東方同人誌「カリストーの尊厳」語り

自作の東方二次創作小説同人誌、魔理沙が人喰い熊を撃つ話「カリストーの尊厳」について制作経緯や裏話振り返ったりするまとめです。
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銅折葉 @domioriha

ネムノさんが叱ってるシーン、やはり向いているセリフの大半は、カリストーたる魔理沙自身ではなくて、この出来事において失われてしまったアルカスへ向けられたものであります。ネムノさんは子供は好きなのですが、この話において魔理沙はもう山姥に面倒を見てもらえる資格がない。

2018-12-24 23:05:42
銅折葉 @domioriha

霊夢には絶対にできないだろう(と、魔理沙が思い込んでいる部分もあり、彼女はこのへんの話は絶対に霊夢には秘密にするだろうというところから)、山姥=妖怪になった元巫女説をもとに、ネムノさんの登場となりました。山姥に命を救われ、辛うじて魔理沙が人の側に踏みとどまったとも言えます。

2018-12-24 23:08:40
銅折葉 @domioriha

一連の捨て鉢な魔理沙のスタンス、根本的なところで、霧雨の魔女を恋ふなどで描いた、父への反発というか、大きな家を継ぐためには妻と娘を複数持つのが必要という社会制度への反発や意趣返し、同時に唾棄している父と同じようなことをしている自分への(無自覚な)近親憎悪もあるんだろうと思います。

2018-12-24 23:11:04
銅折葉 @domioriha

というか自分の書く魔理沙は明らかに母親似ではなくて父親似なんだろうという。 ちょっと話し戻りますが、魔理沙が人喰い熊討伐に銃を選んだのは、何匹も熊を仕留めてきた銀十郎への崇拝に近い信頼と、あと思い込みで「これなら倒せるだろう」と考えてしまった短慮もあったと思います。

2018-12-24 23:13:23
銅折葉 @domioriha

弾幕使うなら使うでもっと簡単に致命傷を与える有効な手段はあっただろうという。アースライトレイとか。 あと、熊が登場するところで真冬なのにやたら蝿が出てきますが、これは実際に熊が活動する時期になるとやたら蝿が増えるという伝承によるもの。いわば人喰い熊の妖力の発現とも言えます。

2018-12-24 23:15:19
銅折葉 @domioriha

それと、感想でも指摘がありましたが原作の魔弾の射手だと最後の1発は悪魔ザミエルが狙った場所に当たることになってますが、それを契約者へ当たるとしたのは物語上の都合であると共に、魔理沙が意図的にそういう契約にねじ曲げたという面もあります。

2018-12-24 23:17:28
銅折葉 @domioriha

非常に残酷な方法の生贄なので悪魔は許容しましたが、その上で魔理沙の望むとおりには叶えないというのがこの魔弾の悪魔たる所以。たぶん熊を銃で仕留める急所、バイタルゾーンにはあえて当たらない中途半端な魔弾を付与した可能性が高い(確実に代償を強いるため)のかなと思いつつ書いていました。

2018-12-24 23:19:33
銅折葉 @domioriha

これ、最終的に魔理沙が霖之助と同じところに落ちつく話でもあると思うんですよね。霖之助と結婚するとかそういうのではなく、人と妖怪の間に立つ、ゆえに人でも妖怪でもない中途半端で孤独な存在という意味合いで。(そうするしか霊夢に近いところに居られないと考えてる節もある twitter.com/domioriha/stat…

2018-12-24 23:22:49
銅折葉 @domioriha

この話、魔理沙による母性の否定であり、ひいては霧雨魔法店のお嬢様だった彼女が、自分の血の繋がりの縁だった母親との繋がりを断ち切っていく話でありまして(霧雨の魔女を恋ふの延長)魔理沙はカリストーを殺すことを(あるいはカリストーとはならないことを)選んだ側になるのかなと思います。

2018-12-24 22:15:06
銅折葉 @domioriha

魔理沙の未来には複数の世界が重なっていて、彼女が登場するときはそのどこに向う途中かを選んで意識して書くようにしてます。 種族魔法使いになるエンド、人里に帰って普通の人間の婿をもらって霧雨の家を継ぐエンド、人間と妖怪の狭間の間に生きてその代償に身を削り、三十代くらいで死ぬエンド。

2018-12-24 23:25:33
銅折葉 @domioriha

そもそも銀十郎の立場からして排斥された側の人間であり、被害の起きた人々も境界の外側の民、就いていた仕事もアレがソレで、おそらく里からはじき出された理由もアレやコレという設定で(とにかくなにをどうやってもやばい話の集合体なので、できるだけふわっとした描写にとどめてはおりますが

2018-12-24 23:33:26
銅折葉 @domioriha

やろうかな、どうしようかなと迷っていたところに冒頭で引用した鈴奈庵のクツツラ回の魔理沙の行動(生まれたばかりの妖怪を見つけて、仕方ないねって感じであっさり処分する)を魅せられ、こりゃ彼女ならこれくらいはやるだろうな……と確信を深めてしまったのがよくなかった。

2018-12-24 23:35:32
銅折葉 @domioriha

あと、摩多羅さんが出てきちゃったのも後押しでありまして。世界観的に差別とか障碍とかそういう面に触れないわけにはいけない絶対秘神ですし。 作品ごとに世界観の繋がりは持たせないほうが多いですが、カリストーであれをやった魔理沙の未来は、他の作品の魔理沙とは重ならないのではと思います。

2018-12-24 23:38:27
銅折葉 @domioriha

妖怪になろうとしたものを未然に潰すという魔理沙の行動、易者に対するのと同じで、種族の境界を越えようとしたものは許さないという「境界の守り手」の一端を担う一面を見せていて、霊夢の眼の届かないところで魔理沙が魔法使いとしてこんな活動をしてるのだなというのが衝撃だった。

2019-06-23 10:54:44
銅折葉 @domioriha

クツツラ自身にはおそらく罪の意識とかはなくてただ自然に妖怪になりかけただけなのに、それは目につくだけで罪であるということと、それは霊夢ではなく魔理沙にとっても看過できないことであり、派手な霊夢の妖怪退治の活躍の裏で、一般人側に見える魔理沙が裏仕事を淡々とこなしてるのがとても魅力。

2019-06-23 10:56:24
銅折葉 @domioriha

霊夢が巫女の役目として過酷なことをしてるのを知らずにいる脳天気な魔理沙、という構図は、少なくとも鈴奈庵においては誤りで、魔理沙もまた霊夢が知らないところで日常的にこういう活動を(おそらく自主的に)してるんですよ。里に近しい分だけより魔理沙のほうが日常なのかもしれない。

2019-06-23 10:58:46