東方同人誌「カリストーの尊厳」語り

銅折葉 @domioriha

【#紅楼夢13告知】せ26b「折葉坂三番地」 【R18G】新刊「カリストーの尊厳」文庫版88ページ300円 魔理沙が人喰い熊を殺すために魔弾を作り山に登るお話です。 表紙は安芸さん（@yasugei）に描いて頂きました。 ※）本書には死体や性的描写、グロテスクな表現が含まれます。 pic.twitter.com/nVllMIisrx

拡大

銅折葉 @domioriha

【同人再録】カリストーの尊厳 | 銅折葉 #pixiv pixiv.net/novel/show.php… カリストーの尊厳を公開しました。R-18Gなので表示されない人もいるかと思いますが。

銅折葉 @domioriha

【東方掌編】喪失のアルカス | 銅折葉 #pixiv pixiv.net/novel/show.php… ちなみにカリストーの尊厳の後日談がこちら。こっちは（単話だと）そこまで酷いことは描かれてないので一般向けで公開しております。

銅折葉 @domioriha

カリストーの尊厳。前に書いた覚えもありますが最初はタイトルを「○○の尊厳死」にしようと思って何かないかとツイッターでゆるぼしたりしました。熊がテーマなのでいろいろググっていたらカリストーに行き着きました。 【紅楼夢13新刊】カリストーの尊厳 | 銅折葉 #pixiv pixiv.net/member_illust.…

銅折葉 @domioriha

魔理沙がメインの話だし、おおぐま座を通じて星のモチーフとも重なるのは良いという判断により採用。カリストー自身の神話伝承が知らずに息子から母殺しをされる話なので、ここまで強くメッセージが押し出されれば「死」は削ったほうがいいなということでこのタイトルに落ちつきました。

銅折葉 @domioriha

この話、魔理沙による母性の否定であり、ひいては霧雨魔法店のお嬢様だった彼女が、自分の血の繋がりの縁だった母親との繋がりを断ち切っていく話でありまして（霧雨の魔女を恋ふの延長）魔理沙はカリストーを殺すことを（あるいはカリストーとはならないことを）選んだ側になるのかなと思います。

銅折葉 @domioriha

人と妖怪の境界線上、人でありながら人妖の境に位置し、人から逸脱したものを狩る魔法使いというのは、実際にある垣根の魔女（ヘッジウイッチ）という魔法様式がぴったりなのでそれを採用しています。いわゆる森に棲んで魔法の薬を作って、人から恐れられるけど病気や災厄を払う事もしてくれる魔女。

銅折葉 @domioriha

魔理沙がこのまま、人間でありながら効率の悪い魔法使いを続けているというちぐはぐな立場で、今の道を歩んでいった先の到達点であろうと思います。種族魔法使いにはならず、人間でありながら魔法使いをしていることから生じる価値がある。そう考えるくらいには彼女の苦難の人生に幸いもあって欲しい。

銅折葉 @domioriha

作中で魔理沙は妖怪になりかけた人喰い熊と対峙します。実際に人間を喰った熊というのは人間にひどい執着を見せるようになり、これが「一度人間を喰った熊は人間以外を食べられなくなる」という伝説のもとになったとされているそうです。

銅折葉 @domioriha

人喰い熊は前脚に６本目の指が生えるという話もあるのですが、もともと熊の前脚は五本の指が同じ向きに並んでいて（人間でいうと足と同じ構造）、人間の手のように親指とそれ以外の指を指先を向けあうこと、「ものを握る」動作ができないのですが、

銅折葉 @domioriha

一部の熊は親指の根元の骨が酷く出っ張って居るものがおり、これが手のひらでものを挟む機能に使われる事があるそうです。パンダなんかはまさにこの形状の前脚をしていて、笹を掴むのに適した足をしています。 こういう器用な前脚を持つ個体は、総じて巨体であり活動的で賢くなるのだそうです。

銅折葉 @domioriha

ものを掴むという他の熊ができない動作が可能なら、獲れない獲物を効率よく獲ることが可能になり、その分行動の選択肢が広がるとか、カロリーを得たりすることもあるというのは想像できるので、その影響あるのかもしれません。枝を捻って折り曲げ、ハンモックのような寝床を作ることもあるとか。

銅折葉 @domioriha

本編で魔理沙は本編ＳＴＧのような弾幕での解決を行わず、空も飛ばずに山を登りますが、これは弾幕ごっこというのが派手で威力こそあれども「相手が勝負に応じる」「戦闘中一定距離から逃げない」という、テニスの試合のような状態になるからこそ成立するゲームであるという部分に根ざしています。

銅折葉 @domioriha

仮に魔理沙の弾幕で某王子様のような超人スーパープレイが可能だとしても、試合の相手がコートから逃げ出して試合場を立ち去り、物陰に潜んでナイフや銃を構えてこちらを狙っている時、悠長にコートの中でサーブの構えをしてテニスボールをぶち当てて倒すことを考えてもしょうがないという思想です。

銅折葉 @domioriha

魔理沙は作中で魔弾の射手をモチーフにした七発の弾丸を作りました。魔理沙は銃の扱いは素人に近いので、撃った弾が確実に相手に命中するという担保を必要としていて、とにかく標的を視認して引金さえ引けば必ず相手に弾丸が命中する方法のうち、もっとも効率的だったのがこれという設定でした。

銅折葉 @domioriha

ＳＴＧや弾幕アクションでは魔理沙は追尾弾を得意としておらず、魔法を必ず相手に当てるという技術にはさほど長けておりません。また、弾幕はあくまでゲームであり、相手にどんな攻撃がどう当たろうが――ショボい小粒弾でも、お空の超大型弾でも、原則的に１ミス。威力は関係ないといえます。

銅折葉 @domioriha

身も蓋もないことをいえば、相手に「ぱしん」と当たって「あ痛っ」となる威力でも弾幕勝負では十分なわけで。そういう弾幕をそのまま使ったところで人喰い熊は「ごめん被弾ししちった、俺の負け」とかいうはずないので。

銅折葉 @domioriha

じゃあマスタースパークとかならいいだろとなるわけですが、あれも正直弾幕勝負のゲーム画面に収まるような近距離だからこそ極太のレーザーになってると思うんですが、仮に直径５ｍ幅のレーザーが撃てたところで、相手が百メートルや二百メートル離れてたらほんの少し方向や高さがズレると外れる。

銅折葉 @domioriha

仮に200m離れてた場合、レーザーを打ち出す角度が１度ズレたら１．７ｍ着弾点が横になります。木々や茂み、地面のくぼみに隠れながら移動する標的を（多分そもそも撃ち始めたら相手の場所なんか見えないでしょうし）確実にレーザーの中に当て続けるのはまず無茶だろうと思うところです。

銅折葉 @domioriha

マスタースパークが、撃ったが最後山脈を貫通して地面を蒸発させあらゆるものを瞬間的に消滅させるレーザーであるとすればなんとかなるかもしれませんが、弾幕アクションでも撃ち出すのにあれだけ隙があり、一方で相手のゲージを削りきれない程度の威力だとすると、仕留めるには厳しいのでは。

銅折葉 @domioriha

空を飛ぶ点についても、松や杉の生える針葉樹のなかで視界が通るわけでもない中から、いくら上空を飛んでも広い山の中に一匹の相手を見つけるには向かないという部分もあったと思います。

銅折葉 @domioriha

まあこのへん、正直魔理沙も銀十郎への感情から敵討ちの方法に固執していた側面も強い。普段の彼女ならもっと効率的な方法を考えたり、他人を利用することを考えたのでは無いかと思います。（三妖精を連れてレーダーと自分の隠蔽させたり、にとり経由で山童や、千里眼と白狼天狗に椛を頼ってもよかった

銅折葉 @domioriha

こんだけリプツリーも伸びているのでてらいなくネタバレしますが、魔理沙は魔弾の代償で自分が死なないよう、代償を自身の子に押しつける形を取りました。「私はお前を殺さなくちゃいけない」などは文章上は力王に向けているような感じで誤魔化してますが、原則あのへんは我が子への言葉です。

銅折葉 @domioriha

このへんが本作のＲ１８Ｇたる最たる理由です。正直倫理観的には１８Ｇ程度で済むのかなとも思ったりもしますが。 もとからそういう扱いをすることを想定して、魔理沙はその相手にあのような男達を選んだのですが、すでに人間の域を逸脱している気がしないではないです。

銅折葉 @domioriha

あと、「捨てるものが割と金になった」というセリフの通り、あの時まで魔理沙は（いちおう）生娘でした。 これら一連の行為、さすがにあまりにも魔理沙が酷い事になりすぎてると思って、誰かに叱ってもらわないとマズいと思って書いたのが喪失のアルカスになります。