À rebours

幻想 / 怪奇 /古典 /詩 /恐怖
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和泉萌香 @moekaizumi

久生十蘭の”魔都”を読んでいる。月を見る事、並に美人の嬌態の事。歯切れの悪い月とゆう洒落た言い回しや登場人物の細かな描写、既製洋服にレディ・メードや夜会服にソワレなんてゆうルビ、ページをまくる毎に辞書必須の熟語が沢山で平仮名、漢字、片仮名と日本文学ならではのコントラストが眼福だ。 pic.twitter.com/EsAeLIs9cU

2019-03-12 08:50:58
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和泉萌香 @moekaizumi

“猪鹿蝶/久生十蘭” 死んだことになっているあざとく奔放な美しい女が何故か帰ってきた。昔の愛人に恥をかかせようと齷齪企む主人公の女だが、魔性の彼女の存在自体が狐につままれたようで... 帯はマーベルのゴブラン、帯止は沈香の花鏡の透彫り、重蔓小牡丹の紋...瞼に広がる洒落た久生の世界に酩酊。 pic.twitter.com/N7DiEyB3NB

2019-03-09 07:46:08
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和泉萌香 @moekaizumi

久生十蘭”肌色の月” 癌を患う女は自分で命を絶つためにある湖水に赴くがそこで出会った男に計画が狂わされて...黄疸の症状より名付けられた”肌色の月”の情景や藻が絡まった仄暗く泥臭い湖、阿鼻叫喚の後死に至る描写など陰鬱な雰囲気と共に作中人物全員に疑念を抱かされる展開に足裏がひやりとする。 pic.twitter.com/MIxkOPV07f

2019-02-16 10:30:09
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和泉萌香 @moekaizumi

久生十蘭”予言” セザンヌを好む柔和な若者は新婚旅行の船で妻ともう1人を撃ち殺し自殺するという予言を聞かされる。作中人物の東洋西洋双方の衣装描写や船上での異邦人たちとのパーティー等々湿っぽさは感じさせない洒落てモダンな文体が燻る。あっさり描かれる結末がまた面白いこと。 pic.twitter.com/jX5plp5NBa

2019-02-09 09:52:49
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和泉萌香 @moekaizumi

久生十蘭”黄泉にて” 美術仲買人の男のもとに生前想いを寄せられていた女からの使者がやってくる。名画や芸術家の名にパリの地という片仮名と漢字の混在や"大胆な葡萄の模様を浮彫のように裏から打ちだしたもので"なんて服に関する甘美で洒脱な表現と俗世を一気に離脱する情景描写がたまらない。 pic.twitter.com/qilWdajtCN

2019-02-07 10:34:42
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和泉萌香 @moekaizumi

“マネキン人形論” 暗鬱な灰色に囲まれ、孤独の胞子ばかりの匣のなか父は幻想的な反撃に出る。麻屑や布で造られた人形達、永遠に囚われて虐げられた物質の哀しみに悲惨を恍惚と語る彼の狂気。自身もぼろぼろに崩れ落ちてゆきながら闇ばかりと呼応し喪心状態へなってゆく全てをシュルツが描写する。 pic.twitter.com/ohKczA6PMw

2019-07-15 11:06:16
和泉萌香 @moekaizumi

“人間椅子/江戸川乱歩” 人間界から姿を隠して、悪魔の様な生活を続けて参りました...美しい閨秀作家の元にある一通の手紙が届く。椅子に潜り込んで座る者の肉の観察に惑溺する男が狭い部屋の中から恋に落ちる。耽美な筆致に倒錯した情熱と欲求、人が人に身体を埋める奇妙な画がありありと浮かぶ。 pic.twitter.com/umENVUMUYa

2019-03-17 09:33:33
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和泉萌香 @moekaizumi

“ライジーア” 人は天使にも死神にも屈することはない、ただ衰えた意志の弱さがそうさせるのでない限り... 審美的な黒髪と瞳を持つ美しい女が死後2人目の妻の身体を奪って蘇るポーのゴシック小説。反転構造で語られるおぞましい蘇生と愛の倒錯、沈潜せざるを得ない沼地をたたえる美女の描写に揺蕩う。 pic.twitter.com/aLGg4wFl40

2019-08-19 14:08:36
和泉萌香 @moekaizumi

川端康成の”みづうみ”はある聖少女の真黒な美しい瞳の中を泳ぎたいと願う物語だが、私もこんな人形達の虚無が飽和した瞳、人の手によって作られた人体型の物質に開いた別の世界を覗いてみたいし、それは本当に湖にぷかぷかと揺蕩う感覚なのではないかとふと思ったりする。 pic.twitter.com/bESRWB8bWf

2019-05-10 22:34:58
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和泉萌香 @moekaizumi

“眠れる美女”や”片腕”など川端康成のデカダン、シュルレアリスム作品が好きだが短編”舞踏靴”もお気に入り。踊り子が足フェチの靴職人から金色の舞踏靴を送られる。伏せ字が禁断の妄想を膨らませ、美しい文体の中に獣臭い官能が匂い立つ。”別の生き物が今盛んに動いていることを彼女は感じていた” pic.twitter.com/U0HH1h4MM9

2018-09-24 08:12:27
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和泉萌香 @moekaizumi

現実から夢に逃避しても世界は見えぬ間に動き続けているし、一種の死のようである夢と添い寝している間ひとは体を離脱して自身の一部を殺しているかも、甘美な過去が腐敗しゆくのをただ見送っているのかもしれない、川端康成の”眠り姫”映画と原作共にみて思うこと pic.twitter.com/5vCBgb2SJO

2019-02-25 21:37:03
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