【語学】屈折語と膠着語

ドイツ語はインド・ヨーロッパ語族に属しますが、その特徴は屈折語であり、日本語のような膠着語とは異なります。両者の差を簡単に説明します。
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ドイツ語学ドイツ文学たん @germanist_tan

【屈折語と膠着語】 さて、世界の言語の中でも多くみられる二つの類型が、「屈折語」と「膠着語」です。 屈折語とは、語の一部(語基・語幹)がそのままで、そのほかの部分が主語などの人称・数・性、動詞の相・態・時制、その他格変化などにより変化する言語のことです。 続く

2019-10-09 16:07:52
ドイツ語学ドイツ文学たん @germanist_tan

「なんだ? 用語がずらずら羅列されたぞ?」と思った方もいるかと思われます。順次説明しますね。 主語の人称:その文に出てくる動詞の動作主はだれか。話し手なら一人称、目の前の人なら二人称、それ以外の人や物なら三人称。 数:単数なのか複数なのか。また稀に「二つ」を特別視する言語もあり。

2019-10-09 16:07:53
ドイツ語学ドイツ文学たん @germanist_tan

性:英語などではだいぶ廃れてしまいましたが、ヨーロッパの言語は名詞に「性」という概念があります。男性名詞・女性名詞、そして言語としては少数派ですが中性名詞に名詞がそれぞれ別れる言語があり、その名詞につく冠詞もそれぞれ異なります。ドイツ語は、中性名詞を持つ言語です。

2019-10-09 16:07:54
ドイツ語学ドイツ文学たん @germanist_tan

相:英語で言う進行形や完了形をイメージしてみてください。ある動作が途中なのか、もう終わっているのか、その瞬間だけを取り出しているのかなどを示します。 態:動作主とその動作を受ける目的の人や物の関係を、主から見て叙述しているか、目的物の視点で叙述しているかを示します。

2019-10-09 16:07:54
ドイツ語学ドイツ文学たん @germanist_tan

時制:その動作が現在・過去・未来のいつ行われたかを示します。ドイツ語では「完了形」と「過去形」が文法的には分かれていますが、認識としてはほぼ同一のものになります。

2019-10-09 16:07:55
ドイツ語学ドイツ文学たん @germanist_tan

格変化:日本語で言う「が・の・に・を」を示すものです。ドイツ語では動作主を表す主格(文法書では1格)、誰のものかを示す所有格(2格)、誰にを示す与格(3格)、誰を/何をを表す対格(4格)に分かれます。

2019-10-09 16:07:55
ドイツ語学ドイツ文学たん @germanist_tan

こうした要素で単語が変形するのが屈折語の特徴です。ドイツ語はこのカテゴリーに属します。 対して膠着語とは、日本語のように助詞などで言葉をくっつけて文を作る言語です。膠(にかわ)とは昔使われていた接着剤のことで、言葉と言葉をくっつけていくので膠着語と呼ばれます。

2019-10-09 16:07:56
ドイツ語学ドイツ文学たん @germanist_tan

「なんだって? じゃあ、ドイツ語と日本語とでは言語構造が全然ちがうのか? 大変そうだなあ」と言う声も、ひょっとしたらあるかもしれませんね。 ご安心を。実は似ている部分が結構ありますので、ドイツ語はすんなりと入っていける言語です。それについては、また後日。ゆっくり解説していきますね。

2019-10-09 16:07:56