忍殺TRPGソロリプレイ【アンダー・ザ・ルール・オブ・スーパーナチュラル】

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

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ザリザリザリ……『……ですから私、アンゲ・ビミヨは常日頃から声を大にして言っております！ミニバイオ生物は自然に反する存在であると！ミニバイオ生物とその飼い主のせいで多くの人間が苦しんでいる現実！直視してほしい！あなたの無知を恥じなさい……』ザリザリザリ……ブツン　1 #4215tk

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「今の聞くに堪えない演説の女性がターゲットになります」レディオの電源を切ったのは、嘴めいたメンポをつけた男……すなわちニンジャ。「成る程」頷いたのは、豪奢なキモノドレスに唾広の帽子を身につけた女。こちらもまた、ニンジャ。2 #4215tk

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「……その、ミッションに入る前に確認したいのですが」嘴メンポの男……ソウカイヤのニンジャ、チキンハートはおずおずと尋ねる。「今回共にミッションをするのは、その、オーキッド＝サンという方とお伺いしていたのですが……」「アー、ゴメンナサイ」女が唐突に頭を下げる。3 #4215tk

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「オーキッド殿は、そのー、今引っ越し作業で忙しく……ですがご心配なく！拙者が代役を務めるでゴザル！」「は、はあ」チキンハートは曖昧に頷く。女は両目を閉じているが、真摯な視線は感じる……眉間の間に埋め込まれているらしい、紅玉めいた結晶体から。4 #4215tk

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「……では、ガーネット＝サン。難しいミッションになりそうですが、頑張りましょう。ヨロシクオネガイシマス」「こちらこそヨロシクでゴザル！チキンハート殿！」かくして。急拵えのタッグによる、反バイオ過激派団体の団体員、アンゲ・ビミヨの暗殺ミッションが幕を上げたのだった。5 #4215tk

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挑戦シナリオ: 【ニンジャの動物愛護】by 海中劣＝サン #4215tk note.mu/uminakaotoru/n…

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チャレンジャーはこちら↓ ニンジャ名：ガーネット（ニンジャアニマル／ドラゴンメイド） 【カラテ】：2 【ニューロン】：6 【ワザマエ】：6 【ジツ】：3（近接格闘） 【体力】：4 【精神力】：6 【脚力】：3 持ち物など： ・ZBR ○異界より舞い降りし者 ●人語理解・会話 ●頑健なる肉体 #4215tk

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アンゲ・ビミヨ。ミニバイオ生物根絶を掲げる反バイオ過激派団体の一人。反バイオ過激派団体とはその名のとおり、バイオ生物に対する痛烈な批判・抵抗を手段問わずに行なっている集団だ。だがその主たる相手は暗黒メガコーポたるヨロシサン。そこまで目立った活動はしない……はずだった。6 #4215tk

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……「ですが最近の彼女は違います。先ほどのようなレディオのハッキング演説だけではない。テレビ番組や雑誌への出演、さらには自費出版による啓蒙まで。もはやヨロシサンが無視できる範疇になくなったのです」「成る程」ガーネットは微笑する。「詳しいのでゴザルな、チキンハート殿は」7 #4215tk

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「いえ、そんなことは。ただ個人的に思うところが……アッ、いえ！それよりも、ここです」チキンハートが話題を逸らすように指し示したのは、そのビミヨの自宅前だ。「ほほー！豪勢な住処！」歓声を上げるガーネットに、チキンハートは眉間にシワを寄せる。8 #4215tk

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「仰るとおりです。ビミヨは本来、ここまで羽振りのいい活動家でもなかったはずなのですが……その点も調査する必要があるかもしれませんね」「成る程。差しあたっては」と、ガーネットが指差したのは玄関前で威圧的なアトモスフィアを醸し出す男。「あれをどかす必要があるのでは？」9 #4215tk

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チキンハートは写真を仕舞い込み、玄関前の男を見やる。クローンヤクザではない。しかし、手にはサスマタ。騒がれると厄介だ。「……そうですね。それでは」「ここは拙者が」するり、とガーネットが前に出る。その足元はスカートで覆われ、伺えない。10 #4215tk

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チキンハートは一瞬躊躇う。この箱入りお嬢様めいたガーネットが、どこまでの手練れか判別し難かったからだ。抵抗があるとはいえ、必要であれば自分が……「イヤーッ！」「アバッ！？」そのコンマ数秒の逡巡のうちに鋼鉄の星が飛び、見張りの男へと突き刺さっていた。当然即死！11 #4215tk pic.twitter.com/YqRGIKnEvB

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「ヤッタ！でゴザル！チョージョーでゴザルな！」「ア……アッハイ。そうですね。オミゴトです」情けないところを見せてしまったか。チキンハートは力なく笑い、ガーネットの後を追って……ふと見張りの服装に目を止めた。口元にスカーフ。無論ニンジャではない。なにか違和感があった。12 #4215tk

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「どうしたでゴザルか？チキンハート殿」扉の前でガーネットが不思議そうに振り返る。チキンハートは我に返り、首を振った。「……いえ、すいません。とにかく中に入りましょう」「ですが鍵がかかっておるようで」「……でしょうね」間の抜けた答えに、思わず笑みが溢れる。13 #4215tk

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（選択肢２：【ニューロン】で電子ロック解除を選択） 玄関扉の電子ロックは厳重であり、まるで他者の意見を聞き入れない家主の意思を具現化したかのように思えた。だが、パワリオワー！「パワリオワー！がでたら成功でゴザルな。研修で習ったでゴザル」「おお……やりますね」14 #4215tk pic.twitter.com/JZ21Vk6vR5

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開かれた扉から侵入した二人のニンジャは用心深く進んでいく。どこにセキュリティとしてのトラップが仕掛けられているかわからないからだ。ガーネットの衣擦れの音だけが響く。チキンハートはふと訝しく思った。ここまで共に行動してなお、彼女が足音一つ立てていないことに気づいたからだ。15 #4215tk

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（この状況はともかく、これまでの道中で足音を消す必要はないはずだけど……）チキンハートは首を傾げ、ゆっくりと頭を振って疑念を払う。今はミッションが最優先だ。「チキンハート殿、こちらを」「？はい……これは」そして二人が見つけ出したのは、電算室。16 #4215tk

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「部屋が真っ赤でゴザルな」ガーネットが眉を潜める。UNIXがすべて朱塗りなのだ。モニタの光が暗い部屋をぼんやりと照らす。「なにか情報が掴めるかもしれません。見てみましょう」「ガッテン」二人のニンジャはしめやかにエントリーし、適当なUNIXのキーボードをタイプ。17 #4215tk

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「計画書……議題ログ……交渉ログ、フムム、いろいろアヤシゲなフォルダが」「どれか一つ適当なものを選んで、ハッキングできませんか」「やってみるでゴザル」背中越しに覗き込むチキンハートに答え、ガーネットは「交渉ログ」を選択。数秒後、中身が展開！ （選択肢３、成功）18 #4215tk pic.twitter.com/aPdMFBk98u

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キャバァーン！チキンハートが抜け目なく差し込んだフロッピーディスクに、交渉ログが吸い上げられていく！「ゴイリヨウ……と書いてあるでゴザルな」「ヨロシサンの敵対企業、ゴイリヨウ化学でしょうね。成る程、羽振りの良さはここからか……！」チキンハートの声に力が籠る。19 #4215tk

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ガーネットは不思議そうにチキンハートを見やる。彼女は企業間の関係についてさほど詳しくないのだ。視線に気づいたチキンハートは、フロッピーを自らの懐に回収してから頷いて見せる。「別のルートでビミヨを失墜させる手段ができた、ということです。本人探しに戻りましょう」20 #4215tk

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……十数分後！「チキンハート殿。ビミヨ＝サンとやらは留守なのでは？」「いえ、この時間帯であれば間違いなくいるはずです」無闇に広いカチグミ住宅の探索を一通り終え、ガーネットとチキンハートはニンジャブリーフィングを開始していた。当のビミヨが見つからないのだ。21 #4215tk

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「そうは言っても、もう探していない部屋はないはず……鍵もかかっていたし、やはり……」「……いえ、待ってください」自論の補強をしようとしていたガーネットを押し留め、チキンハートはツカツカと壁に歩み寄る。そこにかけられていたのは「愛する自然」のショドー。22 #4215tk