- toshi3636_1
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子どもの頃、「印象派」というとエスタブリッシュされたアートの代表みたいな印象を持っていた。モネやルノアールとかいったひとたちはいわゆる「美術」の王道として、みんな好きだし展覧会もあるし百貨店なんかでも展示があるというイメージだった。
2019-09-27 06:47:45印象派の起源を知ったとき、へえ、と思った。当時のフランスで権威を持っていた「サロン展」に落選したひとたちがやった「落選展」の作家たちが、「印象派」の起源で、つまりは権威に認められなかったおちこぼれたちの集まりだということに面白さを感じた。
2019-09-27 06:48:49しかも、「印象派」という、今ではポジティヴな響きしかない言葉も、落選して展覧会を開いている作家たちの絵を揶揄する評論家が「印象派」という言葉をつかったのが起源だと知って、なかなかやるなと思った。印象派は馬鹿にされて誕生し、年月を経て美術の真ん中になった。
2019-09-27 06:50:02以上のことは常識だろうし、私の中でも無意識に織り込まれて長年経つが、子どもの頃印象派というと立派で王道だと思っていた状態と、落選して権威に認められず批評家に揶揄されていた起源を知った時の落差が快感であり、そのようなダイナミクスにしかアートの本質はないのだと時々思い出してみる。
2019-09-27 06:51:36印象派の絵は、モネのが典型だけど筆のあとが残ってみえちゃうわけで、プレネールだとそれで仕方がないのかもしれないけれども、サロン展の立派な先生方から見たらそりゃあ腹が立つしそもそも絵が終わっていないと感じるだろうし、反発も受けただろうと考えるとしみじみ面白い。
2019-09-27 06:53:07おちこぼれてバカにされて排除されて誕生した印象派の絵が、今、美術館の中の立派な場所に飾られてみんなの称賛と崇拝を受けている様子を見ていると、きみたち、いろいろあったねえ、闘ってきたんだねえ、おつかれさまとその履歴を含めてなんだかほっこりするのである。
2019-09-27 06:54:13