ヨロシサン・エクスプレス #10

ネオサイタマ電脳IRC空間 http://ninjaheads.hatenablog.jp/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」 http://togetter.com/li/73867
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ブガー!ブガー!ブガー!警報ののち、マイコ音声がスピーカーから発せられた。『乗客の皆さん、自室に戻り施錠してください。ネザーキョウと思われる勢力のサイドの接近と思われますが、このままトップスピード重点、問題有りません』「ア……!」サガサマは息を呑む。砂塵は上空の風が作っている!24

2019-11-13 23:20:27
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「まさか……まさか……あれは」風の主は、上空を跳ね駆ける姿……「あれは……ニンジャ……!?」バチバチと雷光が瞬くさまをサガサマは視認する。マスラダも目を凝らした。「ニンジャだ。……一人か」「一人!?」「お借りします」サガサマはザックの双眼鏡を借りて、拡大した。「アイエッ……」 25

2019-11-13 23:25:22
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

それは捻れた二本角を生やした女のニンジャであり、その凄まじく苛烈な、怒っているとも笑っているとも取れる形相に、サガサマはスコープ越しに恐怖した。狙いは間違いなくこのヨロシンカンセンである。「一体……一体あれは……ネザーキョウのニンジャでしょうか!?」 26

2019-11-13 23:28:12
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

マスラダの手に、その時、オリガミが触れた。ヤモトが折ったツルが、いかにしてか、飛び来たったようだった。マスラダはオリガミを開いた。そこに言伝が書かれていた。「……!」マスラダは窓から上体を出し、後方を見た。あっという間に遠ざかるトリイの上に、ヤモトの姿があった。 27

2019-11-13 23:30:56
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「オイッ!」マスラダは叫んだ。ヤモトの首周りでマフラーめいた桜色の炎が爆ぜるさまが遠目にもわかった。そして、ナムサン……二本角のニンジャは明確に狙いの対象を変えた。ヨロシンカンセンから、トリイ上のヤモトに。ヨロシンカンセンはトップスピードに入る。「グオオーン!」咆哮じみた轟音。28

2019-11-13 23:33:02
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ハァーッハハハハ!そこかァーッ!」雷鳴に乗って、二本角のニンジャの哄笑が届いた。ヤモトはカタナを構え、彼女を……ネザーキョウのシテンノの一人、ヘヴンリィを待ち構えた。「アンタ達の狙いも、これか」ヤモトは懐のニッタ・カタツキに触れ、呟いた。 29

2019-11-13 23:38:34
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

これ以上、ヨロシンカンセンとその乗客を巻き込むわけにはいかない。東に走り去るヨロシンカンセンを横目で見送り、彼女はトリイの上で一人、微かな安堵と共に頷いた。だが、垣間見せた柔らかな表情はコンマ1秒で失せた。無慈悲なシの女王はイアイを漲らせ、ヘヴンリィを迎え撃つ……! 30

2019-11-13 23:44:22
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「「イィィィィィィィ……」」飛び来るヘヴンリィは両手に帯電するカゼのカラテを込め、一方のヤモトは桜色の炎を首元から上空の空へ高く燃え上がらせた。「「……イヤーッ!」」KRAAAAAAASH!出会い頭の互いの一撃が、衝突した……! 31

2019-11-13 23:47:30
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

S3第4話【ヨロシサン・エクスプレス】終。第5話に続く。

2019-11-13 23:47:34