À rebours

幻想 / 怪奇 /古典 /詩 /恐怖
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和泉萌香 @moekaizumi

“パンドラの匣/太宰治” 献身とは、わが身を最も華やかに永遠に生かす事である。人間はこの純粋の献身に依ってのみ不滅である。結核で療養所に入った主人公は個性豊かな患者達と職員の様子を詩人の友人に書き綴る。やがて気づく偽りの化粧と、それを拭い去った時にある美とひらける明るく温かな世界。 pic.twitter.com/b7NlEwmDbr

2019-03-06 09:20:53
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和泉萌香 @moekaizumi

病苦、悲哀、嫉妬、貪慾、猜疑、陰険、飢餓、憎悪などあらゆる不吉の虫が這い出し空を覆ってぶんぶん飛び廻り、それ以来、人間は永遠に不幸に悶えなければならなくなったが、しかし、その匣の隅にけし粒ほどの小さい光る石が残っていて、その石に幽かに”希望”という字が書かれていたという話。ー太宰治 pic.twitter.com/bhz7M1yTiZ

2019-03-03 11:31:26
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和泉萌香 @moekaizumi

太宰治”鉄面皮” 私は誰にでも底知れぬほど軽蔑されて至当だと思っている。芸術家というものは、それくらいで結構なんだ。鉄面皮を被って身を守り書きかけの小説について語りながら己の気性や性質について溜飲をさげ大馬鹿者と卑下し、最後に無知かもしれませぬがそれが生きる道ですとしたためた心よ。 pic.twitter.com/9914HcXSyu

2019-03-01 08:54:52
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和泉萌香 @moekaizumi

浮気の真似をする奴はやっぱり浮気、奇妙に学者ぶる奴はやっぱり本当の学者、芸術家ぶる奴は本当の芸術家、大石良雄の酔狂振りも、あれは本物。鉄面皮を装う愚作者はそのとおり鉄面皮の愚作者。小説家というものは恥知らずの愚者だという事だけは考えるまでもなく、まず決定的なものらしい。ー太宰治 pic.twitter.com/QORCweHEh6

2019-02-26 08:52:06
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和泉萌香 @moekaizumi

太宰治”デカダン抗議” 私の理想は、ドン・キホオテのそれに較べて高邁で無い。私は破邪の剣を振って悪者と格闘するよりは、頬の赤い村娘を欺いて一夜寝ることの方を好むのであるとの文に「うるせえ」と言いたくなるが既に淪落の身にあっても夢見た遊女とロマンチズムに過ごしたい男の滑稽なお話。 pic.twitter.com/g7wHptOO64

2019-02-26 07:41:02
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和泉萌香 @moekaizumi

太宰治”女生徒” ある少女の1日、心情と意識の流れを綴った本作にあるのは思春期の毎秒揺れる心や成熟した女性への嫌悪に自分を含める女という存在について。時代と社会、太宰が望む儚く幻想的、社会批判をもたない少女像だろうか?だが厭世的な彼女は確かに、虚構を少しばかり飛び出して生きている。 pic.twitter.com/1ocvWkZ1Pc

2018-12-26 09:42:23
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和泉萌香 @moekaizumi

太宰治の短編”メリイクリスマス”「東京は、都会の性格は何ら変わっておりません。」恐怖困惑せず唯一の女性”綺麗好きで、私の身の上に敏感、家に酒が豊富にあり、少しも私に惚れていない”と再会した主人公が綴る”阿呆と”滑稽”が禁物の恋話は自惚れと自虐が混在する、幸せと奇妙な距離を置いた物語 pic.twitter.com/ylDT0FjFhV

2018-09-29 08:21:29
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和泉萌香 @moekaizumi

大江健三郎”セヴンティーン” 背表紙より”性に耽溺し政治に陶酔する右翼少年の肖像”。ひとり性的な事柄に没頭する描写のグロテスクなまでの生々しさと不安が押し寄せ臓物まで冷え切ってゆく様、現実を変えられないことを承知しつつも右翼を被って自らの本性を隠匿してしまう姿を過激に描く。 pic.twitter.com/mlViArRVVo

2019-02-01 08:29:06
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和泉萌香 @moekaizumi

大江健三郎デビュー作”死者の奢り” 大学の研究のため処理室に贅沢に絡み合って浮かぶ死者たち。水槽の掃除にやってきた大学生の主人公は完璧な”物”でかる人の身体と生きている人間の厄介さを目の当たりにし徒労と当惑を感じる...これから待ち受ける希望も絶望する暇もない、長くて厚ぼったい毎日に。 pic.twitter.com/IEm85bTtD5

2019-01-31 08:51:24
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和泉萌香 @moekaizumi

大江健三郎”共同生活” 社会の片隅で生きる青年の底の深い孤独を”猿ども”と共に暮らすという形で描く作品。不眠から薬の常用という致命的な習慣を繰り返し、憂鬱と疲労のへりに立つ彼を見守る猿にいつか虫がわきはじめ...拭われることのない孤独の中彷徨う主人公の姿に見覚えを感じるのは気のせいか。 pic.twitter.com/BV2o2sC51y

2019-01-29 07:52:46
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和泉萌香 @moekaizumi

初大江健三郎作品”性的人間”を読んでいて、言葉より起こる物事と作中人物像が難解に感じられ中々進まないのだが、最近個人的に考えて事がそのまま明確に書かれていて嬉しい...”女性的なるものの内に束縛する全てから自由にならなければ 堅固な内部を脆い粥状に変えてしまう危険を拒まねばならない” pic.twitter.com/FmRSek7ZJb

2019-01-25 10:47:09
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和泉萌香 @moekaizumi

芥川龍之介”夢” 晩年の本作は作者自身の声であろう私は疲れていた、不眠症も甚だしかったという語りから始まり憂鬱から逃れるように制作を行う画家の夢と現実の交錯、真実や自身の居場所を見失う恐怖に死というテーマに立ち入ってゆく。色彩のある夢は不健全な証拠という。人を殺したかしら? pic.twitter.com/ZEWobUurPT

2019-02-23 13:12:46
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和泉萌香 @moekaizumi

やっぱクローネンバーグも夢野久作もスキャンダル等無く良識者(前者は大学卒業後ヨーロッパに渡り修士課程に進学した秀才、後者は破天荒パッパのせいで職歴は無茶苦茶だが太◯治や谷崎◯一郎の様な泥沼エピソード無し)なのにドグラ・マグラ書いたり蝿男の映画作るそうゆう健全な変態っぷりが好きですね pic.twitter.com/UtVN6yKVhR

2019-04-27 12:16:49
和泉萌香 @moekaizumi

“火星の女/夢野久作” 高等学校である焼死体が発見される。火星の女と呼ばれた黒焦少女の最期の誓い、それは心の底の空虚と青空の向うの空虚とは全く同等だと言う事を噛み締め、愛を与えられることなく恥辱を感じ続け、女という宿命を恨みながらも涙と共に受け入れた哀しい哀しい物語。 pic.twitter.com/ivXZ6NG30E

2019-03-20 13:06:41
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和泉萌香 @moekaizumi

“少女地獄/夢野久作” 各地の病院に虚構を振りまいた謎の女が自殺した。空想に生き殺された彼女は罪人などではない、憐れむべき創作家であっただけ。戦慄すべき脅迫観念の地獄絵巻を描き現わして来ました彼女は、遂に自身をその創作した地獄絵巻のドン底に葬り去らなければならなくなったのです... pic.twitter.com/PntYUvGL2i

2019-03-19 22:53:03
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和泉萌香 @moekaizumi

ニコニコに澁澤龍彦の肉声あるのか...「命がけで突っ立つ死体」土方巽の暗黒舞踏も見れる...土方さんのお葬式にて、弔辞を述べる澁澤先生 格好いい nico.ms/sm246971?ref=s… pic.twitter.com/IgC5G6Koza

2019-08-13 09:24:30
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和泉萌香 @moekaizumi

“大胯びらき” 題は舞踏用語で胯を床につくまで両脚を広げること、ここでは少年期と青年期の間の距離を意味する。愛の不安と喪失や滑稽な焦燥感を詩人は苦悩の色濃く焼き尽くす。”美しい肉体や欲望を属する性の如何を問わず熱愛する癖があった”一句一句耽美な本作の著者はコクトー、澁澤龍彦訳。 pic.twitter.com/ww34mqZvhh

2019-06-27 20:08:05
和泉萌香 @moekaizumi

澁澤龍彦”エロティシズムを生きた女性たち” スコットランドのメアリー女王やロシアのエカテリーナ女帝、女流詩人サッポー等のエピソードを紹介し支配と被支配という性愛的関係から女性のエロティシズムの分析、本質的な受動性という役割や男性的な精神を持つことについて言及するお気に入りエッセイ。 pic.twitter.com/GMYbt3Ld6S

2019-01-23 12:39:32
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和泉萌香 @moekaizumi

澁澤龍彦先生は”人一般の幸せという抽象的なものは分からないかもしれないが”と前置きし幸福は永遠に女はだけのものであり(容貌の意味ではなく)美しく愛にさえ生きていれば不幸ではあり得ない、という信念と仰っている。言葉だけ掬えば古臭い響きを感じる部分もあるが個人的に腑におちる想いもする。 pic.twitter.com/Ktrttxbiiw

2019-01-20 11:31:36
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和泉萌香 @moekaizumi

”現代のエロス”ほか 昔も今も糾弾されかねないような性に関する心理や文化傾向を書く澁澤龍彦先生の文章は内容ももちろん時折熱っぽく高揚する浮世離れした麗しさに恍惚とする。現代は擬似エロティシズムが私たちの周りを占め、合理化され管理されてしまった、妄執的に堕してしまった...なんて納得だ。 pic.twitter.com/ueiRx8LBfq

2019-01-18 18:38:16
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和泉萌香 @moekaizumi

蝶のように、貝殻のように、捺花のように、 人形のように、可憐な少女をガラス箱のなかにコレクションするのは万人の夢であろう。澁澤龍彦 pic.twitter.com/XQRctCI4DQ

2019-01-10 21:49:14
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和泉萌香 @moekaizumi

車の内臓をなぞるケネス・アンガーの”K.K.K. Kustom Kar Kommandos”を観ると澁澤龍彦先生の言葉を思い出す...ごわごわしたガードルを外してやるのは骨が折れるけれども、エビの甲羅を剝くような感じで意外におもしろい。中には白い、やわらかい身がぎっしり詰まっている。やっぱりエビとおんなじだ! pic.twitter.com/BEx74CfEP4

2019-01-06 14:00:58
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和泉萌香 @moekaizumi

"ねむり姫/澁澤龍彦" 「可憐な少女をガラスケースの中に閉じ込めたいと思うのは万人の夢である」14の年に永遠の眠りについてしまった美しい珠名姫と、彼女をめぐって数奇な運命をたどる男の物語。不可思議な澁澤ワールドを遊泳する感覚が心地よい。#1日1冊オススメ本 pic.twitter.com/zZeNA1uwxd

2017-10-25 22:45:04
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和泉萌香 @moekaizumi

今日から開催の"澁澤龍彦 ドラコニアの地平"展 行ってきたのだけれど、サド侯爵の手紙や"悪徳の栄え"翻訳原稿、博物記の草稿、四谷シモンの機械仕掛けの少女まで見ることができて感激... @SETABUN すごい夢みれそう pic.twitter.com/LEbrz44ZV8

2017-10-07 17:12:12
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和泉萌香 @moekaizumi

“昆虫図/久生十蘭” 貧乏な絵描きは古臭いアトリエに年増の元娼婦と住んでいる。ある日絵描きは部屋の壁や天井にびっしりと蝿が飛び回っているのを目撃した。別日には蝶々や蛾、ある時には甲虫が飛び込んできて最後には...閉鎖的な場所で何かが絶命し腐乱しゆく様を不気味に精密な筆致で綴る。 pic.twitter.com/Lj5gWkLFTm

2019-03-14 10:15:32
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