低投票率の背後にあるもの〜小学4年生の将来の夢は「ソフト奴隷」なケーキ屋さんだった話|長崎のライター下妻みどりさんのまとめ

将来の夢を発表した子どもたち。異様に現実的で、まずはお金の話。そして「ケーキ屋さんになりたい」と言った子の夢は衝撃的だった・・・
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下妻みどり @tonbigreen

投票率の低さは「政治への無関心」とか「選挙報道の少なさ」もあるだろうけど、たぶん、若い人になればなるほど、もっと根深いと思う。「自分の置かれた状況は受け入れるべきもので、それを自分の意志でなにかを変える、変わるなんてことはあるわけがない」というような意識だ。

2019-07-22 10:02:32
下妻みどり @tonbigreen

息子が四年生か五年生のときだったか、みんなが将来の夢を発表する会みたいなのがあって、それを聴いてて愕然とした。まずはだれもがお金の話しかしなかったことに。この仕事に就くと、給料はいくら、印税はいくら。メジャーリーガーや漫画家になりたい子も、まずお金の話だった。

2019-07-22 10:07:18
下妻みどり @tonbigreen

それが異様に現実的なのだ。「大学教授になるには、まず助手になって、その時の給料はいくらくらいで…」みたいな話が延々と続く。そして、なんの教授になりたいのか、どんな漫画を描きたいのか、それはぜんぜん話さない。だから片っ端から質問した。「なんの研究がしたいの?」「どんな漫画が好き?」

2019-07-22 10:09:10
下妻みどり @tonbigreen

そしたら「ヒコちゃんのお母さんって、おもしろーい」って笑われた。しかしそれはまだいいほうだ。「ケーキ屋さんになりたい」って言った子の「夢」は、本当に衝撃的だった。「朝、出勤して、おいしいケーキを焼きます。時給は850円くらいなので、手取りはこれくらい。残業もしますが、

2019-07-22 10:13:07
下妻みどり @tonbigreen

残業代はほとんどもらえないと思います。夜遅く帰って、また朝早く起きます。」完全に絶句だった。彼女にとって、夢を叶えて働くということは、非正規雇用であり、サービス残業であり、遊ぶ時間もお金もない状態なのだ。「えー、それ、給料安すぎだよ〜」とは言ってみたけど、笑えなかった。

2019-07-22 10:17:59
下妻みどり @tonbigreen

子どもたちにはすでに「ソフト奴隷」な思考が定着していると言っていいんだろうと思う。新奴隷主義とでもいうか。「政治への関心」とか、奴隷が持つわけがない。投票率の低さは「市民の意識の低さ」じゃなくて「奴隷意識を持つ人の増加」だと思えば、「夢のケーキ屋さん」の話を聞いた私は納得できる。

2019-07-22 10:23:27