【諸国珍談奇談】明治44.6.22付神戸新聞。布引の滝(雌滝)の滝壺で逆立ち死体が発見されたリアル犬神家のような事案。遺体は身投げ自殺と推定された。新聞は「北野浄水地より送水を受け居れる水道使用者は凡そ一週間ほどこの錯乱せる屍体を潜りし水を飲み居たりし次第なり」と嫌がらせの一文で結ぶ。
2019-03-02 16:11:03【諸国珍談奇談】三田光一、登場。「仙台在から出て来た三田光一といふ奇術師が明治座で千里眼、宇宙万物出現、空中自在皿飛び、身体石割術などゝ嚇かして先頃試演をやつたが皆な在来りのものを変体したに過ない(中略)田舎廻りのケレン屋だけあつて前を受けさせる事は却々巧だ」M44.7.15『東京朝日』
2019-02-06 20:57:25【諸国珍談奇談】明治44年8月11日の『都新聞』に大食のあまり軍隊を除隊になったという人物が紹介されている。「一食に飯盒五個味噌汁をバケツに一杯、沢庵一本」という箏曲家の鈴木鼓村で、京都の牡蠣飯屋で力士と競争し18人前を平らげ打ち負かしたそうだ。
2019-02-11 12:11:10【諸国珍談奇談】神田橋本町の質商、近江屋こと大野利右衛門家には鬼のミイラが伝わる。「身の丈七八歳の子供ほどあり片膝を立て口は耳迄裂け牙は尖り肉色を帯び一寸ほどの角あり頭は白毛にて掩はれ身体にも処々に白毛」という代物であった。過年帝大に鑑定を乞うたが、送り返されたという。都M44.8.19
2019-02-11 22:21:05【諸国珍談奇談】藤村操以来だろう、投身自殺が後を断たない華厳の滝のある日光町では防止策に悩んでいた。「投身者の鼻も耳も摺切れた写真」(滝壺に揉まれて顔が滅茶苦茶になる)を新聞に載せ脅したものの効果なし。そこで街が負担する葬式費用相当で懸賞募集しようかと目下議論中。東京朝日T2.8.29
2019-02-11 22:42:08【諸国珍談奇談】空家の床下から見つかった小箱と信玄袋に入っていた物は…。『新愛知』T3.6.17。家屋新築工事のため名古屋市東区東新町の空家に入った作業者が床下から小箱を発見する。厳重に釘付けされた蓋を外すと、年齢は七ヶ月ぐらい、双頭の嬰児が綿に包まれて出てきた。(続
2019-04-27 22:08:25この嬰児は空家で分娩後絞殺されたのだろうと付近を探すと同じく床下から大きな信玄袋が見つかった。中身はてっきり分娩時の汚物かと思いきや意外な展開を見せる。煤けた大幕と荒く織った白い布が現れ、墨痕鮮やかに次のようにしたためてあった。(続
2019-04-27 22:19:32「海中怪物 右は本年一月三十日桜島爆発の際水難救助中発見し生捕したる怪物にして一面に数百の紋の如きを生じ身体は桜の形の模様あり四足を有し実に珍らしき動物にして親子二頭活きて居ります」。先の嬰児をよくよく検めると驚いたことに蝋細工の拵え物であった。(続
2019-04-27 22:25:05桜島の大正噴火という時事に絡めた怪物発見譚といい、怪物の造型といい、見世物の興業師たちの、機敏にして創造力溢れる仕事ぶりが見て取れる。
2019-04-27 22:36:09【諸国珍談奇談】全国規模で一定の基準を以て男性の身体をチェックするというのは裏返すと異常値へのフォーカスにもつながるのか。徴兵検査でこんな変わった肉体の持主がいたという記事は探すと色々出てくるかも知れない。以前「有尾」の壮丁を発見したという記事を拾ったことがある。新愛知T3.6.27。 pic.twitter.com/6H7uMHzKoG
2019-04-27 20:18:21【諸国珍談奇談】大正3.7.22神戸新聞。「亜米利加のナタル」という街に日本の人力車を持ち込み成功を収めた「アルフレッド、ルーヒー」なる英国人がいたらしい。明治初期、鉄道の技術顧問として滞在中に出会った人力車の乗り心地に心酔。専売特許を得、その後3千台分もの特許収入を毎月手にしたそう。
2019-05-21 18:36:52【諸国珍談奇談】大正4.7.3新愛知。「角皮病、即ち全身の皮膚が硬化して角となつて居る」奇病を抱えた文栄萬という男性が九州大学で治療を受けるため来日。しかし治療法がなく、「医学上の参考に供し、尚幾分かの同情金を貰はうと」全国各地を漫遊、目下前橋に居るとの報。
2019-03-23 16:57:26『新愛知』T4.8.18、「全身に角のある少年=岩に喰い付いた蠣のやう=」より。やはり『世紀末倶楽部vol.4』32頁に写真が出ている人物と同一だった。同書では「札幌の見世物興行にいた芸人と思われる」としている。札幌情報の出展は不明。彼の足取りとして見えてきたのは福岡、前橋、関東方面、西尾町。 pic.twitter.com/tjEWFmlFtu
2019-03-30 21:43:48T5.7.4の新愛知に「角男帰る」と題し、母の求めで帰国の途に付いた旨の記事が出ている。概ね一年ほど日本に滞在していたようだ。各地の新聞に足跡が残っているかも知れない。
2019-03-30 17:07:07新聞の乱読は偶然の発見を呼び込む確率を高める。古書市で一枚、また一枚と見つけ手元に置いた謎の老人、大黒天の格好に扮し「生大黒天」と称したらしい淡路島出身の井谷茂三郎について、ついに新聞記事を見つけ出した。大正六年、神戸で興行を行うため湊川警察署へ許可を取りに現れたところである。続 pic.twitter.com/4RmpZx2kEq
2019-06-07 23:00:07「四五年前」、つまり大正元年ないし二年、年齢は60歳を過ぎた頃から全国を興行で廻り始めたようだ。絵葉書の一枚は75歳の時の撮影としており、少なくとも活動期間は15年前後に及んでいる。饅頭屋の職人だったという情報は初耳だった。
2019-06-07 23:09:0275歳時の絵葉書に「出雲大社教権大補教」とあるよう出雲大社教と何らかの接点があったようである。新聞記事にはその接点として(「辞令を渡してゐる」として)二代管長、千家尊愛(せんげ-たかあき)の名がある。 pic.twitter.com/QMRjSJbdYD
2019-06-08 09:25:01『世紀末倶楽部vol.4』を改めてパラパラとめくったら驚いたことに「生大黒天」井谷茂三郎と思われる人物の記述があった。「高崎の興行師のところにいた」ほかこれら情報の出どころが知りたい。 pic.twitter.com/E7P8Jn32kG
2019-03-30 21:57:25【諸国珍談奇談】大正12.8.28付信濃毎日。大正8年に世情を騒がせた鈴弁殺し事件。犯人の山田憲が鈴木弁蔵の撲殺に用いたバットが東京控訴院検事局の手違いで競売に掛かり古物商が落札。慌てた検事局が行方を追うも入札翌日には45銭で店を通りかかった書生が買っていったという。持主のその後や如何に。
2017-11-18 16:53:42【諸国珍談奇談】S28.5.29日本観光新聞。大阪千日前で開催中の「性病予防の展覧会」「純血展」で、展示されていた男女の性器のムラージュが阿部定事件の写真などとともに警察に押収されたという事件。 pic.twitter.com/qZmKbLhO4O
2019-03-16 23:43:48