グライスの協調の原理 #ラテン語たんと言語学のおはなし

ラテン語たんの本業ツイ。今回は語用論とか。 編集自由(この方面は全く知見が無いので、デキる方に適宜編集していただければ。)
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ラテン語たん @Latina_tan

他の例も。…質の公理(偽らない)です。 苦学生A「昨日、何食べた?」 苦学生B「松阪牛のステーキとボルドーワイン」 苦学生A「そりゃいいや。…ホントは?」 苦学生B「もやし炒めとカルピスウォーター」 #ラテン語たんと言語学のおはなし

2019-11-15 23:41:54
ラテン語たん @Latina_tan

これは「ジョーク」ですね。お互いに苦学生で松阪牛を食べる余裕などないと分かっていて、わざとこんなことを言えば 「明らかにウソだが、協調の原則に従って会話を円滑に進めようとしてるんだな」 と判断して、一緒に笑うことができます。 #ラテン語たんと言語学のおはなし

2019-11-15 23:41:55
ラテン語たん @Latina_tan

こういったふうに、会話の中では極めて頻繁に公理が無視され、それは「ジョーク」「嫌味」「皮肉」「あてこすり」「比喩」などの形で言語生活を豊かにしてくれます。 #ラテン語たんと言語学のおはなし

2019-11-15 23:47:13
ラテン語たん @Latina_tan

本当に会話が成立していないケースとしては、先日私が会話した相手は重度の認知症で言葉の理解がうまくいかず 「朝食は召し上がりました?」 「私は北海道出身でね、夫が炭鉱で働いていてね…」 このケースはそもそも協調の原則が機能していませんが。 #ラテン語たんと言語学のおはなし

2019-11-15 23:49:35
ラテン語たん @Latina_tan

まとめますと… 「一見無関係なこと/不可解なことを言っていても、協調の原則が守られている以上は(=会話に乗り気である以上は) じつは関係のある/意味のあることを話しているのだ」 #ラテン語たんと言語学のおはなし

2019-11-15 23:50:42
ラテン語たん @Latina_tan

早く会話を打ち切りたいために「量の公理」を無視する: A「昨日何食べた?」 B「メシ。いいからどっか行けよ」 Bは「さっさと会話を終わらせる」という目的のアピールためにわざと情報を少なくしています。 #ラテン語たんと言語学のおはなし

2019-11-15 23:52:23
ラテン語たん @Latina_tan

さあ、これらのことが何に有用か?あるいは数学者のように――なにがうれしいのか? 先程少しだけ述べましたが、機械に会話をさせようというとき、この考え方は有用だろうかと思われます。 #ラテン語たんと言語学のおはなし

2019-11-15 23:57:36
ラテン語たん @Latina_tan

それから、アスペルガー症候群とかで「言外の意味や曖昧な表現を理解できない」という状況を理解する助けにもなるんではないかなー、なんて思ってます。 #ラテン語たんと言語学のおはなし

2019-11-15 23:57:36
ラテン語たん @Latina_tan

こういうジャンルがあるんだよー、というお話でした。 #ラテン語たんと言語学のおはなし

2019-11-15 23:59:05
さばこ @saba_sono4

#ラテン語たんと言語学のおはなし 「語用論」を読んで思い出した 高校時代、英語教師がこの説明をしようと「暑いね」と言われたらなんと答える?と窓際の生徒を指した。窓を開けようか?という答えを想定してたのに「そうですね」「私もです」「夏ですから」ばかりで「お前ら冷たいな」と苦笑してた😅

2019-11-16 21:29:35