『さらざんまい』全体考察 ~カズキたち登場人物たちの短評と、カッパやカワウソなどの物語要素が、現実では何に相当するかの話~
togetter.com/li/1368562 『さらざんまい』11話(最終回)考察 ~1話冒頭「ア」の看板まで戻り、「始めから、終わりまで、まあるくつながっている」ラスト~
2019-06-22 21:07:35テレビアニメ『さらざんまい』、作品全体の感想考察。前回の感想は最終回でしたが、今回は今期全体を俯瞰して、残った謎を拾い上げていきます。
2019-06-22 21:11:40また、上記の1話考察が現時点で3万アクセス到達し、多くの人にご覧いただきました。アニメの考察に需要があるか、と最初は不安も少しありましたが、「さら」の考察シリーズには手ごたえを感じています。
2019-06-22 21:17:03それから今回は、「さら」の要素ごとに短評する、という形式にします。これは、話数で切ると、何話でやったのか確認しないといけないので、負担になるからです。
2019-06-22 21:18:41■登場人物 ・カズキ おそらく主人公。トオイ、エンタと三角関係だが、トオイに対しては女性的(たとえば女装)、エンタに対しては男性的(エンタの妄想)な面を見せている。カズキ編はハルカと決着がついた中盤がクライマックスの印象がある。
2019-06-22 21:23:54・トオイ 後半の主役というイメージ(前半はカズキ)。三人の中では一番重い立場。ラストは自殺説もありうるが、それだと「未来へ」つながるラストにならないので、親友が来てくれたのだと素直に解釈したい。
2019-06-22 21:27:10・エンタ カズキへの想いは「罰ゲーム」で片付けられて、中途半端な印象もある。が、妄想の中でカズキと「さらっと」のポーズを取るシーンが印象的だが、小学生のような原始的な友情を一番に求めていたのだ。同性愛が一番ではない。
2019-06-22 21:31:03excite.co.jp/news/article/A… ノイタミナ初BL「ギヴン」3週目PV公開 >「ノイタミナ初のBLコミックを原作とするTVアニメ『ギヴン』(2019年7月放送開始)」
2019-06-22 21:33:16さてここで、上記ニュースを見ると、「ノイタミナ初のBL(~)アニメ」とある。つまり、少なくともアニメ製作側は、『さらざんまい』をBLアニメだという位置づけにしていない。驚愕(?)の事実。
2019-06-22 21:35:13だから、公式的には「さら」はBL要素がメインじゃないという認識なので、カズキたちの三角関係が中途半端なまま終わるのも、仕様がないか。きららが百合姫と違って、正面からの百合を回避するみたいなことかも?
2019-06-22 21:40:34・レオ/マブ 悲劇的な退場かと思ったら、最終回ですぐ復活したのは、ややご都合主義的だと思わなくもない。レオはエンタを撃ったりしてたのに。でもまあ、ラストは人力車(車夫)で社会奉仕するみたいな?
2019-06-22 21:45:24・ケッピ/サラ いろいろ謎が残る。ケッピがサラに冷凍されてバラバラになってたのは、ギャグのためだけにあったの? それとも、「○○神話では身体を切断された後、復活した神が~」みたいな引用のためにあった?
2019-06-22 21:47:27・カワウソ ラスボス。「概念」だから何なのか? だが、資本主義化した現代社会は概念で動く。たとえば「仮想通貨」なんて概念そのもの。概念化した欲望は、現実では多国籍企業など帝国主義的な組織とかが相当するか。
2019-06-22 21:53:28・ハルカ 最終話でのサラとの「星の王子様」云々の会話は、『ユリ熊嵐』のミルン王子のエピソードに相当するんだろう。「さら」の作品自体のテーマ。直接語ってるのがどうかというのはあるけど。
2019-06-22 21:55:28・チカイ 基本悪人だけど、「この世界は悪い奴が生き残る」とか、名言連発。最終話でカワウソが化けたチカイがそれを言うのも、何か皮肉っぽい(ウッソーで、悪い奴=チカイは死に、良い奴=トオイが生き残る)。
2019-06-22 21:58:12・エンタの姉 サラと並び、数少ない女の登場人物。キースと別れてから、出番が少なく寂しい。ところで、エンタは弟なので、エンタが女装すると、エンタの姉みたいな顔になりそうで、カズキ並にイケるのでは?
2019-06-22 22:00:06・エンタの祖母 チカイが印象的な名脇役なのに対して、祖母は出番が少なすぎて最後まで空気のまま。彼女が若い頃、昔の浅草の街の回想とかやれば、登場した意味あったと思う。
2019-06-22 22:03:13■物語要素 ・「ア」の看板 最初から最後まで登場。意味の候補は、「浅草」「アニメ」「アの世」などあるが、「愛」が最有力。本作では「人間の欲望がつながることが愛」のような解釈を取っているのだろうか。
2019-06-22 22:06:53「ア」のマークが看板や標識っぽい形状なのは、道路や鉄道にあるそれのメタファーで、人生における「ルート分岐」を表現していると解釈した。つまり、(人間の)つながりが、人生の道を作ると。
2019-06-22 22:09:26欲望が概念なのに対して、愛はつながり、という非対称性は興味深い。たとえば、少子化なんかも、人間のつながりが失われ、概念に支配されていることの、ひとつの現れかもしれない。
2019-06-22 22:15:25