ドナルカ・パッカーン 森本薫「女の一生」戦時下の初稿版完全上演

ドナルカ・パッカーンが上演した森本薫「女の一生」戦時下の初稿版完全上演のtweetまとめです。
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竜 РЮ Афанасий 🇺🇦 @yappata2

サルトルは「蝿」のラストでオレステスに「自由は苦だ」みたいなことを言わせていて、この女の一生も「近代の個の自立を舞台に乗せるには俳優も群でなく個として乗れるメソッドが要る」という順序で作られてたんじゃないのかなあ。男女逆転や人形はその道具だと思ったんだが…。

2019-11-08 05:42:59
竜 РЮ Афанасий 🇺🇦 @yappata2

その思想の先には、この30年間小劇場で無造作に劣化再生産され続けてきた「ディスコミュニケーションの展示場としての家庭劇」(うんざりだ)を破壊して、個のせめぎ合いたる家庭劇を定着させる方法論の確立、という目的地が見えているはず。

2019-11-08 06:11:52
竜 РЮ Афанасий 🇺🇦 @yappata2

見立てとしてそれは正しい。だがその目的地を共有できるのが未来の観客であってきょうの観客ではないとしたら、きょうの舞台は誰のために行われたのか、ということになってしまうのでは…。

2019-11-08 07:16:16
竜 РЮ Афанасий 🇺🇦 @yappata2

演劇でいちばん大切なことは「誰に見せるか」だと思う。演劇がなんらかの変革の道具になりうるならひとつひとつの舞台は未来の担い手に届くものである必要があると思っている。女の一生は、次世代若年層に届く仕組みで企画されていたろうか。

2019-11-08 07:21:45
竜 РЮ Афанасий 🇺🇦 @yappata2

もう少し続きます。(グロトフスキについてはええかげんなのでスルーしてくださいw

2019-11-08 07:58:53
やまけん🏳️‍⚧️🏳️‍🌈 @yamakenta

ドナルカ・パッカーン『女の一生』戦時下の初稿版完全上演(作:森本薫、演出:川口典成)、かなり面白かった。実は『女の一生』の上演自体、今回初めて観たのだが、今上演するなら断然この「戦時下の初稿版」。戦争を背景に「家」から放逐された女が再び「家」に馴致されていくまでの物語。

2019-11-08 23:44:01
やまけん🏳️‍⚧️🏳️‍🌈 @yamakenta

初稿版の最後はけっこう不意打ちで笑ってしまうのだが、しかし明らかにこちらの方がクリティカル。もちろん戦後すぐの時期にこれを上演できるわけがないのもわかるのだが。というわけでまずは今の日本でこの作品をこの形で上演するという川口典成の目の付け所、企画が素晴らしかったと思う。

2019-11-08 23:50:42
やまけん🏳️‍⚧️🏳️‍🌈 @yamakenta

しかしそれだけに俳優が台詞に詰まったり噛んだりする場面が多かったのが惜しい。あれだけの台詞をあの速さで発するには相当な稽古が必要なはずで、それが十分にできないのは俳優だけの責任ではなく、おそらく現在の小劇場演劇の制度(?)の問題でもある。

2019-11-08 23:58:12
やまけん🏳️‍⚧️🏳️‍🌈 @yamakenta

しかし70年以上前にこれが書かれていたことを考えると今の日本で女性が置かれている状況はむしろさらに後退してさえいるのでは……と思わされる森本薫の面白さであった。

2019-11-09 00:02:54
やまけん🏳️‍⚧️🏳️‍🌈 @yamakenta

演目のせいか客席の年齢層がかなり高めだったのだが、そして「戦時下の」というコピーが客を限定している気がしなくもないのだが、正しく「戦時下の」作品でありながら/だからこそフェミニズムやジェンダー論に興味がある人にもオススメです。

2019-11-09 00:12:59
八島さらら @sarara_ya

ドナルカ・パッカーン「女の一生」 観劇しました。とても面白く、朝ドラを1クールみたような気持ちです。 久々の売春捜査官チームが集まってうれしかったです。 pic.twitter.com/bx0rRha19O

2019-11-09 00:28:43
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Seri Kurosawa🍛旅する演出家🎭チケット発売中🐰🦀 @serikurosawa

ドナルカ・パッカーン「女の一生」 レアな初演版の上演。森本薫は台本上手だなーと思いました。構造が国家=家庭として描かれているから、構造の強さがそのまま体制への貢献になる怖み。 ラストシーンの恐ろしい台詞、「産む機械」発言するひともいるから現代も変わらんし、変えていかないとねえ。 pic.twitter.com/xe0VboGyu2

2019-11-09 08:56:16
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ひびのけい @hbnk

ドナルド・パッカーン『女の一生』。またオカルトと言われるが、内田里美には杉村春子の霊が降りてきてた。所作や言い回しもそこそこ似てたが、台詞を言った後緊張感がふっと抜けて顔の表情が柔らかくなるところがそっくり、かつ台詞に広島弁が微かに混じるところもあり、何度も背中に電流が走った。

2019-11-09 10:35:32
ひびのけい @hbnk

ドナルド・パッカーン『女の一生』。幕開けと終幕に栄二の娘たちが登場する初稿版の趣向は読んでいたときのこちらの想像以上に作品にふくらみを持たせることがわかった。それでも風俗劇の域を出ないところが森本らしいが、そのギリギリのところを攻めた初稿版は現行版よりずっと面白いことがわかった。

2019-11-09 10:47:52
ひびのけい @hbnk

ドナルド・パッカーン『女の一生』。異性装や音楽等、演出による幾つかの異化の試みは効果が薄い。けいを男が演じる位の徹底した異化ならともかく、作品の持つ同化の力に抗しきれず中途半端だし、中国人の母を持つ娘が日本精神や文化の尊さを語る等作者による異化装置をもっと明確に見せるほうがいい。

2019-11-09 10:55:30
ひびのけい @hbnk

とはいえ作者の手による戦後改訂版も時局に媚びて書いたのではないこともよくわかった。一流の風俗劇の書き手として、敗戦という決定的な状況を書き込まないわけにはいかないと考えたのだ。だが初稿版の上演によってその凄さを知ってしまった今、栄二との再会はありがちなメロドラマにしか見えない。

2019-11-09 11:01:28
ひびのけい @hbnk

悪口を最初に書いてしまったが、今回の演出のいちばんの功績は(初稿版上演という企画段階でのものを除けば)、昔の新劇で長い台詞を発するときの息の詰めかたを俳優たちにほぼ完璧に再現させたところにある。いまどきの新劇の俳優でもできないことをよくやらせたと思う。

2019-11-09 11:10:15
ひびのけい @hbnk

もう一つ。なぜ栄二の娘は四人なのか。作劇上の必然性はないゆえ、様々なことが考えられる。ギリシア劇以来チェーホフまでヨーロッパでは姉妹は三人(または二人)だ。一方で軍部に睨まれ43年に連載が中断した『細雪』は四人姉妹。案外正解は『若草物語』だったかもしれぬ。ヨーロッパでなくアメリカ。

2019-11-09 11:17:47
ドナルカ・パッカーン @DonalcaPackhan

初演時にもキャストの都合で三人で上演されたというが、その後、改訂版から三人に書き換えられた。なるほど、検閲された「細雪」か。 twitter.com/hbnk/status/11…

2019-11-09 11:44:06
やまけん🏳️‍⚧️🏳️‍🌈 @yamakenta

『女の一生』の四姉妹、上から順に和子華子洋子は明らかに日本中国西洋だと思うのだが、最後で急に「みどり」と来るのが謎。

2019-11-09 12:05:50
やまけん🏳️‍⚧️🏳️‍🌈 @yamakenta

男女入替配役については「異化」になりきらないところが肝だと思っていて、物語が、つまり、戦争が進むにつれて「男女」「家」の規範が国家によって画一化されていく様子が「多様な」人々の物語からの退場と重なっているように見えたのだった。異化までいっちゃうとむしろ男女規範が強調されてしまう。

2019-11-09 12:14:46
やまけん🏳️‍⚧️🏳️‍🌈 @yamakenta

「一説には、特定の色を表す以外に、「一面にまじり気のない」「一色で塗りつぶされている」様子を表す言葉であったといわれています。」 aeon.info/ef/midoripress… twitter.com/yamakenta/stat…

2019-11-09 12:41:45