…2019年の資料

辻　真先 @mtsujiji

アニメをいろいろと教えていただき、感謝です。「どろろ」１・２を見る。百鬼丸をどろろ視点から描くのはいいな。万代をあの尺数に纏めたのもいいが、原作を初読したときの驚愕に比し、ぼくはやや物足りなかった。でも原作を整理して、新たな小林・古橋ホラーが生まれるならと、大いに期待しています。

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アニメ「ケムリクサ」１・２話を見る。実は１話は配信直後に見ており（タイトルが気になって）、「けもふれ」話題を知らずに見たから、幸い先入観ナシの感想です。荒廃した世界なら「少女終末旅行」もあるが、ドラマを辿りやすいロードアニメ？とは違う。あれは線でも、こちらはいわば面だ。（つづく）

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（「ケムリクサ」つづきです）情報量が飛躍的に増すため、説明不足が視聴習慣の足を大きく引っ張る。それでもついて行かせたいなら、舞台や人物の魅力を更に磨く必要がある、なんて釈迦に説法ですね。流動食の多いテレビアニメでは歯ごたえがあるので、ぼくは見ます。視聴者を選ぶ作品には違いないが。

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「かぐや様に告らせたい」１　を見る。原作は未読です。演出はケレン味たっぷりでいろいろやりますなあ。中身より包装紙がよくては本末転倒だが、面白く見た。「ソードアート・オンライン・アリシゼーション」暢達な口調で話が運ばれる。さちに視聴者の心に楔を打ち込んでほしく、ややもどかしかった。

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「リヴィジョン」１・２を見る。深見・谷口・白組というスタッフで、シンゴジならぬシンロボ写実路線というべきか。主役少年の危うい造形、大人たちの会話などひと癖あるのは、さすが。渋谷の孤立が飲み込みにくかったが（高校にドローン部があって偵察するとか）、これからの展開を楽しむとしようか。

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バビルさんからジャンプＳＱ連載中の「モナリザマニア」１を頂戴，読了。美術のそれも贋作の話を、ジャンプの型におとしこんで成功した。マンガ最前線の層の厚さに舌を巻く。くらべてぼくのツイッターは、内容の誤認あり題名の誤記ありでうすっぺらい。それでも呟くのはもの書きのサガか、すまない。

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アニメ「賭ケグルイ」１、バビルさんに戴き見る。脚本演出の畳み込みは毎度ながらイキがいい。売り物の顔芸もこれからに期待しよう。男がカレーのらっきょう以下の扱いとは同性として情けないが、かつて全方位の原作を書いたぼくが、ギャンブルマンガはボツだったのを思い出した。笑う資格なんてない。

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今ごろシリーズになって申し訳ないが、芦辺拓さん「名探偵・森江春策」を頂戴、読了した。中短編集だが内容は大変なボリュームだ。時系列に沿って森江少年から森江探偵にいたる事件を、ギッシリの趣向で描いている。太田忠司さん解説「普通人」探偵の全貌が、ラストの字余り部分を含めて浮かび上がる。

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冬目景「空電ノイズの姫君」３を読了。ＷＥＢより紙の連載を選んで、他社へ移動するらしい。なぜだろう、ぼくは（音楽にまるで無知なのに）この作家が好みだ。仲間と好きなことに打ち込む青春が羨ましいこともある。中学からＮＨＫに至るまで、ミステリＳＦアニメ同好の友が誰もいなくて寂しかったよ。

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アニメ「リヴィジョンズ」観了した。スタッフの地力で、時空にわたる大きな構図を纏めて、アクションに落としこんでいる。ぼくの鈍さか、あの難局の時点で過去へ跳ばねばならぬ必然性と、硬直したキャラに感情移入しにくかったのは、やや辛いが、渋谷の地の利を生かしたリアルなＳＦ談に惹かれました。

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石持浅海さんから「崖の上で踊る」を頂戴、読了。ブラック企業幹部３人に復讐すべく集まった１０人。その中で一人また一人と殺されてゆく。犯人は誰だ。論理と感情をないまぜて、復讐者たちは互いを問い詰めてゆく。時間も空間も人物も限定された舞台だけに　ストーリーテリング力がものをいう趣向だ。

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コミカライズ「レクリエイターズ」４を読了。同題のテレビアニメに感服して、日経新聞に場違いながら紹介したことがある。アニメ、ゲーム、ラノベ、二次創作に亙る世界観とキャラを混在させ、読者につきつけた主題の重みは、コミックで全貌が読み解けよう。今回は魔法少女の最期と真鋆の曲言が売りか。

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「マージナル・オペレーション」１２読了。長いおつきあいだけに、アラタとジブリールから目が放せない。子供使いの怒りを、エンタメとして読み過ごすのも自省。最近、本土決戦で１０００万人死ねば米国に勝てたという主張を読み、この長編の価値を再認識した。あのときぼくは１２歳の子供だったもの。

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高木さんやら長瀞さんやら、女の子が男コをからかいいじるマンガをいくつか読んだが、丈（たけ）「宇崎ちゃんは遊びたい！」もその系列。には違いないけど一段と活気に満ちて可愛くウザい。中学生なみの童顔と躯体に大型のチチを常備して、ひたすら前向きなキャラだから、鬱の時代に珍重されるのか。

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「涼宮ハルヒの憂鬱」角川文庫さんに頂戴、読了。初版で読み、その後も読んでいるが、続刊の解説を引き受けたので第一冊から改めて読む。視点人物のキョンが実にいい奴だと再認識。ぼくが萌えたのは情報統合思念体が造った有機生命体対象のヒューマノイド・インターフェイス長門有希ですが（長い！）。

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アニメ「このすば」２を４回まで見る。ヘンに力まずのほほんとした異世界もので、第一期も気楽に見られた。野心作問題作ばかりでは疲れるし、ジャンルを聞いて即中身の見当がつくのでは、時間を返せといいたくなるが、上江洲脚本はラクに流してくれて安心だ。エンタメとして肩の力を抜いて見ています。

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頂戴した涼宮ハルヒのシリーズ、最後の三作が未読なのに気づいて（分裂・驚愕の前後編）、ぶっ通し読む。ＳＯＳ団メンバーがいかに鮮やかに描写されていたか、クライマックスへの急峻な上り勾配は当然として、その後に用意された幕引きを読み、登場人物たちとの別れの名残惜しさに、我ながら驚愕した。

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田村由美「ミステリと言う勿れ」４を読了。横溝的広島編も面白かったが、それにつづく新章、といってもおもいがけない設定の対話劇？が三幕連鎖して、実に斬新なドラマになっていたから、驚いたし感心した。この人のミステリの引き出しの多さ深さは、人間観察のユニークさが根底にあるのだろう、降参。

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「安彦良和の戦争と平和」を頂戴。安彦さんにはぼくのインタビュー集の装画をお願いしたものだが、これは対談集と違い杉田俊介氏のメニューに則り、マンガやアニメで対峙した日本人の歴史について語っている。「巨神ゴーグ」の脚本を書いたぼくは、全共闘以前の時代に育ったから、得るもの大であった。 pic.twitter.com/o1Nnas6Ckh

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「どろろ」６話まで見る。「万代」を一週でスルーして、「守子唄」は前後編にしたあたり、方向づけがわかる。煽情的な演出を避けなから、片腕の少年を見せている。怪物や人間相手の殺陣など沈澱と高潮のほど良い按配で、原作者もきっと喜ぶと思うけど、あの時代では孤立無援で憤死したのだ。勿体ない。

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芦辺拓さんの「華甲記念文集」を頂戴する。華甲が還暦の意味とはまったく知らなかった。華の中に十が六個と一があるって。数え年６１歳。ウーム勉強。堂々２８２ページ、カラー口絵もはいった「トリックより他に神はなし」読みごたえ十分で、芦辺作品すべてのレビューも驚いたが、市販されてないんだ。

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アニメ「ケムリクサ」６話まで見た。黒と赤が基調の鬱画面に対比して、前向きで礼儀正しいキャラクター。情報を小出しにしてゆく脚本も、緑色の足を生やしたトラム演出も、「わからん」とそっぽむく視聴者の存在まで、計算にいれてるだろうと思うといっそ愉快で、上の意向を忖度しない作風が羨ましい。

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今村昌弘さん「魔眼の匣の殺人」を頂戴、読了する。本格ミステリを読む楽しみに浸った。仕事を棚上げして文字通りの一気読みは、しばらくぶりである。前作がスルーしていた斑目機関に言及されており、論理をハミ出た論理に「霧越邸」を連想したり。最後の最後まで、ミステリファンむけに充足していた。

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加藤元浩さんの「Ｑ．Ｅ．Ｄ．証明終了」５０巻から、それぞれに選んだ傑作各５編が電子書籍になりました。田中芳樹さん、有栖川有栖さん、それにぼくの３人のコメントつきで、配信されています。ミステリ好きならぜひ。選者の個性が窺え、推薦作も被りなし。元が優れた作品ばかりということでしょう。 pic.twitter.com/x7PyNK7nvd

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「不死身の特攻兵」２をバビルさんから頂戴、読了。原作者鴻上尚史も登場する戦記マンガだが、フィリピンの特攻戦を描いて老人のぼくもまったく知らない史実であった。上級軍人の憎々しさ以上に、嘘っ八な大本営発表にどよめく群衆に、自分を見る思いが辛い。国を滅ぼす戦争をぼくら国民が支えた事実。