葉推詩選:2010-2011年、冬。

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葉月野 @hadukino_tc

今日もこれからいつもの電車に乗って、囚人のように出勤するのだ

2010-12-07 05:28:48
葉月野 @hadukino_tc

いっそただ生きてるだけで感情なんかなくなってしまえばいい。スイッチが切れたように眠り、定刻にONになってロボットのように働く。そんなならどんなにか楽だろう

2010-12-09 05:12:43
葉月野 @hadukino_tc

友達会話を楽しむ車掌と駅員が蚊の鳴くような声で指差し確認をする

2010-12-13 05:14:28
葉月野 @hadukino_tc

ふらふらと落ち着きのない電車待ちの乗客がホームを行きつ戻りつする

2010-12-13 05:16:04
葉月野 @hadukino_tc

なにもかもがイライラさせられる

2010-12-13 05:16:35
葉月野 @hadukino_tc

なぜこの一瞬が静かに固まっていないのか・・・

2010-12-13 05:17:42
葉月野 @hadukino_tc

暑かったのが寒くなる。たぶんそれで合ってる

2010-12-13 05:27:50
葉月野 @hadukino_tc

凍えたら眠れるかも知れない

2010-12-13 05:28:27
葉月野 @hadukino_tc

デパートの踊り場にあるソファで束の間の休息をとる企業戦士たち

2010-12-13 13:22:20
葉月野 @hadukino_tc

むだにイノチが削られていくような気分が体を包む

2010-12-14 05:16:48
葉月野 @hadukino_tc

不安定な精神状態でプラットホームの端に立ち、電車が近づいてくる音を聞いていると、妙な気分になってくる

2010-12-14 05:19:21
葉月野 @hadukino_tc

僕は本当に眼が醒めているのか? まだ不安の渦の中を漂っているだけじゃないのか? 体は布団にくるまれていて、精神がもがいているだけじゃないのか? 目の前に鈍く街灯を反射している二本の錆びたレールは安らぎを誘っているだけなのか?

2010-12-14 05:24:46
葉月野 @hadukino_tc

その安らぎの向こうに、望む幸せはあるのだろうか

2010-12-14 05:27:00
葉月野 @hadukino_tc

目醒めて最初に眼にするのは虚無か無限の失望感か

2010-12-14 05:28:23
葉月野 @hadukino_tc

そして今日も護送列車に乗り込む。救いようのない毎日をまた一日紡ぐために

2010-12-14 05:32:41
葉月野 @hadukino_tc

今朝は錆色の線路も僕を誘ってくる事無く穏やかに闇の向こうに伸びている

2010-12-15 05:24:22
葉月野 @hadukino_tc

厚手のコートに替えたはいいが、少し暑い。人はぜいたくに生きている

2010-12-20 05:08:18
葉月野 @hadukino_tc

冬に恵みの雨は降らない。ただ骨身にしみるだけ

2010-12-22 05:13:26
葉月野 @hadukino_tc

濡れた地面が冷ややかに街灯を反射している。雨音が無慈悲に鼓膜を打つ。暗がりへと気持ちを追い立て、避難できそうな軒下はいつまでも見つからない。

2010-12-22 05:16:45
葉月野 @hadukino_tc

指先は凍え、言葉は凍りつき、足は歩を止める。

2010-12-22 05:19:29
葉月野 @hadukino_tc

冷たい銃弾に打ち抜かれた無数の傷口から絶望と無力感と怨嗟の血をほとばしらせて倒れこむ。犯人はすでに高飛び。

2010-12-22 05:22:13
葉月野 @hadukino_tc

月と金星の光がしみったれた僕の体をつらぬく

2010-12-27 05:07:17
葉月野 @hadukino_tc

この先生きる理由が見いだせないまま今日も似たような毎日を過ごす

2010-12-27 05:08:28
葉月野 @hadukino_tc

そうやって少しずつ少しずつ疲れて行き辿り着く先にはなにもない

2010-12-27 05:11:57
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