- yosidagumi2025
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『同志よ。礼三郎なる不良の監視任せました』放送委員長の顔は赤い頭巾で隠れて見えない。『は、同志ナンバー17。礼三郎があなた様の意にそう者なら我々の同志に加えて見せましょう』俺は答える。俺はまだ先輩の真の偉大さを理解していない。
2018-10-22 21:40:53俺はもう先輩を裏切らない。先輩を騙さない。俺は先輩の忠実なる手足となろう。俺はタイムスリップ四天王。礼三郎先輩の舎弟、タイムスリップ・アキヒコなのだ。
2018-10-22 21:42:33私は六人で撮った写真を眺めている。机の上に置いた大切な学生時代の思い出だ。礼三郎先輩は私に良くしてくれた。女の子で舎弟というのもおかしいけれど礼三郎先輩はそんなことは気にしていなかった。先輩と他の四人との思い出、そしてアームヘッド部……楽しい記憶。でも。あの日が来た。
2018-10-22 21:46:52それはある種の願いを込めてアームヘッド最終反乱と呼ばれた事件。私、オテアライも含めて六人は全員無事だった。だけどそれは身体の話だ。秋那さんを失ってしまった先輩は心に深い傷を負ってしまったのだと思う。先輩の顔に常に陰がつきまとっている。私はどうしたらいいのだろう。
2018-10-22 21:49:55『それは大切な写真なのか?』急に声がした。その方を向くと×字の仮面をした男が立っていた。音もなく現れたのだ。『誰!?』『悪者だよ』仮面の男は答えた。『何の用!?』悪者?不審者?変質者?でも音も無く入って来るなんて?『少し説明不足だったか?』悪者は少しすまなそうにしている。
2018-10-22 21:53:38『ごめんねえ。本当にごめん。勝手に部屋に入ってごめん!』更なる不審者!音も無く侵入し土下座をする不審者が更に現れた!『誰!?』『ソリヒコです、すいません』土下座が答える。『そうか、名前を言うのか。ワルヒコです』『オテアライです、はじめまして……』『はじめまして』
2018-10-22 21:56:53『で、何!?警察!警察呼んだ方が良いの?』『それは俺の実力を見たいということですか?オテアライさん』『ワルヒコ、多分我々は不審者だと思われている。申し訳ないよね』『不審者?それは悪者か?』『ごめん限りなく近いねえ』頭が悪者……。『何をやっている』更なる不審者?
2018-10-22 21:59:44『久しいな。オテアライ』青いマントのローブ男!だが見覚えがあった。『トウウン君!』『宇宙一周振りだ懐かしい』トウウンもよくわからない事を言っている。それに前見た時よりもだいぶマッシブだ。『悪かったなオテアライ。大勢で押し掛けて』『それよりも何の用』『一つ前から聞きたかった』
2018-10-22 22:03:50氷河でぶつかる二機のアームヘッド!ヴィジャヤはその巨体から信じられない速度で拳を繰り出す!エーデルワイスはそれをチョップで受け止める!だが体格差を覆すほどではない!エーデルワイスは吹き飛び氷河にぶつかりその衝撃で氷河がパウダースノーと化す!この筋肉対話を何日も続けている!
2018-10-22 22:09:26エーデルワイスはアムリタのエキスのブーストが無ければゴルゴタとの連戦の疲れもあり粉微塵になっていたであろう。幾度かタイムスリップ休息を挟みつつこの赤い筋肉鬼神との闘いで筋肉精神を向上させていた。もはや礼三郎は自分がなんであったかも忘れかけていた。ヴィジャヤは筋肉で過去を語った。
2018-10-22 22:12:58礼三郎はヴィジャヤの家族の代わりになれないだろうか。ふとそう思った。だがヴィジャヤの筋肉返答は重く、鋭い。お互いにこれは過程であり求めるものではない。先が、未来があるのだ。二機の筋肉の化身はお互いを葬るべく必殺の構えをとった。幾度目かの別れへの挑戦である。しかしそれは中断された。
2018-10-22 22:16:27もう一機のアームヘッドが割り込んだのだ。『タイムスリップ・アカヒコです』そのアームヘッドはヴィジャヤとエーデルワイスの必殺技を受け止めたのだ。『……流石ですね。私が調和を使わねば私もタイムスリップに還ってしまうところでした』『なにものだぜ?』『中学以来ですね。礼三郎さん』
2018-10-22 22:19:54礼三郎は覚えていないが、この男は白雪中学放送委員会を統べていた男!『アキヒコさんがお呼びですよ。ラウンズを狙うなら次は俺にしろとのことです』『……トウウンか』『そうです。我が同志トウウン君ですよ』アカヒコは笑った。『おい危ねえぞ』更なる第三者!
2018-10-22 22:23:39ヴィジャヤはアカヒコのユートピアを筋肉ノイズとみなし滅ぼさんとしたのだ!それを警告したのはパイナップルめいたタイムスリップ者!『おまえ……ハイジか?』『そうだぜ、礼三郎!俺たちはおまえに会いに来た』ヴィジャヤの筋肉を平等化調和でいなしつつユートピアが回避する。『まずいですね』
2018-10-22 22:26:50『持たねえのかだらしねえな。それでも監視者階級かよ』ハイジ、否タイムスリップ・アルプスは毒づく。『ウォッチャーなんてなるもんじゃないですね。ヴィジャヤ、ただの筋肉頼りじゃないとはわかっていたつもりですが』『御託はいいから礼三郎を連れて帰ろうぜ。オテアライちゃんも待ってるだろうし』
2018-10-22 22:29:46『オテアライ?オテアライに何かしたのか?』『ああ?礼三郎?気になるならついて来い!』ユートピアとマッスルパイナップルがタイムスリップ消失する。礼三郎はヴィジャヤをふと見るが、ヴィジャヤは行くように促す。『……待っていろよ』
2018-10-22 22:31:45これまでのあらすじ ラウンズ 攻略戦第三幕、ゲルヒコ、コツヒコを撃破した礼三郎だったがその隙に舎弟の女の子のオテアライがタイムスリップ四天王アキヒコに拐われる。それを伝えられた礼三郎はヴィジャヤとの破滅的トレーニングを中断して決戦に向かう。ヴィジャヤはそれを無言で見送った。
2019-04-21 20:54:03