エルフの女奴隷を代々受け継ぐ家系の話( #えるどれ )~6世代目・その1~

やあ…また…なんだ。 エルフの女奴隷を受け継ぐ家系なのに男と男?があれそれしているが気にしないでね! ハッシュタグは「#えるどれ」。適宜トールキンネタトークにでもどうぞ。
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帽子男 @alkali_acid

「あなたは私と話している間にも、この国の言葉がどんどんうまくなっている」 「食いもんのことぜんぶ知りてえ。オラ、何をどんだけ殺して食ってるかぜんぶ知りてえ。味とか体に入ってからのはたらきだとか…、言葉で解ることも皆知りてえ」

2019-11-24 21:48:11
帽子男 @alkali_acid

「そうですか…あなたは…オズロウよりもさらに天稟に恵まれているようです。しかも料理に関心がある…ところで武術を学びたいとは思いませんか?」 「食えるもんだか?」 「いえ。ですが、武術を学べば、あなたは天下無敵の達人になり、いかなる相手も倒すでしょう。暑き香料の地の大王さえも」

2019-11-24 21:50:49
帽子男 @alkali_acid

「食えねえだか…んならいらねえだ…」 「残念です。オズロウも戦いには関心が薄かった…いえ、心の奥で戦いを避けようとしていたのですね…時に強くなることは…誰かを傷つけることにもなると…あなた方のような気性のものに、武術を与えるのはかえって苦しみをもたらすかもしれない」

2019-11-24 21:53:37
帽子男 @alkali_acid

オボロは瞼を閉じる。 「果たしてオズロウにも…ヴクにも…武術を与えたことは…過ちではなかったか…あの子達が本当は傷つけたくないものを傷つける結果になったのでは…とにかく、ダウバ。私はあなたを弟子にしたい。武術ではなく料理の」

2019-11-24 21:55:18
帽子男 @alkali_acid

ダウバは席を立ち、跪いた。大柄とはいえ少年にはふさわしからぬ、西方の騎士を思わせる身ごなしだった。 「オラ、なりてえだ。こんなうめえもん作れるなら、命の奪いがいもあるだ!」 「…よろしい。では今日からダウバ。あなたは我が一門。私のことは第二の親と思いなさい」

2019-11-24 21:57:37
帽子男 @alkali_acid

「んだ!オボロさはおっかあと思うだ」 「何と?」 「おっかあ…おかあさま…だ?」 「…っ………っ」 ぷふっと絹衣の麗人は鼻から血を噴いて後ろ向きにのけぞり倒れた。あわてて男児が飛び出して支える。

2019-11-24 21:59:11
帽子男 @alkali_acid

「ひゅー…ひゅー…不覚…この…オボロ…もはや…ここまで」 かくして天子の国最強の料り手は、次の味比べを待たずして弟子の手にかかった。 合掌。

2019-11-24 22:00:45
帽子男 @alkali_acid

いや死んでない。 死んでないけどね。

2019-11-24 22:01:06
帽子男 @alkali_acid

さて寝所に運ばれた茶館の主の枕元に、煌めく砂粒がよりあわさった人型があらわれ、尋ねる。 「オボロよ。師弟の契りをした相手とほかの交わりは持たぬ。それが天子の国の考えではなかったか」 「いかにも…」 「あの…美童とは思えぬ怪童を悪しからず思っていたのなら、なぜ弟子にとった」

2019-11-24 22:03:50
帽子男 @alkali_acid

「このオボロ…美童を愛でることにかけて天下第一と自負しています…しかし…ひときわ秀でた美童を見ると…つい…育てたくなるのです…達人に…」 「難儀な性(さが)よ」 「あなたとて、王の香料商を天下に名だたる船乗りに育てたではありませんか」 「人間はもっとゆっくり大きくなると思っていた」

2019-11-24 22:07:20
帽子男 @alkali_acid

「ああ…そうであったら…まことに儚い…」 「儚い。あげくに大きくなった後は胸毛、口髭、おぞましい」 「例えむだな毛がなくとも…やはり育った美童はもう…美童ではないのです…あの天子ですら…竜頭将ですら…」

2019-11-24 22:10:23
帽子男 @alkali_acid

溜息をつく荼師に、砂の渦もまた慨嘆する。 「時とはまことに惨い。我等の精霊のうち、力あるものは空(くう)を意のままにする魔法を振るうが、いつか時(じ)をも自在にする魔法が生み出されるだろうか」 「ああ…時…美童の時を止めてしまえたら…しかしやはり…育てたい…おお…」

2019-11-24 22:12:21
帽子男 @alkali_acid

何たる苦悩か。 オボロ。業深き女。 苦しみを背負い生きる達人よ。 まだ性の境(あわい)の明らかならぬ年頃の少年を何よりも好みながら、しかして一角のものへと鍛えずにはいられぬとは。 かほどに矛盾した心があろうか。 どちらが真(まこと)で、どちらが偽(いつわり)か。

2019-11-24 22:16:00
帽子男 @alkali_acid

いや、人間とは所詮そういうものではないのか。 己の内に互いに相反する想いを抱え、相剋に苦しみ、時には二つにも三つにも引き裂かれながら、迷い進み、取り返しのつかぬ過ちを犯し、しかしなお生きる。 「ああ…でも味見ぐらいなら…」

2019-11-24 22:17:34
帽子男 @alkali_acid

いやいやいやいや。 そこはきちっとして下さいよ。

2019-11-24 22:18:25
帽子男 @alkali_acid

あれ。 ウハウハドスケベご都合ファンタジー。 ドスケベ。そういうやつはどこかって。 いや、オボロの中には色々よからぬ空想が駆け巡っているのですが、幸い天子の国には内心を罰する律令はないので。

2019-11-24 22:19:52
帽子男 @alkali_acid

◆◆◆◆ 絹の褥の上で、しなやかな肢体がくねり跳ねる。滅多に日にあたらぬためか抜けるように白く滑らかな肌にはうっすらと翡翠の色をした鱗が散っている。 「ぁっ…ぁっ…♥」 黒髪を振り乱した奥方は、言葉にならぬかすれた嬌声を上げ、両手の指を絡ませ握り合った夫君の上で腰を振る。

2019-11-24 22:24:28
帽子男 @alkali_acid

なだらかな肩、細くくびれた胴や、たっぷりと肉置きのよい腰、うっすらと丸みを帯びただけの胸はさておくとしても、臈たけた婦人のようだが、しかし股間には、根元に絲帯(りぼん)を結んだ可憐な雛茎のような陽根が懸命に固くなっている。

2019-11-24 22:28:43
帽子男 @alkali_acid

切長の双眸は睫に随喜の涙を溜め、紅を引いた訳でもないのに艶やかな唇は半ば開き、小さな赤い舌を突き出し唾液の雫をこぼす。 もうどれだけの間伴侶にまたがったままなのか。耐え難いほどの快楽(けらく)に打ち震え、びっしょりと汗をかいては柔肌と硬鱗をともどもに蝋燭の火に照り映えさせている。

2019-11-24 22:32:55
帽子男 @alkali_acid

「ツルギ。あまり乱れては腹の赤子に障るぞ」 「んっ…オオタテの子だ…こたびも丈夫に…生まれ…る…っ」

2019-11-24 22:35:02
帽子男 @alkali_acid

蛇の如く竜の如くうねる奥方の下にある夫君は、ずっと長身だ。といってもやはり玲瓏の面差しからは性の別は定かならず、どこか定命のものならざる気配すらある。もっとも連れ合いの腸(はらわた)を深々と貫く肉杭だけは雄そのものといった太さ大きさだが。

2019-11-24 22:39:39
帽子男 @alkali_acid

竜人と天人とでも形容すべき夫婦は、昼も夜もなきような交合を延々と続けてから、やっとつながりを解く。 「…オオタテ…」 「どうした」 「お腹が…空いた…もしまだ…」 「お前のためなら朕の徳に限りはない」 「っ…そうか…」

2019-11-24 22:44:43
帽子男 @alkali_acid

奥方はこぽこぽと注がれた精をこぼしつつ、夫君の脚の間に頭をうずめ、やや柔らかくなった秘具に頬ずりをして匂いを嗅いでから愛しげにほおばり、喉奥まで呑み込む。そうして粘膜まで使って奉仕しながら、竜の飢えを満たす命の滾りを胃の腑に受ける。

2019-11-24 22:46:53
帽子男 @alkali_acid

「口に合うか?ツルギ」 「…ぷはっ…んっ…ああ…」 「たまには普通の食べものも口にした方がよい」 「近頃は…オオタテの注いでくれるものでしか満たせない…」 「竜の飢えとは…難儀だものだな」

2019-11-24 22:52:10
帽子男 @alkali_acid

「少しも…オオタテといれば糧には欠かない」 呟いてから、つい小さくげっぷをし、真赤になって恥じらう奥方を、夫君は穏やかに見つめてから、抱いて沐浴の間に運び、翡翠の鱗と白玉の膚を洗い清め、後孔に入った欲望の残滓もそっと掻き出してやる。 「ぁっ…」 「痛むか?」 「いや…もったいな…」

2019-11-24 23:03:10
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