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外来種による「生態系サービス」

ヒトは実体のない概念に過ぎない「生態系」から如何なるサービスも受けることは出来ない。ここでは、「生態系サービス」を実在する生物を含む自然(的)環境からヒトが受け取る良いこと・良いものと捉えておく。その上で、外来種によるサービスについて、まとめておく。一部の人にとっては、外来種は「生態系」に含まれていないのかも知れないが、ヒトは外来種からもサービスを受けていることを認識すべきだと思う。
生物的防除 気候調節 遺伝資源 サービス 生態系 大気 食糧 蜜源 景観保全 外来種
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1.「生態系」サービス:ヒトが自然(的)環境から受け取る良いもの・良いこと

今井長兵衛 @medanjin
里山をチャラチャラした言葉だと言う人もいるが、生態系サービスはそれに輪をかけたトンデモだろう。生態系は、生物を含む環境を一つのシステムと捉える考え方、全体主義的自然観であり、実体の無い概念に過ぎない。ヒトは、実体の無い概念から具体的なサービスを受けることは不可能だ。
今井長兵衛 @medanjin
誤解の無いように明記しておく。里山という言葉が「チャラチャラ」しているとは、まったく思っていない。自分の論文や雑文でも普通に使っている。
今井長兵衛 @medanjin
世間で「生態系サービス」と呼ばれているものは、実在する生物を含む自然(的)環境からヒトが受け取る“良いこと・良いもの”である。その主なものを羅列すると、図のようになろう。 pic.twitter.com/fMCSeWg1KQ
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2.外来種による「生態系」サービス

今井長兵衛 @medanjin
そのうえで、外来種がどのような「生態系サービス」を担っているかを示したい。外来種は「人為によって原産地から原産地の外へ持ち込まれた種・個体群・個体など」と定義しておく。図中の赤線で消したもの以外は、外来種も担っている項目である。 pic.twitter.com/tX4XA163KL
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今井長兵衛 @medanjin
つまり、物理的環境以外のサービスは、在来種のみならず外来種によっても担われていると言うことである。おいおい、各項目について述べていくつもりだ。
今井長兵衛 @medanjin
僕の外来種に対するスタンス: 外来生物、要管理外来生物、在来生物、要管理在来生物の4区分とすればどうだろう。同じ生物でも要防除状態のときと要保護状態のときがあるので、要管理とする。いま日本にいるトキは要保護外来生物に指定し、増えすぎれば要防除外来生物に指定替えもありとか。

3.外来種による「生態系」サービス:食糧供給

今井長兵衛 @medanjin
外来種による「生態系サービス」:食糧供給 農作物の大半が外来種である。しかし、栽培場所から逸出したものだけを「外来種」とするなら、逸出作物による食糧供給は殆どゼロだろう。蜂蜜の供給にはセイヨウミツバチの寄与が大きい。
今井長兵衛 @medanjin
日本の蜂蜜は2014年で国内産2839t、輸入37870t(中国産75%)、自給率7.0%。蜜源植物の植栽面積(単位:千ha)は1位みかん39.4、2位りんご21.5、3位れんげ8.9、4位アカシア7.9、その他64.6。PDF maff.go.jp/j/chikusan/kik
今井長兵衛 @medanjin
2015年のミツバチは21万3千群。別の資料では1つの巣のミツバチは5千から3万個体らしい。平均2万個体とすると,養蜂業では毎年43億個体ほどが野に放たれていることになる。
今井長兵衛 @medanjin
ある研究では、2005年の年間蜂蜜生産量は2892トンで、アカシアすなわちニセアカシアの蜂蜜が1276トン(全体の44%)を占めていたという。つまり、外来のミツバチが外来の植物から蜂蜜の多くを供給していることになる。
今井長兵衛 @medanjin
ゲンゲ(レンゲ)は中国原産の外来種で、江戸時代以前に日本へ導入された。食糧供給には、緑肥,牧草,蜜源植物として寄与している。
今井長兵衛 @medanjin
ホンビノスガイは、外来水産資源として、アサリやハマグリが殆ど採れなくなった東京湾三番瀬の「二枚貝漁業」にとっての「救世主」だと書かれている(2018年4月3日、47NEWS)。バラスト水で非意図的に運ばれて、侵入・定着・大繁殖したようだ。
今井長兵衛 @medanjin
個人的には蛙のもも肉の唐揚げが好きで、インドネシアでよく食べていた。しかし、日本ではウシガエルは減っていて食用にするほど捕獲できないだろう。ブラックバスやブルーギルも美味しいが、食用に流通させるのは難しそうだ。
今井長兵衛 @medanjin
大学の卒研でブルーギル食材化の可能性を検討し、良好な結果を得ている。それ以前から社会福祉法人市原寮(京都市)では、琵琶湖の外来魚駆除事業と連携してギルの食材活用に取り組まれていた(かもがわ出版「ブルーギルが主役」)。しかし、HPを見る限り、現在は実施されていないようだ。

4.外来種による「生態系」サービス:遺伝資源

今井長兵衛 @medanjin
外来種による「生態系サービス」:遺伝資源 遺伝資源としての外来種などというと、トンデモ扱いする人が多いだろう。しかし、外来種は、海外の原産地に出向かなくても、居ながらにして探索できる遺伝資源である。
今井長兵衛 @medanjin
たとえば、日本の植物種は約6000種で、環境研DBによると外来種は約1550種(2015年)。6000種が外来種を含む数字だとすれば日本の植物種の26%、含まないとしても21%が外来種ということ。外来種というだけで遺伝資源探索対象から除外する理由はない。
今井長兵衛 @medanjin
1970年前後に岐阜奥美濃、高知椿山、鹿児島黒島を訪れた。そのとき、トウモロコシの多様な品種(形質)が保存されているのを知った。形質の多様性と遺伝的多様性は同じではないだろうが、当時の日本の山村や離島には農作物に多様性があったのだと思う。外来作物に多様性があった経験的一例だ。
今井長兵衛 @medanjin
三重大学のブルーギル論文のアブストをある人のご教示で読んだ。1960年代に放流された場所では国内では最も高い遺伝的多様性が放流40年後にも維持されているが、二次・三次的に導入された場所では遺伝的多様性が低下しており、ボトルネック効果の結果と示唆されるとか。 onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.111…
今井長兵衛 @medanjin
三重大学のブルーギル研究の概要を科研費補助金研究成果報告書を読んで知ることができた。 mie-u.repo.nii.ac.jp/?action=pages_… 特定外来種ブルーギルの日本定着成功要因についての進化生物学的研究(PDF)
今井長兵衛 @medanjin
1960年に米国Guttenberg産ブルーギル15個体が日本に導入された。1960年代に5県に放流され、次第に全国へと分布が拡大した。中立分子マーカーによる解析では、2007年頃の遺伝的多様性は原産地5、1960年代に導入された琵琶湖などでは4超5以下、それ以降、導入時期が遅い場所ほど遺伝的多様性が低下。
今井長兵衛 @medanjin
つまり、琵琶湖のような好適な環境では、現在の原産地と同等の遺伝的多様性が導入後50年弱を経ても維持されているということだ。また、ボトルネックは琵琶湖から100km以内の集団では認められなかったという。
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コメント

nekotama @nukotama001 6日前
養蜂家が利用するセイヨウミツバチは、家畜みたいなもんで、そりゃ外来種だけど、それ言っちゃあ牛も外来種。セイヨウミツバチは生態系には定着しづらいらしく、対抗手段がないスズメバチになす術がない(在来種には手段がある)。こういった種は人間の手を離れたらどうにもならん。原発事故で逃げた牛とか、孟宗竹も人間に利益をもたらすが、里山から人が減り利用が減ると逆に天敵もいないから害を成すようになる。
nekotama @nukotama001 6日前
生物的防除や景観、これも作物や家畜の延長にあるもので、人のコントロールが必要、番犬をヒモつけないで飼うわけにはいかんから、下手すると孟宗竹の二の舞になるよ。そう、孟宗竹も外来種だよ。竹害も報告されるし。
nekotama @nukotama001 6日前
外来生物は生態系に存在しないイレギュラーだから、セイヨウミツバチみたいに、在来種への抵抗手段を持たない種は淘汰される。逆に天敵がいない無敵状態では孟宗竹やブルーギル、ブラックバスのようになす術がなくなる。カウンターがいないから。勿論、普通に昔からいたように馴染む種もある。スズメは本来日本にいなかったらしい。ただ、人為導入したわけでないから適当な例ではないかも。
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