創作みたいな事「ダイアクロン」

ヴィックル @metai53

『私が到着するまで軽はずみな行動は慎め…よいな』 『了解であります』 …良い子だ 私はあの子をとても愛しく感じている。 培養カプセルの中で成長するあの子の姿に私は心を奪われた。 そして私は、あの子に自分の戦闘技術の総てを叩き込んだ。 まるで原石を磨きあげるように…。

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何故戦う為に作られたマシンであるこの私がこのような感情を持ったのか？ …いやそんな事はどうでもいい。 あの子は、私にとってかけがいのない「宝」なのだ。 「此処は通して貰うぞダイアクロン！！」 「なんて奴だ、あの小さなボディでバトルスを振り回すとは⁉️」 pic.twitter.com/dbmGymBQ0t

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ヴィックル @metai53

「おい」 「⁉️」 「さっきからボーっとしてたけど大丈夫か？」 「何でもない」 「なら良いが…それより此処から移動するぞ」 「どうしたんだ？」 「表を見てみろ」 「⁉️」 医療センターの正門前に大勢の人々が集まり何かを叫んでいる。 その中にはプラカードを持つ者もいた。

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「ワルダー軍団を赦すな‼️」 「ワルダー軍団に裁きを‼️」 とプラカードには書かれ人々は怨嗟の叫びをあげていた。 「あの者達は何を言っているのだ？」 「…君はワルダー軍団が何をしたのか知らないのか？」 「何って…」 「知らないようだな…この話は後にしよう」

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「コイツに乗るのは嫌だったかい？」 「…狭い」 「ハハハ、そいつは悪かったな」 ブラックコンボイ(旧)は、医療センターから少し離れたある施設を目指していた。 「コイツで何度か君と戦ったな。コイツも旧式化しちまってな…今じゃ偵察や施設を移動するのに使っている」 pic.twitter.com/u9BqGIowRM

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「着いたぞ」 「何だ此処は？」 「タイチョ～‼️」「クロザキ～‼️」 二人は賑やかな歓迎を受けた。 「タイチョ～、その子は新しいお友達？」 「ねえ、あなたお名前は？」 『これが子供…資料で知ってはいたが初めて見た』 「隊長、園長先生が呼んでる」 『地球人以外もいるのか⁉️』

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「ヘルガ、しばらくだったな」 「ああ世話になった…あの時の借りいつか返す」 ヘルガと呼ばれた少女は狼を思わせる獣人型の異星人である。 ある事件で黒崎に助けられ施設に来た。 「そうだな…いずれ返して貰おう。それよりも園長先生が呼んでるって？」 「話あるそうだ」 「話？」

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「黒崎隊長、お待ちしておりました」 園長先生と呼ばれる女性は、実に不思議な人物である。 経歴等一切不明 ダイアクロン及び政財界に強い発言力を持っているらしく、この施設は彼女の一声で作られたと言われている。 高齢であるはずだが、とてもそうは見えない。 「あの子の事ですが…」

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「ランドマスターに身許の調査を依頼しました」 医療センターは、少女からDNAを採取していた。 それをランドマスターのデータベースにある行方不明者リストと照合…該当者を探そうと云うのだ。 「でも難しいかもしれません。彼女は、遺伝子レベルでの改造を受けているようなので…」 「…改造」

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黒崎の脳裏にある光景が甦った。 かつて突入したワルダー軍団基地のおぞましい光景が…。 「あっ、でも私の見立て違いって事も…彼女が他の星の子であの治癒力も元々持っていた可能性だってありますよ」 黒崎の心情を察したのか園長先生が話を続けた。

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「それにしても今日は、災難でしたね…ほら医療センターの」 「病院に押し掛けるのは感心しませんが…」 だが被害を受けた者の怒りは当然ではないか…。 「でもどうしてあの子が運び込まれた事を知ったのでしょうね？極秘だった筈ですよね」 「SNSの書き込みから瞬く間に拡散されて…」

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ワルダー軍団の捕虜が医療センターに運び込まれたという情報は極秘であった。 しかし何処から漏れたのかSNSにより瞬く間に拡散された。 センターの住所、電話番号、ホームページが次々と晒され抗議や脅迫が殺到。 運営が不適切な投稿として削除しても次々と投稿され拡散されて行った。

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投稿の中には被害者の悲痛な訴えもあったが次第に過激な発言も出始めた。 被害者に対する誹謗中傷、騒ぎに便乗した違法行為への呼び掛け 火に油を注ぐようにまたは憎悪を煽るように騒ぎは大きくなっていった。 「ワルダー軍団諜報機関の仕業か…」

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此処は何処だ？ さっきまで騒いでいた連中は何処に行っちまったんだ？ 暗い…何も見えねえ クソッタレ騒ぎに便乗して大暴れする筈だったのになんてこった‼️ オイ、誰がなんとか言えよ‼️ 「お前の望み叶えてやろう」 えっ？ 「こいつを使って暴れてみないか？」 …欲しい、そいつを俺に寄越せ‼️ pic.twitter.com/VJvWwOErqB

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ヴィックル @metai53

「お前達は、何故こんな処にいるのだ？」 翔が異星人の少年に訊ねた。 「何故って、ダイアクロンが此処に連れてきてくれたんだ」 「無理矢理連れてこられたのか？酷い事はされてないのか？」 「お前、何言ってるんだよ。僕達を地球に無理矢理連れてきたのは、ワルダー軍団じゃないか‼️」

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「僕達の星を襲って滅茶苦茶にして…大人達に言うことを聞かせる為に僕らを地球に連れて来たんだ‼️」 「あいつらの基地で働かされた…疲れても休ませてくれなかったよ」 「兵隊にされた友達もいた…」 「僕らが諦めかけた時、ダイアクロンが僕達をワルダー軍団から助けてくれたんだ‼️」

ヴィックル @metai53

「嘘だ…ワルダー軍団がそんな事をする訳が…お前達は騙されているんだ」 「あなたこそ騙されているのよ。ダイアクロンは地球を守っているの！」 地球人の少女が翔に言った。 「ワルダー軍団のせいであたしのパパとママは…うう」 「泣くなよ…うう」 少女の隣にいた異星人の少年も泣き出した。

ヴィックル @metai53

この子供達は、洗脳されている？ 私を騙す…洗脳するつもりか？ 翔は自分の信じる世界が破壊される恐怖を感じた。 「少し話そうか…ついて来い」 ヘルガが翔に促した。 「隊長からお前の事、頼まれた」 「此処は何だ！あの子達はいったい？私をどうするつもりだ！」 「あの子達、嘘言てない」

ヴィックル @metai53

「子供とは、あのような顔をして笑うのだな…」 生れた星も種族も違う子供達が共に遊んでいる。 「落ち着いたか？」 「ああ…」 「さっきは心配したぞ…お前、私と同じ」 「私と同じ…お前は？」 「私、前はワルダーの宇宙傭兵やってた。もっともお前程、ワルダー信じてなかったが」

ヴィックル @metai53

私の星、あの子達の星と同じ…ワルダー襲って来た。 私達戦ったが負けた。 ワルダー、私達の星から色々な物持って行った…エネルギー、食料 貧しくなった私達、ワルダーの傭兵になるしかなかった。 まず父と兄が傭兵になった…「心配するな、すぐ帰る」と言っていたが戻って来なかった…。

ヴィックル @metai53

母、弟と妹守る為、私も傭兵になった。 そして地球来た。 私、威張るだけの無能な指揮官の部隊配属された。 そして捨て駒にされた。 もう駄目だと思たらダイアクロン助けてくれた。 特に黒崎隊長には世話なった。 この恩、必ず返す。 そして父と兄の無念晴らす！！

ヴィックル @metai53

「この音…何か来る‼️」 「お前も聴こえるか？」 ほぼ同時に翔とヘルガが異変に気付き子供達の元に走った。 「何だ…あれ？」 「怖いよぉ」 子供達は、その異様な姿に恐怖を感じた。 「オイ、目の前に丁度良い獲物がおるぞ…宇宙人だ。あいつらを倒せばお前は英雄だぞ」 「俺が…英雄」 pic.twitter.com/QOxOSXK67z

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ヴィックル @metai53

「園長先生大変です、医療センターが‼️」 施設の職員が慌てて駆け込んで来た。 「落ち着いて、何が起こったの？」 「集まっていた抗議者が暴徒化したのですか？」 「そんな物じゃありません、これを見てください‼️」 職員はタブレット端末の画面を見せた。 「この機体は…」

ヴィックル @metai53

「火星基地で試験運用していた…たしかバトルコンボイの拡大強化型とか聞いたな」 以前聞いた試作機の事を黒崎は思い出した。 「でも火星基地はワルダー軍団に壊滅させられました…」 「ええ、試作機もその時に失われたと思われていましたが…ワルダーに鹵獲されたか」

ヴィックル @metai53

「その機体が突然出現して医療センターを破壊しました！」 「医療センターの人達は⁉️」 「患者さんも職員も無事地下シェルターに避難しました…しばらくは地下がセンターの代替え施設になりますね」 「抗議に集まっていた人達は？」 「警備スタッフによって避難誘導されました」