よしざわひでおさんによる「AC3クロニクル」

よしざわひでお @yoshi_clonoa

ディスクを付属すると単価も上がるし、ケースも厚くなって幅も取るので輸送の問題もあるし、販売部から難色を示される可能性大でした。

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そこで販売部と宣伝部のキーマンにうまいことメリットを吹き込んで根回しし、何とか認めてもらうことに成功しました。

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その後もスタッフの暴走はエスカレートし、取説などを制作するデザイン部にまで飛び火し、イラストブックレットまで創ってしまうということになりました。

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当時はプレイステーションはブームでもあり、その中でもナムコは先行者利益で絶好調でしたから、予算というものもそんなに厳しく問われなかったのもあって、わたしもそれほど苦労したわけではなかったですね。 何よりスタッフの熱い思いをお客さんに届けたい！　その一心でした。 つづく

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スタッフはじめ、多くの人の思いが詰まった「エースコンバット３」が完成したのでした。 pic.twitter.com/lNviuInUbz

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完成した日は休みの日でした。休日出勤です。 本部長に無事ロム出しが完了したことを電話で報告すると、伝票出していいからうまいもの食わせてやってくれ！と言われ、スタッフを連れて焼き肉屋へ繰り出しました。

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若いスタッフたちと祝杯をあげたのが懐かしいです。 ゲーム創りは本当に大変だけれども、完成した時のこの達成感は何にも代えがたいものですね。

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そしてついに発売されました。 結果的に１００万本以上の受注が入り、大ヒットとなりました。

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しかしこのエスコンシリーズとしては異色の今作は早速賛否両論が飛び交いました。

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でも、アンケートはがきを読んでいると、初めてエースコンバットを買いましたという人が結構多く、その購入動機はプロダクションＩＧのアニメが気になってというものだったのです。 これは当初からの狙いだったので、嬉しかったです。

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しかしラストの結末はさらに賛否両論でした。 個人的にはクロノアにも通じるものがあって、大好きな結末なんですけどねぇ。 とはいえ、ゲーム自体は大変楽しめたようなので、概ね成功ですよね。 つづく

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ついに完成して発売され、賛否両論が巻き起こりました。 pic.twitter.com/vaBIdeasxP

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この時、実は某アニメ制作会社で秘密の企画が進行していて、そのゲーム化を打診されていたのでした。

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だから、当時考えていたのは、今回の３でアニメに興味を持って買ってくれた新規ユーザー向けに、この企画のゲームを創って提供し、従来のエースコンバットのユーザー向けには従来の実在機を使ったリアル路線の製品を提供するというエースの２本柱を作る事でした。

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結局はその企画はその後いろいろあって立ち消えとなり、幻となってしまったんですがね。

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そして丁度この時期に組織変更がありました。それまでＣＳ開発部は課というものがなかったのですが、課が複数新設されて、そのひとつの課長になったので、エースコンバットの担当ではなくなってしまったのです。 だから海外版に関して、わたしはその後の展開についてよく知らないのです。

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海外版ではストーリー部分のアニメが全て削除されて構成し直したものがリリースされる事になり、海外でも有名になったプロダクションＩＧを起用した意味は失われてしまったのは残念でした。

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海外のファンの方が、このストーリー部分も含んだプレイ映像に英語字幕を付けて動画をアップしてくれているようなので、こちらで補っていただければと思います。 youtube.com/watch?v=7SZ2Oz… おしまい

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