『さらざんまい』全体考察 ~カズキたち登場人物たちの短評と、カッパやカワウソなどの物語要素が、現実では何に相当するかの話~
そして、芥川の『河童』も寓話的だし、『さらざんまい』(過去のイクニアニメ)も寓話的な手法だと思う。現実の不都合な真実をそのまま描くと、話が重苦しくなりすぎるので、単純化したり虚構化したりする。
2019-06-22 23:35:54カッパに変身する、ということが何なのか。何らかのつながりを得る立場なのだろうけど、たとえば、結婚することかもしれない。あるいは、フリーランスになって独立するとか、別の国に移住するとか、いろいろ。
2019-06-22 23:41:01それを具体的な何かに特定すると、「○○でない人には分からない」となってしまうから、抽象性を持たせる。そうして代数化しても、共通の何かは描ける。それがたとえば「つながり」で、つまり人間のネットワーク。
2019-06-22 23:45:11たとえば、海外に移住する人は、外国語の習得が必要だろうが、「言葉」とは、そもそも人がつながるためのメディアだ。だから、人生のルートを選ぶときには、たいてい、(人間との)つながりの選択もしている。
2019-06-22 23:47:15「そんなの分かりきってる」という反応が潜在的にありそうだけど、「つながり」は意識されない。たとえば、海外に行ってはじめて「日本の常識は、世界の非常識」と知るように。切れてからつながりの本質が分かる。
2019-06-22 23:49:16手段が目的化することはよくある。たとえば、英語学習はそれ自体が目的化しがち。まあ、会社が社員に資格を求めたりするから、仕様がないんだけど。けれど、目的は外国(人)とつながることのはず。
2019-06-22 23:51:42そのように、目的意識をもってつながることが意外と難しい。たとえば、英語資格のテストを1点でも上げよう、と手段が目的化(つまり概念化)した、あるいは欲望に従っている人は意外と多い。
2019-06-22 23:53:24あるいは、小説や絵やマンガなどの創作物を描いてる内に、テクニック自体が目的化して、つながりだということを忘れがちになるとか。いろいろな場面で、「つながりの忘却」というのは現実にある。
2019-06-22 23:55:35そういう風に、バラバラな要素がつながって、意味が分かるようになると、さらに物語を楽しめるでしょう。もちろん、何かマークシートの試験のように、唯一の正解はなく、多様な解のひとつだけど。
2019-06-22 23:59:16