劇場版めざせコナモンマスター これがホントのアンツィオ戦です！ 前編

劉度 @arther456

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（これからSSを投下します。TLに長文が投下されますので、気になる方はリムーブ・ミュートなどお気軽にどうぞ。感想・実況などは #ryudo_ss をお使いいただけると大変ありがたいです。忙しい方はtogetterまとめ版をどうぞ。それでは暫くの間、お付き合い下さい）

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【劇場版めざせコナモンマスター　これがホントのアンツィオ戦です！】　前編

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アンツィオ、ポルポ・ダンジェント本社。ここでは代表取締役ヴァリアントが初代コナモンマスターになったことを祝って、盛大なパーティーが行われていた。「カンパーイ！」上座に立つのはヴァリアント、そしてコナモンリーグ大会委員長のミルコ・ウリッセが隣にいた。1

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「いやあ、リーグ優勝のお陰で売上が倍に！コナモンマスターさまさまね！」「まったくだ！ワシも気合を入れて根回しした甲斐があったというものよ！」今までの戦いは全て茶番であった。コナモンリーグはヴァリアントとミルコの掌の上で転がされていたのだ。2

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１回戦はアンツィオ市民を使って暴動を起こし、実力者を排除した。２回戦は最終日に材料の買い占めを行い、テツヲを脱落させた。そして最終日は、審査員に身内の集積地棲姫を加え、更にスポンサーを買収することで、必勝の体制を整えた。3

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「ああ、そうですね。何かとお世話になりました……こちら、お礼です」ヴァリアントは自社製品の冷凍たこ焼きパック（30個入り）を差し出した。「ほほう、これはこれは……」ミルコは袋の中を確かめる。冷凍たこ焼きの下に、多額の現金が隠されていた。銀だこならぬ金だこだ！4

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「うむ。ありがたくいただこう」「喜んでくれたようでなにより。……ただ、少し問題が」「どうした？」「バーリに出店したいのですが、地元の飲食店が連合を組んでいて、売上が見込めないのです」「ああ、なるほど。任せておけ。違いうちにそこに衛生問題でガサ入れをしてやろう」5

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これこそが、ポルポ・ダンジェントと、ミルコの癒着の実態である。ポルポ・ダンジェントは単なるビジネスだけで拡大してきたのではない。ライバル店をミルコを使って妨害し、時には金で雇ったならず者を送り込んで閉店に追い込む、卑劣な戦略をも使用していた。6

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「なら、また冷凍たこ焼きを準備しなければいけませんね」「今度はあれだ、金箔を振ってみてはどうかな？優勝記念として」「それは良い。ハッハッハッ……」「ハッハッハッ！」高笑いする２人であったが、そこに集積地棲姫メガ・ネギュウドンが飛び込んできた。「大変です！」「どうした？」7

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「ガリバルディの奴が乗り込んできました！」「何ィ！？」ヴァリアントとミルコは部屋を出て、１階のホールへ向かった。多数の獣病人や深海棲艦に囲まれて、ガリバルディがいた。「ヴァリアント！ミルコ・ウリッセ！姉貴を返してもらいにきたぞ！」8

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ガリバルディもまた、ヴァリアントとミルコの被害者だった。姉のアブルッツィを拉致され、引き換えにポルポ・ダンジェントの手先としてコナモンリーグに参戦した。本来なら決勝まで勝ち上がり、そこでわざとヴァリアントに負けるはずだったのだが、龍驤の奮闘により作戦は阻止された。9

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その後、決勝戦の会場に忍び込み、龍驤のガスボンベに細工をしたのだが、それも秋水によって乗り越えられてしまった。「フン、何の役にも立っておらん役立たずめが、偉そうに！貴様ら、やってしまえ！」「おおっ！」戦艦タ級がガリバルディに殴りかかる！10

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だが、ガリバルディはそれを片手で防いだ。「何ッ！？」そして、華麗な回し蹴りでタ級を蹴り飛ばした。「ガハッッ！？」チ級は一撃昏倒！「せ、戦艦が一撃で！？」「相手は軽巡のはずだぞ！？」「ナメるなよ。実は結構、最新鋭だぜ？」11

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クレープ屋を始める前、ガリバルディは名うての鯛焼き屋だった。美味しいからではない。治安がどん底だった数年前の南イタリアは、強盗やマフィア、深海棲艦が蔓延していた。ガリバルディはそれらを相手に腕っぷしだけで渡り合い、屋台を守り続けていた。12

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戦艦すら一撃で吹き飛ばす火力。並の軽巡では追いつけないスピード。重巡に匹敵する装甲は、お手製の黒いボディーアーマーで更に強化されている。その戦闘力で屋台に群がる暴徒たちを薙ぎ倒してきた彼女は、『鯛焼き名人アルティメットフォーム』という伝説を残していた。12

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「アルティメットフォーム・スペシャルターボ！」ガリバルディのアーマー胸部のエンブレムが輝いた。次の瞬間、ガリバルディは10歩前にいる輸送ワ級の目の前にいた。「なっ！？」ワ級が驚く間もなく、ガリバルディの拳が炸裂し、吹き飛ばす。更に超スピードで、ヴァリアントとの間合いを詰める！13

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「せいやぁっ！」「フンッ！」ガリバルディの飛び蹴りを、ヴァリアントは両腕で受け止めた。続いてガリバルディは背負っていた鯛焼き鉄板を手に取った。赤くなるまで熱された鉄板で、ヴァリアントに殴りかかる！だが、灼熱の一撃はヴァリアントの艤装によって防がれた。14

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「熱っいわね！」ヴァリアントはガリバルディを弾き飛ばす。艤装が赤くなっていた。ガリバルディは着地し、ヴァリアントに向かって鉄板を構えた、その時だった。「どーもー、奥さーん」横にあったエレベーターが開いた。「ご存知アンツィonちゃんでございますー」15

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エレベーターの中には、ポルポ・ダンジェントのマスコット、アンツィonちゃんが乗っていた。「何だよ一体」ガリバルディはヴァリアントから目を逸らさず、アンツィonちゃんにも注意を向ける。「いやね、お姉さんに会いたがっていたようだからね。上から連れてきたんですよ」「何ッ！？」16

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「よいしょっと」アンツィonちゃんがエレベーターを降りる。その後ろにアブルッツィがいた。「姉……ッ！？」ガリバルディは絶句した。エレベーターの床にアブルッツィが胡座をかき、ピッツァを貪り食っていた。「おいしい！ピッツァおいしい！」「……ッ！？お前ら、姉貴に何をした！？」17

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「いや別に？人質に死なれたら困るから、ちゃんと三食出しただけだよ？主に依存性の高いチーズたっぷりのピッツァを」「ジャンクフードおいしい！安ワインおいしい！」女優だから食事が不自由だったアブルッツィにとって、アンツィonちゃんのB級グルメは殺人的美味であった。18

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「姉貴！もうやめてくれ！迎えに来たぞ！」「あら？ガリバルディじゃない。ボンジョールノ。どうしたの、３人に増えちゃって」泥酔状態だ！「いやあ、こんなにバルジがついちゃったら、人気女優も型なしだねぇ」「このっ……外道がぁーっ！」怒りが限界に達したガリバルディは鉄板で殴りかかった！19

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だが、鉄板で殴られてもアンツィonちゃんはビクともしなかった。「なっ……！？」それどころか、鉄板の方が凹んでしまった。「ただの着ぐるみじゃないのか……！？」驚くガリバルディにアンツィonちゃんが体当りした。「ぐわっ！？」ガリバルディは一撃であっけなく吹き飛ばされてしまった。20

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アンツィonちゃんはガリバルディを片手で持ち上げる。「ヴァリアント！こいつにスパゲッティを食わしてやりたいんですが構いませんね！？」「ええ。美人姉妹がウチの商品を宣伝してくれるなんて、いい広告塔じゃない」「や、やめろ！」ガリバルディはもがくが、アンツィonちゃんから逃れられない。21