茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第2299回「NHKは科学番組にサイエンスコミュニケーター、博士号取得者を関与させるという放送文化の更新を」

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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート2299回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、感想です。

2019-08-10 07:23:04
茂木健一郎 @kenichiromogi

やっぱり、NHKが科学番組などでタレントさんをプレゼンターに使うのはおかしいと思う。伝わるべき本質も伝わらなくなる。ところで、国は確かサイエンスコミュニケーターを養成するとか言って口座もつくっていたはずだけれども、なぜ、科学番組にサイエンスコミュニケーターの方を使わないのだろうか。

2019-08-10 07:24:20
茂木健一郎 @kenichiromogi

科学番組の制作自体に、もっと博士号取得者をつかっていい。日本はふしぎな国で、博士号取得者が社会のさまざまなところに入っていって活躍する専門性の流通ができていない。NHKの科学番組の制作現場に、博士号取得者が2、3人いるのが当たり前、となって当然ではないだろうか。

2019-08-10 07:26:08
茂木健一郎 @kenichiromogi

しばらく前に、あるアメリカ発のベンチャーで急速にのびている、技術的にも企業文化としてもすばらしい会社の内部ミーティングに参加させていただいたのだけれども、サンフランシスコから来た副社長の方がついこの間までカリフォルニア大学で心理学の研究をしていた博士号取得者だった。

2019-08-10 07:27:16
茂木健一郎 @kenichiromogi

それで、その方が社員向けに話しているプレゼンを聞いていたら、引用されている認知科学の知見が、私たちが普段論文を読みまくっているのと全く同じ世界でわらってしまった。考えれば当たり前のことなのだが、それを一流大企業の内部で専門性として生かしているのが日本では見ない光景だった。

2019-08-10 07:28:15
茂木健一郎 @kenichiromogi

文科省は博士号取得者が増えないと嘆いているようだけれども、社会の方に、博士号取得者の専門性を活かす工夫もなくて、それで企業が付加価値もつけられないんだったら、のびないのも当たり前だ。つまり日本の社会の全般としての知的劣化と連動している。

2019-08-10 07:29:07
茂木健一郎 @kenichiromogi

ついこないだまで大学で研究していて、博士号を取得した人が、当たり前のように一般の企業に入っていって、専門性を活かしたかたちで活躍できるというふうになって、初めて日本のホワイトカラーを含めた生産性は上がっていくんだと思う。アメリカではやっているんだから、日本でもできないはずがない。

2019-08-10 07:30:00
茂木健一郎 @kenichiromogi

NHKの科学番組に戻るけれども、子どもたちも見るわけだし、全体の職数から見たら小さいかもしれないけど、アナウンスメント効果は大きいわけだから、やはりタレントさんを使うんじゃなくて、サイエンスコミュニケーター、博士号取得者を起用するのは当然のことだと思う。NHKは変わらないといけない。

2019-08-10 07:31:35
茂木健一郎 @kenichiromogi

博士号取得者で、難しいことをやさしく伝えられる人材なんて、ツイッターを見ているだけでもごろごろいる。ぜひその方々をNHKは活かしてほしい。芸能事務所との長年の関係で慣性の法則でタレントさんを使うキャスティングだったら、別にNHKの名プロデューサーじゃなくても、誰でもできる。

2019-08-10 07:32:57
茂木健一郎 @kenichiromogi

確か「放送文化」という言葉があったかもしれないけど、NHKの番組つくりの放送文化は更新されなければならない。あまりにもタレント色、芸能色が強くなりすぎた。今日は、日本の国家的課題である博士号取得者の増加、その活用の問題と絡めてこの課題を論じた。

2019-08-10 07:33:57
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート2299回「NHKは科学番組にサイエンスコミュニケーター、博士号取得者を関与させるという放送文化の更新を」をテーマに、9つのツイートをお届けしました。

2019-08-10 07:35:29