À rebours

幻想 / 怪奇 /古典 /詩 /恐怖
3
前へ 1 2 ・・ 6 次へ
和泉萌香 @moekaizumi

“悪魔祈祷書/夢野久作” 虚偽の聖書を棄てて、この真実の外道祈祷書を抱け。我は悪魔道のキリストなり。弱き者。貧しき者。悲しむ者は皆吾に従え。立ち寄った大学助教授に古本屋店主は店で盗まれたとある本について語る、それは悪魔の聖書、魔道書だった...筆者の小気味好い語りが炸裂する短編。 pic.twitter.com/uOzYGPPVIx

2019-05-01 11:47:05
和泉萌香 @moekaizumi

“Kの昇天/梶井基次郎” 主人公は自殺か否か溺死した、奇妙な出会い方をした1人の青年について語る。月の輝く海辺で彼は吸い寄せられるように影を覗き込んでいた。美しい戦慄と言葉が轆轤となって巻き込んでゆく小説はシューベルトの”海辺にて””ドッペルゲンゲル”のメロディにのせて。 pic.twitter.com/ySqTIQdkr5

2019-05-01 09:59:43
和泉萌香 @moekaizumi

“マリー・ロジェの謎” 香水店の看板娘、パリで評判の美女マリー・ロジェが失踪したのち死体が発見されたがそれは彼女か否か天才デュパンが推理する。デュパン1人が語る事件の経緯と謎は感情が排除された淡々と分析的だがポーならではの精細な描写と硬質な筆致に唸る。 pic.twitter.com/7sypg8f1Wc

2019-04-26 10:01:48
和泉萌香 @moekaizumi

ある映画の前にシルヴィア・プラスの詩を改めて...オーブンに頭を突っ込み壮絶な最期を迎えた女性詩人の言葉は鏡や自然というモチーフを渡り歩きながら脆くも血が滾る地獄の情景を見せて胸を打つ。“泉は涸れ薔薇も枯れた、死の香りが漂う...月に憑かれた語呂合わせ 夢の中で深い意味を帯びていたもの” pic.twitter.com/gVGBnObJVO

2019-05-03 22:58:04
和泉萌香 @moekaizumi

“子猫/寺田寅彦” 物理学者でもある筆者が冷静な視点を崩さず硬質な筆致で描きだすある家族の元にやってきた2匹の猫と生まれてはもらわれてゆく子猫達の姿。猫の性情を性別が個性に因果するものか、個々に向けられる愛憎の差、命の変異等を極めて淡々と語る全編は難解な人の哀愁を想う一文で終了する。 pic.twitter.com/9yrxRMJFRJ

2019-05-03 09:41:24
拡大
和泉萌香 @moekaizumi

“酔ひどれ船/ランボー” 地獄の季節を言葉に託し生きる道を選んだ恐るべき子供、ランボー17歳頃の詩。荒れ狂う海に水死者たち、空に木々に動物にと思いを馳せながら嘆き、狂おしく頭を抱えて、船である自身は進み回帰しゆく。天衣無縫に、感性を持ってとどめた言葉の群には凝と畏怖の念を抱く。 pic.twitter.com/mOEZltw4Am

2019-05-05 10:07:39
和泉萌香 @moekaizumi

“月蝕/夢野久作” 覆い尽くしてゆく陰影を切り込む刃や黒く蠢く血と、美しい自分の姿を刻々と迫る影に委ねる月の姿を女の顔に喩えて綴る筆致は美麗極まる。目に見えぬ髪毛を、長々と地平線まで引きはえた、それが冷たく美しく透きとおる 空一面の夥しい星が小さな声で囁き合って ヒッソリと静まった。 pic.twitter.com/PQaLsf7Zx0

2019-05-04 09:28:07
和泉萌香 @moekaizumi

爛熟の美への偏愛、俗物への悪罵、マラルメやボードレールにモロー等々暗黒芸術を集めて作り上げる自らの楽園...何かとあると直ぐ身体を壊すような愛おしい放蕩貴族、高尚な趣味に塗れようと己の虚無を埋めるには至らないデゼッサントの物語”さかしま”に出会った時の高揚感は忘れません。🖤 pic.twitter.com/jskxQS6XDB

2019-05-12 11:03:29
拡大
拡大
拡大
拡大
和泉萌香 @moekaizumi

“最も高い塔の歌” ランボー詩集の中、個人的に最も胸騒ぎと記憶の彼方にある不可解な高揚を思い出させる冒頭”何事にも屈従した無駄だつた青春よ 繊細さのために私は生涯をそこなった” 訳の分からない影や怖れはどこに、もしくは心の一隅にあったのか、葛藤を振り払う様に殴った美しい言葉が胸を掴む。 pic.twitter.com/gV3FDi6GC9

2019-05-11 09:42:13
和泉萌香 @moekaizumi

白い蝶が線路を遠く横切って 汽車がゴーと過ぎて 血まみれの恋が残る 見てはならぬものを見てゐる 吾が姿をニヤリと笑って ふり向いて見る 水の底で 胎児は生きて動いてゐる 母体は魚に喰われてゐるのに 夢野久作 / 猟奇歌 #好きな詩を読んで眠ろう pic.twitter.com/YLfBFw9EVt

2019-05-19 00:28:18
和泉萌香 @moekaizumi

月に吠える犬は、自分の影に怪しみ恐れて吠えるのである。疾患する犬の心に、月は青白い幽霊のような不吉の謎である。犬は遠吠えをする。私は私自身の陰鬱な影を、月夜の地上に釘づけにしてしまいたい。影が、永久に私のあとを追って来ないように。 ー萩原朔太郎 pic.twitter.com/Sd8VBsaeVA

2019-05-17 11:42:06
和泉萌香 @moekaizumi

花輪を垂れた枝にかけようと柳によじ登った途端、枝は折れて、涙の川に落ちました。あの子は小唄を口ずさみ、自分の不幸が分からぬ様子... まるで水の中で暮らす妖精のように。哀れ、あの子を美しい歌から、泥まみれの死の底へ引きずり下ろしたのです。 Ophelia Photo by Dorota Gorecka pic.twitter.com/mJXThmsReS

2019-05-16 23:45:55
拡大
拡大
拡大
拡大
和泉萌香 @moekaizumi

愛があなたをさし招いたなら 愛に従いなさい たとえその道が どんなに厳しく険しくても 愛が語りかけたなら 愛を信じなさい その声が庭を荒らす北風のように あなたの夢を打ち砕いても ーカリール・ジブラン / 愛について pic.twitter.com/QDfjbTLZAl

2019-05-22 22:11:27
和泉萌香 @moekaizumi

疲れやつれた美しい顔よ、 私はお前を愛す そうあるべきがよかったかも知れない多くの元気な顔たちの中に 私は容易にお前を見付ける 疲れやつれた美しい顔 / 中原中也 #好きな詩を読んで眠ろう pic.twitter.com/vJQwMZ9brx

2019-05-26 23:24:27
和泉萌香 @moekaizumi

“愛の詩集” 友情や恋慕を超えて硬く結ばれた詩人、萩原朔太郎と北原白秋が崇拝に近い念と愛を持って時に恍惚と語る序文と後書も美しい。室生君。何といっても私は君を愛する。そうして萩原君を。君と萩原君とは真に霊肉相通じた芸術的双生児である。詩人としての天稟、純真無垢な男達が綴る魂の言葉。 pic.twitter.com/vzmrdQfrIs

2019-06-05 00:48:04
和泉萌香 @moekaizumi

ある夜、俺は”美”を膝の上に坐らせた。苦々しい奴だと思った。俺は思いっきり毒づいてやった。 俺は正義に対して武装した。 ー地獄の季節 / ランボー pic.twitter.com/OGbLHJIaNf

2019-06-07 07:50:18
拡大
拡大
拡大
拡大
和泉萌香 @moekaizumi

ウィトゲンシュタイン”論理哲学論考”を。現物を代理とする言語。言語が可能性を広げてゆく。像が表現してゆく。この思考から映画に詩と様々な表現形態を思う。散文詩の様な彼の文体に人が達し得ない、既に元から見えていたであろうある種の狂気を思う。美しい氷原を愛せども摩擦ある大地も恋しい... pic.twitter.com/BnwkvjcPow

2019-06-11 00:01:26
拡大
和泉萌香 @moekaizumi

心が愛するものを肉体で愛することの出来ないというのは、なんたる邪悪の思想であろう おれは人間を愛する けれどもおれは人間を恐れる おれはときどき、すべての人々から脱れて孤独になる そしておれの心は、すべての人々を愛することによって涙ぐましくなる ー雲雀の巣 / 萩原朔太郎 pic.twitter.com/JQa4aaTAIH

2019-06-10 08:01:19
和泉萌香 @moekaizumi

一番賢明なのは、事情がそれに値する時にだけ狂人になることだ ーコクトー / 阿片 pic.twitter.com/nd7k7qWrEk

2019-06-12 22:05:15
和泉萌香 @moekaizumi

“ラディゲの死/三島由紀夫” 三日の内に僕は神の兵隊に銃殺されるんだ。夭折した早熟の天才ラディゲと庇護者コクトーの対話を脆くも過激な詩人の精神を宿して描いた短編。”僕たちは奇蹟と一緒に住んでいた。生粋の無秩序の男だった” 天使が奪った無二の男の姿を日本語の耽美な筆致で見る。 pic.twitter.com/kcVY7Yvknn

2019-06-12 19:24:40
和泉萌香 @moekaizumi

“ウィリアム・ウィルソン””黒猫”はじめポーの作品には人間が潜めている猟奇性野蛮性への探求が頽廃の筆致で現れ、読者の心までじわじわと煽りながらも暗闇から凝と窃視している様だから好き。登場人物達も野卑な欲望に突き動かされながらも同時に己に慄いて、その恐怖が更なる恐怖を呼び起こす。 pic.twitter.com/UKSKtWKHFK

2019-06-12 12:36:01
拡大
拡大
拡大
拡大
和泉萌香 @moekaizumi

小さなこのバラを誰も知らない 私が道から摘みあげて 君に捧げなかったなら. 寂しがるのは蜂くらい 蝶くらい 遠くの旅から急いで帰り その懐に休もうと 不思議がるのは鳥くらい 溜息をつくのは風くらい 小さなバラ あっけないね お前のようなのが死ぬのは ーエミリー・ディキンソン pic.twitter.com/EldYXXUYxw

2019-06-12 08:04:21
和泉萌香 @moekaizumi

ゴダールが”気狂いピエロ”最後にランボーの一節を引用したのも何となく分かる、気がする。ランボーは空虚な心も酔どれ中毒者の現実も自身の多感な思春期も発情の様に言葉へ変えてペンを置いた人だから... pic.twitter.com/I4mrBQdLol

2019-06-15 21:09:07
和泉萌香 @moekaizumi

ランボー詩集に収録されている小林秀雄氏の文を読む。調べても出てこない程の難解美麗な文句に目眩を覚えつつランボーとヴェルレーヌの愛憎の火花散る交歓について。「性急な糺問者と人間性に酩酊する詩人との間に破綻が...恐らくそれは、彼等の心情が不幸にもあまり純情過ぎたと言う事であった」 pic.twitter.com/QJuGaFRnzB

2019-06-15 20:08:18
和泉萌香 @moekaizumi

天才メビウスと鬼才ホドロフスキーの共作バンド・デシネ”猫の目”は彼ら2人の特異な視点と発想が交わって残酷な味わいをもたらす奇天烈な作品。塔の中にたたずむ少年、彼の視線の先には一匹の猫と鳥が...「古いやり方など捨ててしまえ」ホドロフスキーの悪戯な声が真黒の更なる奥の暗闇から轟くようで。 pic.twitter.com/gdeyMf87Yk

2019-06-15 18:08:42
拡大
拡大
拡大
拡大
前へ 1 2 ・・ 6 次へ