エルフの女奴隷を代々受け継ぐ家系の話（ #えるどれ ）～7世代目・その2～

帽子男 @alkali_acid

先祖の石に触れ、身に伝わる古き骨を目覚めさせたブゲは、しかしいささか古式とは違うやりかたで恋愛を学んでゆく。 「喜んでもらったらどうすればいい？」 「うめえもんいっぺこと食わすだ」 「そうかあ！そのあとは？」 「もっともっとうめえもん食わすだ」

帽子男 @alkali_acid

いいのか少年。いくら尊敬しているからといって黒の料り手についていって本当に火の巨人の国なんてできるのか。

帽子男 @alkali_acid

「ブゲは会うたびに芋や魚で作った弁当をくれるのだが…やつがればどうすればよいのだ」 「ほかに何もしてこないのか？」 「いや…果実の香りをつけた飲み物もくれる」 「おいおい。先は長そうだな」 「先などと…やつがれはまことは火の巨人を調べに来ただけだ」 「調べればいいだろ。隅々まで」

帽子男 @alkali_acid

白巨人と黒小人はそんなおしゃべり。 当分何ともなりそうもない。いやなりそうか。

帽子男 @alkali_acid

さて巨人と巨鬼と小人の話はここまで。 南へ向かった我等が七代目キージャはどうしているかというと。 「どうじゃ！じょうずにかけた！」 「見事です。飛魚の鰓羽の長さや内側のかたちまで鏡で映したようです」 きれいでおっとりしたおばさん先生とまったり絵の個人授業中。

帽子男 @alkali_acid

「ながさは数であらわせる。数であらわせば比がだせる！比がわかればつりあいをとってかける！」 「おや、ディヴァさんに教わっている計数は役に立ちますね」 「ふふん。こなたがえらいのじゃ。ディヴァではないぞ」

帽子男 @alkali_acid

「嬢ちゃん方。そろそろ入港や！お望みの安息の国へ着いたで」 太めに髭の美中年いや美老年が元気よく呼びかける。 「ウチとキージャは双蛇の女王様に挨拶せなあかん。ウツシガミの嬢ちゃんはどこ行きよるん？」 「わたくしもお城へ参ります」

帽子男 @alkali_acid

絵描きの婦人は豪商の問いにのんびり答える。 「船に乗せていただいたのも、双蛇の女王様とお会いするためですから」

帽子男 @alkali_acid

さて、「キージャの世界着だおれ縫いだおれ」シリーズ、 次回は「ハナどいて。そいつ、私が仕留めるよ」 乞うご期待！