夢ゾウの水野敬也( @mizunokeiya )さんが回想した遊戯の数々。
【1】 昨日すげー楽しい遊びをしました。まず今僕は事務所にずっと寝泊まりしているのですが、2人のアシスタント(作家志望)が僕と一緒に常駐してて、合宿所みたいになっております。そこで今から1ヶ月くらい前にアシスタントの今井が「中学時代将棋の県大会で2位だった」という事実を知り
2010-04-12 13:12:20【2】 将棋ブームを起こそうということになり、僕は千駄ヶ谷の将棋会館まで行って時間計る機械(手でパーン!って打つ奴。ハチワンダイバーとかで使ってる)をわざわざ買いに行って事務所で将棋をやったのですが、今井が死ぬど強すぎて、しかも、もう一人のアシスタントの長沼も相当強くて
2010-04-12 13:13:56【3】 僕がまったく勝てず「やってられるか!」ということになり、将棋ブームは1日で過ぎ去ったのでした。そして2ヵ月の時が流れました。それが昨日、休みなしで1日中作業していたので「久々何かして遊ぶか」と思ったのですが、いかんせんウチの事務所には何にもないので、「将棋するか」
2010-04-12 13:16:46【4】 ただ普通にやっても面白くないので、一番強い今井と僕がタッグを組み、水野2手打った後に、今井が1手打つというルールで、今井水野連合軍と長沼と対戦することになったのです。これがめちゃくちゃ面白かった。まず、「自分の能力値が低いということを認めることからくる役割への陶酔」
2010-04-12 13:18:16【5】 僕は自分の実力が劣っていることを知っており、そこにはプライドもない、しかし勝負には勝ちたいので、とにかく今井にうまくバトンタッチをすることを考える。すると、自分のやるべきことが、棋譜上にスッと見えてきたりするのです。さらに……
2010-04-12 13:19:43【6】 あ! 言い忘れていましたが、このルールで重要なのは、「僕と今井の間での意志疎通がない」ということです。だからこの将棋中、一切の言葉が禁じられ、沈黙の中黙々と続けられるのです。これが何を意味するかというと、今井の打つ手は毎回僕にとって「ミステリー」なのです。
2010-04-12 13:21:06【7】 「どうしてこんなところに銀を……」僕は、今井の打つ手が一体何を意図したものであるかを読み解かねばならないのです。また、今井は今井であまりにも飛びすぎた手を打つと僕が全く理解できないので、僕の将棋のレベルを考慮しながら最大限手を尽くさねばならない。
2010-04-12 13:23:04【8】 そして、僕と、今井、そして対戦相手の長沼の実力の「伯仲」のバランスが神がかり的に素晴らしかったのです。そして僕は対戦の途中で考え方を変えました。ここで重要なのは「僕に2手与えられている」ということなのです。つまり実力は圧倒的に低いのですが、長沼を狩るのは多分僕になる
2010-04-12 13:25:23【9】 そこで僕は、少しでも時間に余裕があれば常に相手の王を取ることだけを考えました。そして最後の最後、僕に与えられた2手で長沼を詰ませたのです。勝負が終わったとき、ずっと沈黙していた僕たちは一斉に噴き出して、僕は今井と何度もハイタッチをして「よっしゃー!」と喜んだのでした。
2010-04-12 13:26:54【10】 この時僕は思ったのです。「これはどこかで感じたことのある感覚だ」。これは、僕が一番生活に苦しかった頃、門前仲町に住んでいた頃に良く味わっていた感覚でした。当時は本当にお金が無かったのですが、時間があればこんなことばかりしていた。それがもう、死ぬほど楽しかったわけです。
2010-04-12 13:28:41【11】 お金は全然ないけど、ほんの少し工夫して、色んなことを遊びに変えてしまう。昨日改めて思ったのですが「お金がある」ということでできるのは「他人から喜びを与えてもらう」ということなんですね。そして多くの人がそのことを素晴らしいとか羨ましいとか思います。でも……
2010-04-12 13:33:47【12】 自分でこの世界を楽しんでいく、自分で喜びを作っていくことさえできれば、お金なんて本当に必要ない。これは、強がりでもなんでもなくて、本当に、心からそう思います。だから僕はいつかそんなことを伝えられる本が書けたらいいなあと、昨日今井とハイタッチをして爆笑しながら思ったのです
2010-04-12 13:35:10【13】 ちなみに、昨日は長沼の誕生日だったのですが、夕食の時に誕生日ケーキをみんなで一緒に食べたのに、将棋をしてるときはあまりにも勝負に集中しすぎて完全に忘れてました。将棋が終わって「そういえば今日長沼の誕生日なのに、悪いことしたな!」と言って、みんなでもう一度爆笑したのです。
2010-04-12 13:37:20【14】 今自分のつぶやきを見直していたら、「今井が将棋が強いのを知ったのが1ヶ月前」で、そのあと「2ヵ月の月日が流れ」となり時間軸がおかしなことになっていますが、今井の将棋が強いのを知ったのは3ヶ月前でした。ていうかこんな長文絶対ツイッターに向いてない(笑
2010-04-12 13:40:59【15】 ちょうど小林氏がコメントしてくれてるので、ここで小林氏との門前仲町時代(通称・門仲スタイル)の「お金を使わなかった遊び特集」を提案したいと思います。まずなんといってもケンタッキーですよね。木場のイトーヨーカドーの「ケンタッキー食い放題」の「脂搾り」
2010-04-12 13:52:48【16】 東京都現代美術館に行って(確か600円くらいだった?)、名だたる建築家、アーチストの作品を上から目線で批評していく。 僕に至っては単なる無職の人間なのに(笑)
2010-04-12 13:57:13【17】 あと、深夜のサイクリングも面白かったですよね。深夜のオフィスの前の光はめちゃくちゃ幻想的。ただ警察に1日で最高5回止められましたね。僕、その日、警察から「この自転車どこで買った?」ってタメ口で言われて、「碑文谷のダイエーで買いました」って5回言いましたから。
2010-04-12 13:58:40【18】 あとなんといっても「富岡八幡宮へのお参り」。1円とか5円で楽しめる遊びとしては最高峰じゃないですか? ぼく毎日行ってましたからね。「本出したいんですけどなんとかしてください」って。夢ゾウにも書きましたが「お参り」ってたぶんに自己啓発要素含んでます。夢を意識するという点で
2010-04-12 14:01:16【19】 出版社への持ち込みも、重要なアトラクションでした(笑) 小林氏と考案した 「2つの企画を持ち込んで、1つのどうでもいい企画をめちゃくちゃプレゼンする」っていう遊びは最高でしたね。某出版社の編集さんは、ブラフ企画「男をストーカーにする技術」を「これは売れる!」と叫んで
2010-04-12 14:03:17【20】 企画書をワシ掴みにして喫茶店から躍り出て行きましたからね(笑) あの人なんかは、もしかしたら僕たちと会ったことすら忘れているかもしれない(笑)。
2010-04-12 14:04:23【21】 当時、アルバイト先のまかないの残り物を全部持ち帰って冷凍して食べてたんですけど、まかないのほとんどが鳥肉だったので、僕は、ほぼ毎日鳥を食べていました。これだけ聞くとみじめなんですが、僕が「今日も、鳥、昨日も、鳥……」そうやってつぶやくと笑ってくれる友達がすぐ近くにいた
2010-04-12 14:23:45【22】 おお、ここで「つぶやき」という単語が(笑)。 自分の苦しい現状を知らせて、人が笑ってくれるツールとしてツイッターは面白いかもしれません。「今日も、鳥を食べています」とつぶやいて、「頑張って鳥を食べてください(笑)」とコメント来たら、僕は頑張ろうって思えるタイプです
2010-04-12 14:27:18【23】 自分が好きなことができない一番大きな理由は、突き詰めれば「世間体」だと思います。収入が減り、信用を失うと「他人からバカにされる、下に見られる」。でもそれを喜びに変えることができれば、人生はとんでもなく自由になる。
2010-04-12 14:29:52あははは。僕はもちろん、永遠の歩兵です。2010年「水野はやっぱり歩兵だなぁ」な企画が現在進行中なので待ってて下さい@korimakorima:@mizunokeiya 水野さんの口調が、完全に「戦いを終えた勝者が歩兵だった頃の自分を懐かしむ」口調になっておられてやや驚きです。
2010-04-12 15:03:21