ミステリマガジン誌上の権田萬治さんと笠井潔さんの「大量死論」をめぐる論争についてまとめ
笠井潔氏の提唱する大量死論、山田正紀氏の言うような「ドグマ化」はしていないような気がするのだが。それとも私がそういうグループを知らないだけなんだろうか。
2011-05-26 22:34:06権田さんの原稿を何度か読みました。僕の理解では、おそらく七つの反論がありました。それらがどのような関連性があるのかも、僕の中では理解できました。
2011-05-27 00:18:07権田さんが書かれている「人間的」が指すものと、笠井さんが書かれる「人間的」が指すものとの開きが、途方もない距離であることがよく理解できました。
2011-05-27 00:22:22笠井潔の大量死理論disが盛り上がってるようだ。あの理論は西欧マルクス主義の物象化論がベースで二重の光輪云々って本格ミステリが疎外≒物象化を回復する小説形式だと言ってるようなもの。理論的に衝くなら物象化論以降の社会哲学なり何らかの学、人間観を軸に論を組み立てるのがいいと思うな僕は
2011-05-27 01:11:15大量死理論って本格ミステリ界隈、というか旧新本格界隈でしか支持されていないようなイメージがあるんだけどなあ。というかそこ以外の人は知らないんじゃないかと思ってた。
2011-05-27 01:39:48笠井潔さんの大量死理論が『ミステリマガジン』発で時ならぬ「論争」に発展していることを知る(いくつか論文そのものも読んでるけど)。別に笠井さんの肩をもつわけではないが、ミステリ評論の分野であれほど多分野にも汎用性のある「大文字の理論」は存在しないし、その意義は認めるべきと思うのだが
2011-05-27 01:42:22それに、大量死理論のアイディア自体はそれほど独創的なものではない。それこそT・S・エリオットやハイデガーも同じようなことは考えていた。そこらへんは東さんの動物化論と似ているかも。とにかく、今度の論争がミステリ村だけの小競り合いに終始してしまうのだとするともったいない。
2011-05-27 01:47:01腰の痛みが本格化してPCに向かえなくなる前に書いておくか。私が笠井氏を否定するのは、氏の大量死理論への賛否とか、そういう問題ではない。『容疑者X』への賛否でもない。自説の基盤を揺るがすような矛盾を指摘されたら真剣に答えろ。そして自分のことだけ棚に上げるな。そういう話。
2011-05-27 06:06:47思えば私が今まで敵に回してきた人間は、一人の例外もなく自分だけは棚に上げるタイプだった。私の言動は時に「黒千街」と呼ばれるけれども、私自身は常に鏡のような存在であろうとしているつもり。もし私が黒く見えるのなら、それは私という鏡に映しだされた対象が黒いというだけの話なのだ。
2011-05-27 06:09:45@sengaiakiyuki ローレンス・ブロックのマット・スカダー物って、「たくさんの無名の死のうちの一つが謎解きを通じて特権性を獲得する」のをもういっぺん引っくり返したと思ってるのだけど、大量死理論の人が視界に入れてくれないのが翻訳ミステリ読みとしては悲しいです。
2011-05-27 06:26:27@Schunag 海外ものにもいろいろ大量死方面に関わってきそうな作品があるんですよね……ただこれは私自身がそのへんをまだうまく理論化できないところがあって……お恥ずかしい限りです。
2011-05-27 06:30:51@sengaiakiyuki 日本の本格界の話として完結しているので構わないのですけれど。とはいえ理論の精度を高めるのであれば、海外作品を視野に入れるべきだし、個々の死の特権性の付与は「謎をはらむ殺人→解決」の構造によってなされるからには本格に限定せねばならぬ話でもないかと。
2011-05-27 06:38:07そういえば、 トマス・H・クック『闇をつかむ男』に「大量死の時代にあっても、ミステリーは不法に奪われた人ひとりの生命がなおも人間の世界で重要な意味を持つと主張する、ロマンティックな個人主義の最後の砦となっている」59P てな誰かのエッセイからの引用が。元が実際にあるのか不明。
2011-05-27 10:09:30クックもそうだが、海外ミステリでは「少女の死」をめぐるものがやたら多い印象がある。日本に訳されたものしか読んでないわけだし、統計をとったわけじゃないから、なんとなくの印象にすぎないけど。
2011-05-27 10:14:26朝のツイートが誤解を招くかも知れないので補足。私は討論の相手を常に「敵」と見なしているわけではない。私は論戦の際に相手の発言そのものを利用して追い詰めることがあるが、そこでその指摘を無視して、自分の正しさだけを言い張るような尊大な人物のみを「敵」と見なすことにしている。
2011-05-27 20:17:08笠井潔の「大量死論」読んだ時は、「おもろい理屈思いつくなぁ」と感心したけど、今じゃ“定説”扱いなの? それはどうなのって感じ。【ミステリマガジン誌上の権田萬治さんと笠井潔さんの「大量死論」をめぐる論争についてまとめ】http://togetter.com/li/140014
2011-05-27 20:35:02笠井潔氏の大量死論はとても面白かった。第一次世界大戦が推理小説の隆盛に大きな影響を与えたことや、戦争で無残に大量に殺される人々の姿を目の当たりにしたことから、盛大なトリックにより一人の被害者に「特権的な死」を与えることが始まった、という考え。(うろ覚え)
2011-05-27 20:43:59大量死論面白そう⇒実際に読んでみる⇒なるほど、全然わらかんということがわかった という人は僕も含めて多いと思うんだけどなあ
2011-05-27 22:29:20もしドラの影響で『もし ONE PIECEファンの女子大生が起業したら』なんていう本まで出ている今、『もし新人ミステリ作家が大量死論的に正しい本格ミステリを書いたら』を光文社あたりから出してほしい。
2011-05-27 22:31:38この件に関しては試合不成立でいいと思う。 RT @kozukata: 松坂さんの評もひとつのジャッジですが、正式に書かれたわけじゃないので、ただいま審判募集中なのです。RT @tsuruba あとがき、読みました! ジャッジメント……
2011-05-27 23:48:07大量死理論って、第一次世界大戦後に英米で、第二次世界大戦後(と80年代後半)に日本で本格ミステリブームがなぜ起こったか? という疑問に答えようとしたものなので……理論を攻撃しても意味がない。「俺のほうがうまく説明してやるぜ!」くらいのことをしないとダメ……と思うんだけどなあ。
2011-05-28 00:21:41(1)二つの世界大戦がもたらした大量死と、それによる精神的な危機・不安感・絶望が、実存哲学を生み出した背景にある。人間心理への洞察から始まり、人間存在に迫ろうとした思想は、絶望下において、虚無主義に侵されようとも、尚も一筋の光を求めずにいられない人間の在り様を浮き彫りにする。
2011-05-28 00:25:08