【語学】屈折語と膠着語

ドイツ語はインド・ヨーロッパ語族に属しますが、その特徴は屈折語であり、日本語のような膠着語とは異なります。両者の差を簡単に説明します。
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ドイツ語学ドイツ文学たん @germanist_tan
【屈折語と膠着語】 さて、世界の言語の中でも多くみられる二つの類型が、「屈折語」と「膠着語」です。 屈折語とは、語の一部(語基・語幹)がそのままで、そのほかの部分が主語などの人称・数・性、動詞の相・態・時制、その他格変化などにより変化する言語のことです。 続く
ドイツ語学ドイツ文学たん @germanist_tan
「なんだ? 用語がずらずら羅列されたぞ?」と思った方もいるかと思われます。順次説明しますね。 主語の人称:その文に出てくる動詞の動作主はだれか。話し手なら一人称、目の前の人なら二人称、それ以外の人や物なら三人称。 数:単数なのか複数なのか。また稀に「二つ」を特別視する言語もあり。
ドイツ語学ドイツ文学たん @germanist_tan
性:英語などではだいぶ廃れてしまいましたが、ヨーロッパの言語は名詞に「性」という概念があります。男性名詞・女性名詞、そして言語としては少数派ですが中性名詞に名詞がそれぞれ別れる言語があり、その名詞につく冠詞もそれぞれ異なります。ドイツ語は、中性名詞を持つ言語です。
ドイツ語学ドイツ文学たん @germanist_tan
相:英語で言う進行形や完了形をイメージしてみてください。ある動作が途中なのか、もう終わっているのか、その瞬間だけを取り出しているのかなどを示します。 態:動作主とその動作を受ける目的の人や物の関係を、主から見て叙述しているか、目的物の視点で叙述しているかを示します。
ドイツ語学ドイツ文学たん @germanist_tan
時制:その動作が現在・過去・未来のいつ行われたかを示します。ドイツ語では「完了形」と「過去形」が文法的には分かれていますが、認識としてはほぼ同一のものになります。
ドイツ語学ドイツ文学たん @germanist_tan
格変化:日本語で言う「が・の・に・を」を示すものです。ドイツ語では動作主を表す主格(文法書では1格)、誰のものかを示す所有格(2格)、誰にを示す与格(3格)、誰を/何をを表す対格(4格)に分かれます。
ドイツ語学ドイツ文学たん @germanist_tan
こうした要素で単語が変形するのが屈折語の特徴です。ドイツ語はこのカテゴリーに属します。 対して膠着語とは、日本語のように助詞などで言葉をくっつけて文を作る言語です。膠(にかわ)とは昔使われていた接着剤のことで、言葉と言葉をくっつけていくので膠着語と呼ばれます。
ドイツ語学ドイツ文学たん @germanist_tan
「なんだって? じゃあ、ドイツ語と日本語とでは言語構造が全然ちがうのか? 大変そうだなあ」と言う声も、ひょっとしたらあるかもしれませんね。 ご安心を。実は似ている部分が結構ありますので、ドイツ語はすんなりと入っていける言語です。それについては、また後日。ゆっくり解説していきますね。

コメント

月刊Unlimited編集部@kindleで無料頒布中 @Unlimit43803616 2019年10月9日
おっ、ニーダーフルーアフェアダーファーツォイクフューラー(Niederflurfoerderfahrzeugfuehrer )の話かな?
ドイツ語学ドイツ文学たん @germanist_tan 2019年10月9日
長大語ですね。確かに、ドイツ語は名詞を合成して長くしていくことはできますが、ここで述べたいことは少し違うのです。日を改めて順次解説していく予定です。 Niederflurföderfahrzeugfühlerも長いですが、これより長いものもありまして、Donaudampfschiffahrtselektrizitätenhauptbetriebswerkbauunterbeamtengesellschaft ドナウ汽船電気事業本工場工事部門下級官吏組合という名前の組織がかつてあったそうです。
Hiroshi Yamashita @HiroshiYamashi4 2019年10月9日
日本語もどんどん名詞つなげちゃうけど漢字があるからまだ把握しやすいのかな。「どなうきせんでんきじぎょうほんこうじょうこうじぶもんかきゅうかんりくみあい」じゃパッとわからんしドイツ人はどうやって単語把握してるんだろ
ドイツ語学ドイツ文学たん @germanist_tan 2019年10月9日
英語の長文を読むときに、単語を一つ一つ区切って認識せず、セグメントごと区切って意味を捉えますよね? あれと同じだと思いますよ。関連し合う単語を意味の切れ目で区切って、長い単語を追っているのだと思います。
サディア・ラボン @taddy_frog 2019年10月11日
膠着語が屈折語に進化したりはしないでしょうか。   リンゴが→リンッカ、リンゴは→リンガー、リンゴを→リンゴー、リンゴから→リンクラー、リンゴの→リンゴン(こんな訛り方は無いと思うけど)
サディア・ラボン @taddy_frog 2019年10月11日
ギリシャ語も屈折語です。  石はlythosですけど、  「石」、「石は」、「石が」はリュトス、「石を」はリュトン、「石の」はリュトゥー、「石へ」はリュトー、「おお、石よ!」はリュテです。
ドイツ語学ドイツ文学たん @germanist_tan 2019年10月11日
それ、あり得るお話なんですよ。 古代エジプトの言語変遷を辿って行ったら、屈折語が膠着語になっている部分や、逆に膠着語が屈折語に戻っている部分があったと、学生の頃聞いたことがあります。 エジプトの文明は約5000年前に興り、紀元前30年にローマのアウグストゥスに攻め滅ぼされて終わりました。三千年間も言語が話されていたら、色々な変化があり、おっしゃるようなことがあったとしても不思議はないと思います。
ドイツ語学ドイツ文学たん @germanist_tan 2019年10月11日
taddy_frog そうです。インド・ヨーロッパ語族、もしくはインド・ゲルマン語族と呼ばれる言語群はそうした特徴を持っています。ドイツ語には格は四つしかありませんが、ギリシャ語やラテン語にはおっしゃるように呼びかける時に使う呼格というのがありますね。なお、同じくインド・ヨーロッパ語族のサンスクリットには主格、呼格、対格、具格、与格、奪格、属格、処格と格が8つもあります。
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