魔法のスター マジカルエミ感想録。

タイトル通り1985~86年に放映された「魔法のスター マジカルエミ」の感想です。 ぴえろ魔法少女シリーズ三作目にして、最大の異色作。 ラスト3話を見るために、それまでの35話を見るアニメといっても過言ではないです。 続きを読む
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テリー・ライス @terry_rice88

舞のパートナー妖精、トポ回。安濃監督コンテ演出で半分総集編の体裁が取られた省エネ回。トポの後輩、ピラミーの訪問によって、トポの妖精としての働きを通じて今までを振り返る内容。新規作画は結構動いてる。 魔法のスター マジカルエミ 第25話 かわいい訪問者 gyao.yahoo.co.jp/player/00173/v…

2019-03-19 20:53:03
テリー・ライス @terry_rice88

ここでエミの正体が将にバレそうになるというある種、魔法少女(変身)ものの定番シークエンスを消化してるけど、この作品ではそういったストーリーラインを進むつもりがないのを提示したような描きで、天邪鬼というか物語の重点を違う方向へと示しているのが興味深い。

2019-03-19 20:53:04
テリー・ライス @terry_rice88

むしろクローズアップされるのはトポと舞の関係性だったりで、キャラクターの心情や情緒に寄り添ったものになっているのが顕著。トポを連れ戻そうとするピラミーという構図自体が実は狂言で、それが返ってドジでいいところなしのトポと舞がつかず離れずの関係であることが浮き彫りになるのが秀逸だった

2019-03-19 20:53:04
テリー・ライス @terry_rice88

超絶傑作回。将のボクシングシリーズ3本目。高山文彦さんコンテ演出、洞沢由美子さん作監、きくちみちたか(麻宮騎亜)さん、西沢(澤)晋さん原画。なんかもう、これでもかと言うほど、演出力の圧を感じるエピソードだ…。魔法のスター マジカルエミ 第26話 枯葉のシャワー gyao.yahoo.co.jp/player/00173/v…

2019-03-20 23:40:13
テリー・ライス @terry_rice88

内容はボクシングの試合(関東大会)が近い将の不安と焦燥感が大きくクローズアップされたもので、そこに葉が散り冬支度を始める銀杏の木がイメージと重なっていく。秋の深まりと冬の始まりが訪れる中で、将の心が自然と悪い方向へと沈み行くさまが情景とともに描かれていくのが見事すぎる。

2019-03-20 23:40:13
テリー・ライス @terry_rice88

そんな将の目の前に現れた、銀杏の化身と思われる美女が将の焦りと不安を指摘しつつ、「ボクシング(好きなもの)はそんなに怖いものなの?」と投げかける。魅力を知ってしまったからこそ反対に恐怖を覚えるということもよくある事で、将もそういった心あらずな状態でおぼつかない。

2019-03-20 23:40:14
テリー・ライス @terry_rice88

しかし、銀杏は夏の頃から走り込みを続ける将の楽しそうな姿をずっと見守っていたからこそ、将の事を案じる。この将と銀杏の関係は細かなカット割りによって、将の心に刻み込まれていくし、季節の移り変わりとともに「ある終わり」をイメージとして視聴者に焼き付けていくのも非常に巧みかつ秀逸。

2019-03-20 23:40:14
テリー・ライス @terry_rice88

樹木にとって眠りの季節である冬が近づく中で、何かに囚われすぎて、決して良いコンディションとはいえない将は試合に負けてしまうわけだけど、銀杏が見守っていた、かつて好きなものに打ち込んでいた自分を取り戻すことはできた。映像の感触としては非常にリリカルかつ映画的な演出で唸るほかない。

2019-03-20 23:40:14
テリー・ライス @terry_rice88

なにより将と銀杏の対話は「情熱を傾けるものに対しての焦燥」をまざまざと浮かび上がらせ、散り行く葉が以前の自分にあったものが抜け落ちていくような感覚に重ね合わされているのがまた。最後の一枚が散った時、将は一皮剥けたように思うし、銀杏とのランデヴーもその通過儀礼だったのではないかと。

2019-03-20 23:40:14
テリー・ライス @terry_rice88

そこにぶら下がってくるのが、自らの将に対する思いに「無自覚」な舞。エピローグで銀杏の木を「嫌い」と言い放つのは「女心(あるいは勘)」ゆえに出たものかと思うが、将のわだかまりを気づくことも解消することもできなかった、意趣返しみたいな事を台詞一発でやってしまうのも恐ろしい。

2019-03-20 23:40:14
テリー・ライス @terry_rice88

将にしても、銀杏にしても、舞にしても、映像やエピソードに流れる微妙なニュアンスを演出が掴んで離さず、画面に収めて、表現しきっているのが凄まじいし、秋の終わりにふさわしいエピソードだけど、当時は一大事件が発生した為、放送延期になり、86年1月に改めて放映されている経緯がある模様。

2019-03-20 23:40:15
テリー・ライス @terry_rice88

ただそんなことを抜きにしても、ただただ作画の見事さも相まって、この作品らしい情緒的かつ婉曲的な描写が高次元で成立した(なおかつ基本に忠実な)演出で必見のエピソードではなかろうかと。高山文彦さんの巧者っぷりがまざまざと感じられるすごい話数だった…。

2019-03-20 23:40:15
テリー・ライス @terry_rice88

ヒッチコックオマージュ回。話の掴みは「サイコ」だけど、全体のトーンは「裏窓」な感じ。国分寺とユキ子さんのラブロマンスと事件と勘違いした舞たちの右往左往する様が同時進行するシナリオが巧みだなあ。魔法のスター マジカルエミ 第27話 国分寺さん殺人事件 gyao.yahoo.co.jp/player/00173/v…

2019-03-22 11:12:45
テリー・ライス @terry_rice88

国分寺が下心丸出しで、ユキ子さんを自宅の食事に誘いこみ言い寄ってきたのを彼女が返り討ちし、喧嘩となった状況をふとしたことで捻挫して入院した舞のおじいさんが、病院の窓越しからそれを目撃したことで勘違い発生するという作り。舞は祖父の言を信じ込み、周りを調査するも、という感じで進行する

2019-03-22 11:12:46
テリー・ライス @terry_rice88

巧いなあと思うのは、そういった舞の勘違いとは別にユキ子さんと国分寺の恋愛の駆け引きや喧嘩による微妙な空気感を同時進行させて、エミとユキ子の会話が噛み合っていないけど、噛み合っているやり取りになっている所。こういう台詞の応酬が出せるのは作品の豊穣さが窺えるなあ。

2019-03-22 11:12:46
テリー・ライス @terry_rice88

あとなんだかんだでユキ子さんがさりげなく魅力的なキャラクターになっているのがいいよねと。ニュートラルに女性らしいというか。平均的というわけでもないけど、女性であることを強調してないのが返って彼女の魅力を引き立てている印象。そりゃ国分寺も惚れるわなと思うけど、道は険しいか。

2019-03-22 11:12:46
テリー・ライス @terry_rice88

将の厄日回。ボクシンググローブがどこかに行ってしまい、やることなすことがすべて裏目に出てしまうというエピソード。生きているとこういう上手くいかない日もあるよなというのがしみじみ伝わる。魔法のスター マジカルエミ 第28話 ツキが落ちれば陽が昇る gyao.yahoo.co.jp/player/00173/v…

2019-03-22 11:56:18
テリー・ライス @terry_rice88

なんてことない日常のふとしたエピソードではあるんだけど、きっかけもそんなふとした出来事を起こっていて、同じように物事が解決したり、気が持ち直したりする折々の生活のひだが描かれてる感じだよなあと。特に日々の生活に影響はないけども、こういうこともあるさという描きになっている。

2019-03-22 11:56:18
テリー・ライス @terry_rice88

そこに将や舞の感情の行き交いがあったり、悩んだり怒ったり笑ったり泣いたりと何気ない生活の中でも感情と心は移ろっていく。今回も情景が将の心に寄り添っていて、曇り空から晴れ間へと良い方向へ傾いたところでエピソードは閉じる。人の記憶に残らなさそうな何の変哲ない日々を活写した回だった。

2019-03-22 11:56:18
テリー・ライス @terry_rice88

X'mas回。アニメファン的には同時期にスタジオぴえろが製作していた「忍者戦士飛影」の巨大ロボ・飛影が登場してくることで有名なエピソード。同社制作とはいえこれは今回の作画担当、アニメアールが遊びすぎだと思うw 魔法のスター マジカルエミ 第29話 雪景色・夢の国 gyao.yahoo.co.jp/player/00173/v…

2019-03-25 21:40:19
テリー・ライス @terry_rice88

エピソード的にはサンタを信じる舞と武蔵、岬とそれに対して将、もしくは他の大人たちの反応がとても優しい世界を感じさせるというか、絵本的な肌触りで進行する幻想的なもの。サンタの存在が仄めかせられている辺りもきわめてファンタジックな仕立て。どうもこの作品ではトポと同じく妖精の類の模様。

2019-03-25 21:40:20
テリー・ライス @terry_rice88

Bパートからサンタが舞と武蔵、岬と将に夢を見せるというプレゼントを贈る。岬のパートに飛影が出てくるけど、他の三人の夢が結構意味深、かつ叙情的。武蔵は在りし日の家族の幸せな情景(おそらく母親が死別してる)、将はかつての自分と出会い、夢を実現することの大変さを改めて教えられる。

2019-03-25 21:40:20
テリー・ライス @terry_rice88

舞はエミと一緒にマジックショーをやるわけだけど、これが結構示唆的でもある。エミと舞は理想と現実が重ね合わされているので、本来だったら夢の中で彼女たちが一致していないといけない。しかし、ここでは別個の存在として現れていて、恐らく無自覚ではあるけど、舞はエミにはなれない事が表れている

2019-03-25 21:40:20
テリー・ライス @terry_rice88

エミが夢(理想)であることに舞はまだ無自覚であるが、心の深いところでこういった齟齬を感じているように思える表現で興味深い。この時点では何かしらの答えは提示されていないけども、ひとつの投げ掛けとして物語に寄与する描きであることは間違いなく今後の布石にも思える一話だったかと。

2019-03-25 21:40:20
テリー・ライス @terry_rice88

忘年会回。本郷みつるさん絵コンテ、高山文彦さん演出。年暮れの大掃除のさなか、舞の祖母が忘年会の事をすっかり失念してた為に起こるエピソードというか。そんな急にはみんな予定も変えられず、みたいなお話。魔法のスター マジカルエミ 第30話 ワイン色のパーティ gyao.yahoo.co.jp/player/00173/v…

2019-03-29 02:43:47
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