『さらざんまい』5話予告考察 ~「見えないつながり」、「小さなつながり」、つながる仕組み(「対象a」)~
「さら」はなぜ、わざわざ主人公側に犯罪者を入れるのか。それもかなり重大な犯罪を犯している。普通のアニメならもっと空気を読んで、少なくともメインの登場人物は、好感度の高いキャラに絞るだろう。
2019-05-07 00:07:16「アニメの常識は、イクニ(アニメ)の非常識」で、ただ「仲良しメンバーだけで、集まればいいよね」という、ヌルい方向には行かなかった。「漏洩」などリスクを抱えても人とつながり、自らの欲望も捨てない。
2019-05-07 00:09:20「見えないつながり」について語ってきたが、「もう何が言いたいか分かってきた」という印象を持つかもしれない。しかしここで、少しひねった難しいことも言ってみよう。
2019-05-07 00:14:16(大)昔とはつながり方が違う、という問題がある。たとえば、聖徳太子が仏教を導入して、日本国内をまとめあげた、という歴史のエピソードは聞いたことがあるだろう。
2019-05-07 00:15:35宗教はひとつの例で、昔は共同体が機能していた。今は少し違う。投票率の低下などに現れているように、昔のような「大きなつながり」は機能しにくくなっている。
2019-05-07 00:17:55ここでの「大きなつながり」というのは、「大きな物語」とか、「大文字の他者」とか、「第三者の審級」と言い換えられるような、昔の大きな共同体を言っている。
2019-05-07 00:19:34現代では「大きなつながり」が失われてきているが、それを埋め合わせるように、「小さなつながり」が求められている。たとえば、ネット上のつながりがそう。
2019-05-07 00:20:50「対象a」は、人間の欲望の原因/対象になるような何かだ。たとえば、典型的な例は「お金」。物質的には紙切れに過ぎないし、動物には意味がないモノだが、人間は際限なくそれを欲しがり、時に命まで賭ける。
2019-05-07 00:25:04「対象a」を説明するだけで、本一冊書けるくらい複雑で、いろいろな説明ができるが、あえて一言で言うと、「他者とのコミュニケーションが、期待/約束される」ような何かが「対象a」。お金はまさにそれだ。
2019-05-07 00:27:53「視線」や「声」なんかも、コミュニケーションを期待/約束する場合に、「対象a」になる。ただし、この「期待/約束」は絶対じゃない。「小文字の他者」というように、小さいので、失敗することもある。
2019-05-07 00:30:34ネットで言うと、このツイッターの「リツイート」なんかも、「対象a」の例だと思う。読者がどう見てる(評価してる)のか、視線を可視化したようなものだし、コミュニケーションを保証するシステムだろう。
2019-05-07 00:31:46「評価経済」などと呼ばれているけれど、資本主義が貨幣のシステムであるように、かりに評価経済が重視される社会になっても、「精神的な貨幣」に相当するものはあるはず。それを一言でいうと「対象a」。
2019-05-07 00:33:07つまり、人間社会には「見えないつながり」があって、それをある程度、見えるようにしたのが「対象a」。「ブランド」とかもそうだろう。ブランドの服やバッグが欲しいのは、社会的価値を保証して欲しいから。
2019-05-07 00:35:37「対象a」の話は、すごく奥が深いので、一回でまとめきれないから、また別の機会にしたい。今回のところは「見えないつながり」「小さなつながり」という視点から、「つなげる仕組み」くらいに思って欲しい。
2019-05-07 00:37:23最後にもうひとつ例を出すと、「ソシャゲ」は「ソーシャルゲーム」だから、「つながるゲーム」であって、「ランキング」とか「ギルド」とか「称号」とか、そういうつながる仕組みがあるはず。
2019-05-07 00:38:57「大きなつながり」から「小さなつながり」になった時代で、「つながる仕組み」を開発すると、「ソシャゲ」のように商業的にも成功する。ここら辺を掘り下げると面白い社会論や文化論に発展しそう。
2019-05-07 00:40:10しかし、今夜のところは、遅くなってきたし、長くなってきたので、この辺でいったん区切りにしたいと思います。最後まで読んで頂いた方は、ありがとうございました。
2019-05-07 00:41:02