2019-20シーズン、現役男子スケーター紹介

平家八草「楽園Escaper」C103 二日目東ヒ-49a @kawaikunai_mono

ヤグプルらによる急速進化 ↓ 採点形式一新 ↓ 回転不足基準厳格化、四回転不利に 他の全部を揃えた選手が台頭 ↓ 回転不足基準緩和 ↓ チャンが4Tと全部を両立 ↓ 羽生ハビの4T4S全部 ↓ ボーヤン4Lz着氷、宇野4F羽生4Lo ↓ 羽生が4T4S全部で平昌優勝 ↓ 採点改正 ↓ ネイサン4クワド全部で優勝

平家八草「楽園Escaper」C103 二日目東ヒ-49a @kawaikunai_mono

要素 エレメントとも 技術点(TES)を構成するジャンプ、スピン、ステップが まとめてこう呼ばれており、ここでもよく使っています 特に要素が高品質＝ジャンプ、スピン、ステップで もれなくGOEを取れる、という意味となります

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GOE 出来栄え点とも 各要素には基礎点が定められていますが これらを「出来栄え」で±50%するのがGOE(コレオは±80%) 例えば4Sの基礎点は9.7、4Lzは11.5ですが goeで4S>4Lzになった事例も実際に発生しました 非常に高いgoeを出す要素は見るからに上手い反面 実は色々細かい基準も

平家八草「楽園Escaper」C103 二日目東ヒ-49a @kawaikunai_mono

滑り スケーティングとも フィギュアスケートの基礎の基礎である根本的な滑りの上手さは 選手達の間でかなり差があり 特別に上手い選手はただ前に滑るだけでも様々な表現を使い分けられます 得点としてはPCSのSSで評価されますが 例えばジャンプへの加速や着氷などを左右する大事な技術です

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ジャンプ基礎点 4A12.5 4Lz11.5 4F11.0 4Lo10.5 4S9.7 4T9.5 3A8.0 いわゆる「大技」 4Aはまだ誰も決めてません 3Lz5.9 3F5.3 3Lo4.9 3S4.3 3T4.2 2A3.3 単独で飛んだりコンボに入れたり 2Lo1.7 2S、2T1.3 主にコンボで使用 コンボの+3T→+2Tは-2.9で結構痛い 4T→2Tだと-8.2で悲惨な事に

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抜け 想定していたジャンプを回れなかった、 例えば4Tを飛ぶつもりだったのが3T、2T、1Tになってしまうミス 上記の4T→2Tみたいな事になるとごっそり得点が減ります 抜けは転けより(重い)、なんて言われたりします

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回転不足 ジャンプの回転が90°以上足りないと<で基礎点ほぼ-25% 180以上足りないと<<で一回転少ないジャンプの基礎点 例えば基礎点9.5の4Tは<で7.13、<<で3Tの4.2 <の形から俗に「刺さる」とも 現状だとgoeも消えるので強烈に痛いです goe+4の4Tで14→<、goe-1に修正で6 8点近く吹っ飛んだりも

平家八草「楽園Escaper」C103 二日目東ヒ-49a @kawaikunai_mono

エッジエラー 踏み切る時に軸足(正確には軸足の刃)が内側だとフリップ(F) 外側だとルッツ(Lz)になるのですが この向きが中途半端だとペナルティを受けます e(エラー)だと基礎点-ほぼ25% !(アテンション)だと基礎点はそのままgoeのみ引かれます 回転不足同様、エッジエラーもgoeが吹き飛ぶのが痛手に

平家八草「楽園Escaper」C103 二日目東ヒ-49a @kawaikunai_mono

男子のエッジエラーは多くはないのですが ある世代以上のロシア男子はeが理由で3Fを飛ばないし また他国にも五輪で4F!になった選手もいます どちらかというと女子で切実な課題で 特にソチ五輪以前だと3Lzと3Fを飛び分けられる選手は希少でした また、矯正はシニア以後だと困難だったりも

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PCS ファイブコンポーネンツとも SS(Skating Skills) 基礎的なスケーティング技術 TR(Transitions／Linking Footwork) 要素間の繋ぎ PE(Performance／Execution) 動作、身のこなし CH(Choreography／Composition) プログラム全体の構成 IN(Interpretation) 曲の解釈 の五項目で採点されます

平家八草「楽園Escaper」C103 二日目東ヒ-49a @kawaikunai_mono

…なのですが、実際の採点だと PE、CH、INが連動する事が多いです 例えば曲全体と一つ一つの音、リズムを活かす事ができれば プログラムを通して(CH)、曲に合わさり(IN)、バッチリ決まる(PE)訳で

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分かりやすく違いが出るのはTRで ここをそんなに重視していない(疲れるし)スケーターも割といますし それでも他の4要素で点を取れたりします SSが突出して高評価 つまりずば抜けてスケーティングが上手い選手もいて 今季の選手だとハン・ヤンが代表例

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旧採点に倣って「芸術点」と呼ばれる事もありますが 奇抜さや創造性だけだと高得点を取れないのも事実 PCSで高得点を取る選手は例外なく基礎技術の裏打ちがあります

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例えばジェイソン・ブラウン、ミハイル・コリヤダ また引退した選手ですが、ミーシャ・ジーのPCSがどんどん伸びたのも 基礎技術の向上と無関係ではなかったでしょう

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SP(2分40秒±10秒) 2Aか3A 四回転か三回転＋三回転か二回転のコンビネーション 三回転か四回転の単独 このジャンプ3つ(抜けで一、二回転単独だと問答無用で0。2AはOK) スピン3つ ステップ1つ 以上7要素でTESを算出

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ちなみに現行ルールでは、女子はSPでの四回転を禁止されています 最近女子クワドジャンパーが出てきたので変更されるかも？

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FS(4分±10秒) ジャンプは7つ この内アクセルを最低1つ。2つも可 四回転一種＋三回転一種、あるいは三回転二種を2回飛べる ただし2回の内1回はコンボ必須 かつコンボは3回まで 抜けで二回転未満でも点は貰える スピン3つ ステップ1つ コレオ1つ 以上12要素でTESを算出

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総じてジャンプの得点が大きく 例えばネイサン・チェンは 7つのジャンプ全てで10点以上を獲得 ジャンプ95、スピン15、ステップ10でFSのTES120を突破し 見事世界選手権を制覇しました

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ではジャンプだけ極めれば、という訳でもなく スピンとステップはある程度安定して点数を確保できるし トップクラスとそれ以外だとSP、FSの合計で10点以上差が出ます またステップのgoe要件とPCS要件はある程度被るので ステップでgoeを取れる選手はだいたいPCSも伸びます

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FSの時間短縮、ジャンプ基礎点減少、goe振れ幅の増大など 色々とルールの変更があった五輪明けの昨季でしたが 結局は全ての要素を高水準で決めれば高得点が出る訳で もともと全部上手いトップクラスの選手達には 殆ど影響は無いだろうと思われてしましたし、実際そうなりました

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ただ要素の質が、特にジャンプ以外が強みになる選手に追い風になったのも事実 典型がジェイソン・ブラウンで、SPでは四回転なしで96点を突破 全米選手権ではなんと100を突き抜けています