「表現の不自由展」と「対話」の可能性

ヤクザに因縁付けられただけなのにストレートに怒らない、アートなひとたちはおかしい、というのが野原の感想。 それでも「少女像許せないと思う人」とどうやって対話するか。(まだ途中です)
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Seishi Takahashi @SeishiT0228

@noharra もろもろありがとうございます。長くなるうえに、考えながら書きますので、レスに時差が発生する点、ご容赦ください。私が野原さんのコメントで特に重要と思ったのは、項目分けしていただいたうちの2~4なので、そこを中心に記します。

2019-10-01 16:12:11
Seishi Takahashi @SeishiT0228

@noharra 前提として、私が藤田さんの記事に反応した理由は、ちょうど昨日読み始めたMieke Bal, Of What One Cannot Speak: Doris Salcedo's Political Art の記述と藤田さんがブリオーやビショップを使いながら言及しているポイントに通じるものがあると感じたからです。

2019-10-01 16:14:05
Seishi Takahashi @SeishiT0228

@noharra ちなみにこの3者に共通するものがあるのは、同じ現代アートの人たちなので、ごく必然だと思います。たまたま私が昨日読み始めたのが偶然です。

2019-10-01 16:14:54
Seishi Takahashi @SeishiT0228

@noharra 前提として、バルがシャンタル・ムフに言及しながら、the politicalとpoliticsの区別を述べている点を、整理しておきます。the politicalは、politicsと区別されるものとしてある。(逆に言えば、politicsはあんまり定義されていない。)

2019-10-01 16:16:09
Seishi Takahashi @SeishiT0228

@noharra the politicalとは、「コンセンサス」を求めるのではなく、敵対性を織り込みながら、しかし、なんとか対話を続けていくための様式として考えられている。昨日のツイートに重なりますが、印象的なのは、politicsにおいては、意見の異なる集団は "enemy"になる。

2019-10-01 16:17:47
Seishi Takahashi @SeishiT0228

@noharra 一方(昨日ちょっと言葉を間違えちゃったのですが)、the political においては、敵対性、敵対的な集団は、the adversaryという形で述べられる。(このあたりの特定の言葉遣いは、特段重要ではないと思います。定義の問題なので)

2019-10-01 16:20:49
Seishi Takahashi @SeishiT0228

@noharra 前者のpoliticsにおいては、異なる集団との関係性はwe/themという形になり、そこでは対話が行われない。一方、後者のthe politicalにおいては、あくまでもwe/youという形で、対話の希望をつなぐ、という点です。

2019-10-01 16:21:49
Seishi Takahashi @SeishiT0228

@noharra それを前提に、今回のことを考えていきます。まず、今回の件は、何よりも、河村氏の発言が「最初」かどうかはわかりませんが、大きく影響したものと考えています。「犬笛」と多くの人が指摘している通りだと思います。

2019-10-01 16:23:10
Seishi Takahashi @SeishiT0228

@noharra では、こういった状況下での「対話」は可能なのだろうか。私はかなり、疑問を感じています。野原さんがおっしゃるように、「それは間違っている」ということを述べることの方が、「あなたの意見を聞きましょう」よりも、必要ではないのか。

2019-10-01 16:24:26
Seishi Takahashi @SeishiT0228

@noharra 私は、今回の芸術祭に対して、強烈な攻撃を仕掛けている人たちは、上述の区分で言えば、politicsの領域で発信しているのだと思っています。それはたとえば、「真実性」よりも「多数派形成」の方が重要という動きであると言えるかな、と。

2019-10-01 16:26:20
Seishi Takahashi @SeishiT0228

@noharra そうした条件のもとでは、「対話」を求めて近寄っていくことは、自分の足場を崩しかねない、と感じます。たとえば、「二項対立を煽るのはやめませんか」というような文言で、両論併記になってしまうような形になってしまうのではないか、と。

2019-10-01 16:30:29
Seishi Takahashi @SeishiT0228

@noharra だから私は、正直、「対話は難しい」と感じています。野原さんのまとめは少しだけ見ました。私には、自分が途中でやめてしまうのが目に見えています。それだけにすごいな、と思うのですが、自分にはできないな、と。

2019-10-01 16:32:00
Seishi Takahashi @SeishiT0228

@noharra 一方で、そのような「言語」の世界ではない、「対話」の可能性があるのではないか、という点を感じています。たとえばそれが、藤田さんが挙げる、「ロミオ」や「アーティスト・コールセンター」であるかもしれません。

2019-10-01 16:34:13
Seishi Takahashi @SeishiT0228

@noharra 私としては、バルがどのようにしてサルセドにそれを見出すのか、そしてそれは説得的なのか、というのを、しっかり読んで考えたいと思っているところです。

2019-10-01 16:35:00
Seishi Takahashi @SeishiT0228

@noharra 補足しますと、私は、politicsの場面も必要だと思っています。敵対者(この場合残念ながら「enemy」)のpoliticsに対して、ちゃんと対抗的にpoliticsをやっていくことが必要なのではないか、と。

2019-10-01 16:36:52
Seishi Takahashi @SeishiT0228

@noharra これは推測ですし、事例を細かく見なければわかりませんが、批判されているアーティストのなかには、こういったpoliticsが嫌だ、と忌避してしまった人もいるのかもしれません。というか、私もできれば、忌避したい気持ちもあります。

2019-10-01 16:38:09
Seishi Takahashi @SeishiT0228

@noharra ところで、デモはpoliticsなのか。この点を、今朝から考えています。それはもちろん、自らの立場を示すための場です。しかしそこに出かけてみると、色んな声が聞こえてくるし、色んな身体がある。ある意味で、「自分たち」の間の亀裂もまた、見えてくる。

2019-10-01 16:39:36
Seishi Takahashi @SeishiT0228

@noharra そういったプレゼンス、物質性は、ある意味で芸術の展示と共通するものがあるかもしれません。(少し、バトラーの「アセンブリ」を思い浮かべていたりします。)

2019-10-01 16:40:47
Seishi Takahashi @SeishiT0228

@noharra 一度、politicsを相対化するために、the politicalをあえてそこから切り離して想像したうえで、再度両者をつなぐような場として、たとえばデモは、対話の場になるかもしれないなどということも考えています。

2019-10-01 16:42:14
Seishi Takahashi @SeishiT0228

@noharra 大変長く、かつぽろぽろと通知が行ってしまうようなスタイルで書いてしまって申し訳ありません。野原さんのコメントを受けて、私が考えたことは以上です。(まだまとまってないところはたくさんある気がしていますが。)

2019-10-01 16:43:59
野原燐 @noharra

@SeishiT0228 Takahashiさん 返信が遅くなってごめんなさい。 読んでおられるのは、Doris Salcedoという芸術家についてMieke Bal という人が書いた本ですね。 google.com/search?q=Doris… を見てサルチェード作品についてほんの少し分かりました。 ブリオーやビショップもはじめてで、まったくの門外漢です。

2019-10-02 13:06:40
野原燐 @noharra

@SeishiT0228 シャンタル・ムフは、左派ポピュリズムの可能性を示したと。 「新自由主義」と「平等と社会正義を訴える左派」。この非妥協的な両者が、相手の存在を排除することなく、競い合うのが自由民主主義だと説く。 amazon.co.jp/%E5%B7%A6%E6%B… にありました。

2019-10-02 13:07:00
野原燐 @noharra

@SeishiT0228 the politicalとpoliticsの区別、ですか? なんでそういう分かりにくい言葉使いをするのでしょうね。 ・「the politicalとは、「コンセンサス」を求めるのではなく、敵対性を織り込みながら、しかし、なんとか対話を続けていくための様式として考えられている。」 ふむ。敵対性を確認するのはいいね。

2019-10-02 13:07:36
野原燐 @noharra

@SeishiT0228 「衝突、分断、不安定性は、民主的な公共圏を破壊するものではない。むしろ、それらは公共圏の存在の条件なのだ」(ビショップ)は、事実の確認として、ある意味当たり前のことですね。 今回については、 1,河村など発言の暴力。河村発言の重要性には同意いただけました。

2019-10-02 13:08:19
野原燐 @noharra

@SeishiT0228 2ガソリンテロ予告など電凸攻撃の暴力があった。 それに向き合うアーティストなど側に、 3,「1」にほどんど言及しないという隠蔽があった。 (特に検証委員会に顕著 youtube.com/watch?v=-p14VE… ) 4,ある問題について「糾弾」とかいった過激な素振りは良くない。対話で解決すべき、とされる。

2019-10-02 13:08:32
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