【横山光輝「三国志」講座243「新春十五夜」】

横山光輝「三国志」を一話ずつ解説してみようというコーナー。第243話「新春十五夜」の巻。 ※解説はbotさんの個人的見解です。 ※今回の話は、大判・横山光輝「三国志」第13巻に収録されています。
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横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座243「新春十五夜」01】 時は建安23年正月のことです。 金褘(きんき)、耿紀(こうき)、韋晃(いこう)の3人は国賊曹操討伐の火の手をあげる準備を整え、あとは決行するのみとなっていました。決行は正月15日の夜。満月が都を照らす中、洛中は正月飾りで華やかな雰囲気です。

2019-10-02 12:44:48
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【横山光輝「三国志」講座243「新春十五夜」02】 洛中の人々は遊び楽しんでいましたが、王必も宵の口から酒宴を開いていました。その日は無礼講というので大変な騒ぎに。瓶に布を張ってポンポコ太鼓代わりに叩いている者もいれば、肩を組んで歌い踊る者たちも。その中にいたのが金褘です。

2019-10-02 12:45:02
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【横山光輝「三国志」講座243「新春十五夜」03】 金褘は飲みつぶれたようで、もう駄目だと言います。金褘の友人でもある王必は冗談じゃない、酒宴はこれからじゃ、と言って、金褘の杯にもっと酒をつぐように家来に命じます。はいはいはい、と酒を持ってくる家来の顔がなぜか嬉しそうです。

2019-10-02 12:47:42
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【横山光輝「三国志」講座243「新春十五夜」04】 今宵は無礼講、とお酌する家来をみて、高笑いする王必。超ご機嫌です。近衛兵の隊長という出世を果たしての最初の正月を迎えたわけですから、嬉しさもひとしおでしょう。ところが、ここに悲鳴が。酔っているとは言え王必は何事か、と立ち上がります。

2019-10-02 12:49:50
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【横山光輝「三国志」講座243「新春十五夜」05】 すると、出火の知らせが。裏と南門が出火の出処と聞き、放火と判断した王必はすぐさま、様子を見に。煙にまかれて逃げ惑う家来たちと、武装した兵士たちを見て、謀反が起こったことを確認します。

2019-10-02 12:51:44
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【横山光輝「三国志」講座243「新春十五夜」06】 すると一本の矢が王必を襲います。即死は免れますが、肩から心臓にかけての位置に命中しており、重傷と言えます。そんな中、謀反兵達が口々に王必を探せ、雑兵には目もくれるな、と狙いは王必だと言いながら屋敷になだれ込んできます。

2019-10-02 12:53:45
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【横山光輝「三国志」講座243「新春十五夜」07】 王必はとっさに倒れ込んで死んだふりをして、兵士たちが通り過ぎるのをやり過ごします。行ったのを確かめた王必は、都合よく待機していた馬にまたがり、その場を逃走。謀反兵達は、王必を見つけられず、屋敷内の捜索に手間取っています。

2019-10-02 12:56:10
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【横山光輝「三国志」講座243「新春十五夜」08】 王必は近くに金褘の屋敷があるのを思い出し、傷の手当をさせてもらおうと考え、すぐに向かいます。金褘の屋敷の扉を叩く王必。中から、声がします。どうやら金褘だと勘違いしたようで、王必を首尾よく討ち取ったかと尋ねてしまいます。

2019-10-02 12:58:14
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【横山光輝「三国志」講座243「新春十五夜」09】 びっくり仰天の王必。冠が飛び上がっております。王必は間違えた、ご免といってその場をさります。反乱の張本人は金褘だと知った王必は、すぐに曹休に知らせなければと、曹休の屋敷に向かいます。

2019-10-02 12:59:56
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【横山光輝「三国志」講座243「新春十五夜」10】 都が火事という有事に対し、曹休の屋敷も厳戒態勢となっていました。王必も入り口で兵士に止められますが、危急の知らせがあると言うと、すぐに曹休が呼ばれます。曹休は、王必から金褘による謀反の知らせを聞くと、すぐに対応します。

2019-10-02 13:02:41
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【横山光輝「三国志」講座243「新春十五夜」11】 王必の手当を部下に任せ、曹休は宮中に向かいます。反乱軍は「死ねや死ねや漢朝のために」と決死の言葉をつぶやきながら動き回っていましたが、曹休は反乱軍を宮中に近寄らせまいとすぐに攻撃開始。曹休軍と反乱軍との戦闘が始まります。

2019-10-02 13:04:55
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【横山光輝「三国志」講座243「新春十五夜」12】 一方、都の城外に駐屯していた夏侯惇。都の空が赤くなっているのを見て、ただ事ではないと見て、すぐに3万騎を引き連れ都へ向かいます。 こうなると反乱軍は旗色が悪くなります。 当初の計画では帝を動かし曹操を討てという勅命をもって行動するもの。

2019-10-02 13:07:18
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【横山光輝「三国志」講座243「新春十五夜」13】 そのあと近衛兵とともに都に立てこもり、外から玄徳の助けを借りようとするものでした。ところが、曹休は内側から必死の防戦で反乱軍は宮中に近づけず、城外の夏侯惇の兵まで来てしまっては勝ち目はありません。

2019-10-02 13:08:46
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【横山光輝「三国志」講座243「新春十五夜」14】 近衛兵も事前に呼応する者を集ってはいたのでしょうが、この状態では反乱軍に加わることに二の足を踏んでしまいます。また帝も声明を出すのを差し控えてしまいました。ここで勅命を出したとあらば、曹操は決して許さないでしょう。

2019-10-02 13:10:25
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【横山光輝「三国志」講座243「新春十五夜」15】 結局、反乱軍は曹休の兵と、夏侯惇の兵によって蹴散らされてしまいます。 この知らせは直ちに曹操のもとにもたらされます。反乱に参加した者は全員捕らえられたとのことで、完全に鎮圧されていました。

2019-10-02 13:15:04
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【横山光輝「三国志」講座243「新春十五夜」16】 曹操は、反乱に参加した一族もろとも首を打てと命じます。自分に逆らう者は何人たろうとも許さんという曹操。帝は勅命を出さなくて命拾いしました。

2019-10-02 13:16:20
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【横山光輝「三国志」講座243「新春十五夜」17】 それにしても、管輅が言ったとおりで、自分が漢中に向かっていたら大事になっていたと冷や汗をかく曹操。 首謀者3人は一族とともに刑場に引き出され、ことごとく首をはねられました。3人はともかく、巻き添えを食った形の一族の皆さんは可哀想です。

2019-10-02 13:18:38
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【横山光輝「三国志」講座243「新春十五夜」18】 人々の胸をわずかに慰めたものは、王必も矢傷がもとでまもなく死んだということだけ…。とナレーションで入っていますが、そこまで王必が悪いことをしたのかというとそうではなく、曹操側だからということで、必要以上に悪く見られているような気が。

2019-10-02 13:21:45
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【横山光輝「三国志」講座243「新春十五夜」19】 むしろ、正月の酒宴で酒を飲んでいた割には、謀反を知ってからしかるべきところに連絡をするという、危機管理の役目は果たしたと言えるでしょう。近衛兵隊長として戦えなかったのは、最初に矢傷を受けたのからであり、不運なことでありました。

2019-10-02 13:25:55
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【横山光輝「三国志」講座243「新春十五夜」20】 さて、魏王宮。曹操は管輅に対し、漢中行きを止めたことで謀反が一夜で消せたことに感謝し、褒美をとらすと言います。 管輅は、自分は火を防ぐ力も、水を支える力もないと言います。曹操が留まっていたのはこれも天命と言います。

2019-10-02 13:28:04
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【横山光輝「三国志」講座243「新春十五夜」21】 また、自分が曹操に請われて予言を申し上げたのも、恐らく天意。こう考えると、自分が褒美をいただく理由がないので、何もおかまいくださりますな、と言って、管輅は魏王宮を去っていきます。

2019-10-02 13:29:26
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【横山光輝「三国志」講座243「新春十五夜」22】 反乱は一夜で鎮められましたが、漢中と蜀の国境での緊張は続いています。 仙人騒ぎや占いなど、人智を超越したようなエピソードはとりあえず置いときまして、物語は続いていきますが、この続きはまた次回です。 今回はここまで。

2019-10-02 13:35:51