『さらざんまい』5話予告考察 ~「見えないつながり」、「小さなつながり」、つながる仕組み(「対象a」)~
それが「キュウリを振りかぶっているシーン」。何をしようとしているんだろう? まさか、キュウリで誰かを撲殺する(笑)、展開とかありえないよね?
2019-05-06 23:20:42GW終わりの現実逃避にちょうどいいので、『さらざんまい』視聴者の人は、「飲み込んで、ボクのエクスきゅうりバー」を、さあ脳内再生してみよう! トオイがカズキに言うか、カズキがエンタにかは、お好みで。
2019-05-06 23:24:48さて、小ネタを消化したところで、別の話。競馬や競輪ではないので、先の展開の予想を当てることよりも、テーマ性やメッセージ性について、余裕のあるときには語っておきたい。
2019-05-06 23:26:451話を見たときに、「登場人物が、誰か死んでいるのではないか。またはこれから死ぬのではないか」と、推測したけれど、その予想の当たり外れは別にして、もし誰か死んでいたら、テーマとしてはどう違ってくるか?
2019-05-06 23:30:25本作では、人間の「つながり」が、重要なモチーフになっている。現実社会でのコミュニケーションやコミュニティの要素に相当するだろう。そのつながる相手は、「死者」である場合も可能だと考えている。
2019-05-06 23:34:05死者が相手ではつながれないと思うだろうか? しかし、文豪の小説を考えてもらえば分かる。たとえば、夏目漱石の『吾輩は猫である』とか、芥川龍之介の『河童』とか、小説を通して死者の考えに触れている。
2019-05-06 23:35:41それは、夏目漱石ら文豪が有名人だから特別だ、という感想を抱くかもしれない。だが、小説だけではなくて、社会や文化自体も、過去の人間たちから受け継いでいる。
2019-05-06 23:37:55たとえば、東京の「日本橋」「浅草」などの地名は、江戸時代(以前)からある。過去から名前を継承している。京都の神社仏閣などの建築物も、大昔から残っているものがある。
2019-05-06 23:44:15名前や物体だけでなく、習慣のようなものもある。たとえば、日本人が和服だけでなく洋服を着始めるようになったのは、明治時代からだ。衣食住の様式も変わっているし、流行語などももちろん変化している。
2019-05-06 23:45:33つまり、社会や文化というものは、過去から継承しつつ、少しずつ入れ替わっていくということ。「何を当たり前のことを言っているのか」と思うかもしれない。
2019-05-06 23:46:35なぜそう言うかといえば、人間の「つながり」といったときに、仲の良い周囲の人間だけを思い浮かべるだろうが、見えない部分でもつながっているということ。
2019-05-06 23:48:11「さら」が歴史の深い浅草を舞台にしたり、生と死の中間的な空間(欲望フィールド)を用意しているのは、「見えないつながり」も描こうとしているのではないか、と考える。
2019-05-06 23:51:06『ウテナ』『ピングドラム』などのイクニアニメは、「セカイ系」に分類されることが多いが、今回の「さら」もセカイ系かというと、微妙なところだと思う。社会を描かないのがセカイ系の特徴だが、少し毛色が違う。
2019-05-06 23:56:44どうして「見えないつながり」を描くのかといえば、そういう「絆」は、メディアで重要性を叫ばれるのとは逆に、現実世界では衰退しているからだろう。単純に考えて、核家族化や未婚化や少子化は絆の減少だろう。
2019-05-06 23:59:50少し違う角度から言えば、「シェアリング・エコノミー」なども、「所有」から「共有」という、人間とモノとの関係、ひいては人間と人間の関係を再構築する考え方だろう。
2019-05-07 00:01:23たとえば、「シェアハウス」なんて「つながり」そのものだろう。ただもちろん、良いことばかりではなくて、つながるというのは、トラブルなどのリスクも抱えることになる。
2019-05-07 00:02:22今のアニメは、仲の良い登場人物だけで、つながっていることが多い。が、「さら」では「嫌いな相手とのつながり」も描こうとする意志を感じる。
2019-05-07 00:04:49