よしざわひでおさんによる「AC3クロニクル」

第1回から第14回までをまとめました。
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よしざわひでお @yoshi_clonoa

結局増額なしでさらに充実した内容になったのでした。 こうして外部委託会社さんも含めて、スタッフ全員が最高のものを創ろうというエネルギーが集まって「エースコンバット3」はできていったのでした。 つづく

2019-11-16 11:12:14
よしざわひでお @yoshi_clonoa

外部委託会社さんも含めて、スタッフ全員が最高のものを創ろうというエネルギーが集まって「エースコンバット3」はできていったのでした。 pic.twitter.com/iFTfyriJpn

2019-11-20 10:45:24
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よしざわひでお @yoshi_clonoa

ある日、スタッフから新たにUIデザインとして人員を増やしたいと提案がありました。 UIとはゲーム周りの選択画面とかゲーム中の表示部などのビジュアルのことです。

2019-11-20 10:49:22
よしざわひでお @yoshi_clonoa

それは指田くんといって、業務用の部署でデザイナーをしていた人でした。 どんな仕事をした人なのかな? と思って聞いてみると、あの「技脳体」とか「テクノドライブ」などを手掛けたデザイナーだとわかりました。

2019-11-20 10:50:01
よしざわひでお @yoshi_clonoa

わたしは「技脳体」や「テクノドライブ」のデザインはセンスがいいなと思っていたので、それはいい! と思いました。 しかも今回のSFの設定にはぴったりだとも思いました。

2019-11-20 10:50:41
よしざわひでお @yoshi_clonoa

指田くんがプロジェクトに配属された日に、すぐに席まで行って、「技脳体」や「テクノドライブ」のデザインは秀逸だと伝えた覚えがあります。 その時、なぜか成田エクスプレスの配色は絶品だということで意気投合したのを鮮明に覚えているんですが…。

2019-11-20 10:51:20
よしざわひでお @yoshi_clonoa

この後、指田くんとは「ミスタードリラー」のプロジェクトで長い付き合いになりました。 つづく

2019-11-20 10:51:59
よしざわひでお @yoshi_clonoa

開発も大詰めを向かえ、後は難易度の微調整とバグ取りだけになりました。 pic.twitter.com/rQ5g07NDoj

2019-11-23 10:03:36
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よしざわひでお @yoshi_clonoa

そこで最初から通してプレイしながら、全体のバランスを見ていき、気になる所を書き出してはスタッフと話をしていました。

2019-11-23 10:04:17
よしざわひでお @yoshi_clonoa

特にストーリーの山場とゲームの山場がずれている所はできるだけ修正してもらったつもりです。例えば難易度の高いミッションの後がそっけないムービーだったり、アッと驚くムービーの前のゲームが待ってるだけだったり、やさしすぎたりといった事です。

2019-11-23 10:05:10
よしざわひでお @yoshi_clonoa

一番大切なのはプレイヤーの高揚感というか、気持ちの波をゲームとムービーで連続させるという事です。これができてないゲームはいっぱいありますが、ぴったりハマると映画以上の高揚感を与える事ができます。

2019-11-23 10:05:42
よしざわひでお @yoshi_clonoa

そして最後のボス戦に突入しました。 電脳空間(エレクトロスフィア)でのディジョンとの対決です

2019-11-23 10:06:09
よしざわひでお @yoshi_clonoa

しかしボスは非常に飛行速度が速く、全然倒せない、というより絡めない。それでも頑張って1時間ぐらい奮闘しましたが、ほとんど敵にダメージを与えられないんです。 このままではまずいな、と思いました。 つづく

2019-11-23 10:07:38
よしざわひでお @yoshi_clonoa

最終ボスの調整が、このままではまずいな、と思ったのでした。 pic.twitter.com/TfNqaKfDOL

2019-11-27 09:52:15
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よしざわひでお @yoshi_clonoa

ボスは非常に飛行速度が速く、全然倒せない、というより絡めない。それでも頑張って1時間ぐらい奮闘しましたが、ほとんど敵にダメージを与えられないんです。

2019-11-27 09:52:59
よしざわひでお @yoshi_clonoa

その上絡めないからこちらもダメージを受けず、延々続く作業にうんざりしてしまいました。このままではじきに嫌気がさしてゲームをやめてしまう。そうしたら今まで楽しかった思い出までもが台無しです。

2019-11-27 09:54:43
よしざわひでお @yoshi_clonoa

そこでこのボスの調整担当者の所に駆けつけて 「これ、どうやって倒すの?」 と聞くと、追いかけていたらだめで、待ってて後ろについてきたら上方旋回して攻撃を繰り返す(とかだった気がするけど記憶はあやふや)んです、と言うのです。

2019-11-27 09:55:14
よしざわひでお @yoshi_clonoa

そんな攻略法、今まで一度もやらされた事もないのに最後の最後で思いつくわけがない!!最終ボスは今までの訓練の賜物で倒せなくては! ここで諦められてしまったら、このゲームはプレイしなかったも同然です。

2019-11-27 09:55:46
よしざわひでお @yoshi_clonoa

いろいろ話し合った結果、いい感じに落ち着きました。 どうなったかは忘れてしまったので、プレイしてみてください。

2019-11-27 09:56:07
よしざわひでお @yoshi_clonoa

ずっと後に担当者の回想を聞く機会がありました。 それによると「最終ステージは電脳空間ってことで背景に何にも無いステージで、毎日いじっているうちに物足りなくなってしまい、思わずやってしまったような気がします。」

2019-11-27 09:56:38
よしざわひでお @yoshi_clonoa

「担当ミッションの全体の中での位置づけが自分の中で無くなってしまっていたのでしょうね。ミッション数、確か全部で50ぐらいでしたっけ、今から思うとすごい数ですね。」 とのことでした。 プロジェクトはみな若いスタッフだったので、ひとつひとつが成長の証になっていたと思います。 つづく

2019-11-27 09:57:42
よしざわひでお @yoshi_clonoa

エースコンバット3のスタッフは、若いスタッフが多く、作品に込める情熱も熱いものがありました。 pic.twitter.com/JJBSl2vBGS

2019-11-30 11:26:43
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よしざわひでお @yoshi_clonoa

グラフィックスタッフから、イメージイラストや設定資料などを納めた付属ディスクが創りたい! という要望が出てきたのです。

2019-11-30 11:27:19
よしざわひでお @yoshi_clonoa

結果的にプレイステーション1でのエースコンバットシリーズは今作が最後となりましたが、グラフィック的にはハードの限界までそのスペックを使い切っていて、スタッフの意気は最高潮に上がっていました。

2019-11-30 11:27:45
よしざわひでお @yoshi_clonoa

こういうスタッフの暴走は、時として大きな波を呼び起こすこともあります。 だからできるだけ彼らのやりたいようにやらせてやりたいと思いました。

2019-11-30 11:28:14