2019年3月の日本医大救急での講演「救急・集中治療における感染症治療のminimum essentials」の内容

2019年3月に日本医大救急で開催された第2回心肺脳蘇生Updateセミナー(旭化成ゾールメディカル後援)の講演「救急・集中治療における感染症治療のminimum essentials」の内容
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EARLの医学ツイート @EARL_med_tw

血液培養について。血液培養は ✔️抗菌薬投与前に ✔️必ず2セット(以上) ✔️コンタミをさせない清潔操作で ✔️分注時は新しい針に付け替えず ✔️分注したボトルは置きっぱなしにしない(冷蔵庫保管は厳禁)

2019-06-24 16:07:20
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Q.敗血症性ショック疑いの患者で、血液培養をとらずに抗菌薬を始め、その後感染症科にコンサルトを行った。その時に見られる感染症医のリアクションはどのようなものであるか? pic.twitter.com/cocDOf9yeT

2019-06-24 16:10:13
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血液培養時の消毒は、ポビドンヨード(イソジン®︎)でもクロルヘキシジンアルコールでもどちらでもいいが、作用時間に違いがある。クロルヘキシジンアルコールの方が早い。 クロルヘキシジンアルコール:30秒 ポビドンヨード:2分 ※ポ「ピ」ドンヨードではなくポ「ビ」ドンヨードです

2019-06-24 16:12:45
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たまに見かけるが・・・ ポビドンヨード(イソジン®︎)で消毒してからこういうことをやる人がいる。 手であおいだり フーって息ふきかけたり(論外) なぜこういうことが起こるかというと、「イソジンは乾いたら効果が出る」と間違って教えられている人が多いからである。

2019-06-24 16:15:40
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ポビドンヨード(イソジン®︎)は「2分たたないと効果が出ない」というものなので、早く乾いたらさっさと進めちゃっていいものではない。しかし 2分待てますか? 待ちたくないですよね? にんげんだもの        み◯を 意味:せっかちな方は30秒ですむクロルヘキシジンアルコール使いましょう

2019-06-24 16:19:12
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ちなみに、中心静脈カテーテルまたは動脈カテーテル挿入時およびその後の管理時のクロルヘキシジンアルコールとポビドンヨード(イソジン®︎)の消毒効果を比較した本邦の多施設RCT(PMID:29268759)では、クロルヘキシジンアルコールの方が菌汚染が有意に少なかった。 pic.twitter.com/wqR6PKQSQ9

2019-06-24 16:23:33
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血液培養での検出菌次第で特に対応が重要なものをいくつか紹介する。 ✔️肺炎桿菌、カンジダ →眼科コンサルト(眼内炎除外要) 眼内炎を見逃して失明したら裁判で100%負けます ✔️2セット中、片方のみから黄色ブドウ球菌、グラム陰性桿菌、カンジダ →コンタミの可能性もあるが治療を開始した方がよい

2019-06-24 16:27:33
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✔️Staphylococcus lugdunensis →心臓超音波検査(感染性心内膜炎除外要) コアグラーゼ陰性ブドウ球菌であるが感染性心内膜炎を引き起こし、死亡することもある ✔️Bacillus cereus →アミノ酸点滴製剤(ビーフリード、パレプラス)に注意 アミノ酸製剤の中で増殖する。パレプラスではカンジダも注意

2019-06-24 16:33:09
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✔️Streptococcus gallolyticus(旧bovis biotype Ⅰ)、Colostridium septicum →心エコー(感染性心内膜炎除外要)、下部消化管内視鏡検査(大腸癌除外要) ✔️Streptococcus infantarius(旧bovis biotype Ⅱ/1) →腹部精査(膵臓癌、胆管癌、胆管炎除外要)

2019-06-24 16:36:29
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✔️複数の菌を血培で検出 →重複感染、コンタミ(起因菌とコンタミの混合もありえる)、bacterial translocation、点滴内異物混入(京都大学病院での家族の代理ミュンヒハウゼン症候群の事例が代表的)

2019-06-24 16:39:16
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2016年にこのようなアンケートを行った。次のうち、血液培養で検出したら一番死亡率が高いのはどれか?結果は黄色ブドウ球菌が最も多かった。 pic.twitter.com/38RXWHhVuT

2019-06-24 16:41:24
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正解はカンジダである。米国(PMID:15306996)でも日本(PMID:23176224)でも、血液培養で検出された微生物でカンジダが最も死亡率が高い。鑑別から漏れていることも原因だが、カンジダは培養期間が3-5日間を要する上に、カンジダの中でも1〜2番目に多いC. glabrataは特に発育が悪い。

2019-06-24 16:44:37
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ICUにおける侵襲性カンジダ症のリスク因子を示す(画像)。予後不良となりやすいため、強く疑われる場合はカテーテルを速やかに抜去する必要がある。繰り返しになるが、血流感染合併や播種があれば同時に眼科コンサルトも忘れないように。 pic.twitter.com/GWHdyfy5yH

2019-06-24 16:47:46
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講演内容の連続ツイートは以上。なお、本講演に際し開示すべき経済的COIとして、演者(私)は講演会の後援企業である旭化成ゾールメディカルより交通・宿泊費ならびに講演料が発生している。

2019-06-24 16:50:08