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そもそも映画の「殺陣」ってどこをどうやって観れば良いの?

ただの映画好きが呟いてみました。 格闘映画や剣戟映画を観るときに参考にしてもらえば幸いです。
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惣流・ドルフ・ラングレン弐号機 @YZNlfuMP8Vbaaoj
そもそも映画の「#殺陣」ってどこをどうやって観れば良いの? 【戦闘映画の歴史の変遷から解説する3つのポイント】 殺陣の良し悪しというものは馴れない視点だとなかなか見分けにくい。 しかし大まかな3つの観点を意識してみれば多少は役立つ見方になると思う。
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まずその大まかなポイントはこの3つ 1:役者の動作(モーションからなる妙技) 2:動作設計(殺陣または技斗) 3:編集技法 この観点から分け、映画史のウンチクも交えて説明していきたい。
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まずは初めに役者の動作をどう観るかだが、これに於いては技の速い遅いの特徴は敢えて置いておく。 ここで伝えたいのは映画の中で如何に映える動きをするか、又は如何にリアルな動きをするかの二点のパターンに絞りたい。
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大雑把に格闘映画俳優で例えると前者はジャン=クロード・ヴァン・ダム、後者はスティーヴン・セガールといった感じだ。 ヴァン・ダムは空手系統の出身だが手技がイマイチ下手だ。だがバレエ仕込みの軽やかで派手な足技、回し蹴り等はヴァン・ダムにしか出せないクセと味がある。見映えタイプの役者だ。 pic.twitter.com/q9S46qHY9z
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そしてスティーヴン・セガールの特徴だが、股関節の都合で足があまり上がらず派手な技は苦手だ。しかし合気道七段という経歴の元から繰り出される「片手持ち二ヶ条抑え」というこの技にはリアリティ表現の特色がよく表れている。 pic.twitter.com/ffFjOHsnZY
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あくまで分かりやすさを強調する為に二者の特徴を捉えた例えだが、そもそも映画史に於いて役者がその自身の戦闘モーションを意識して魅せ始めたのはいつの時代からだったのかをおさらいしていきたい。 殺陣という表現に於いて、見映えとリアリズムの差別化は早い段階から存在していた。
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戦闘を見せ場にした映画というのはダグラス・フェアバンクスの剣戟映画などサイレント期にもある。 だが自らの動きと見映えを意識して魅せ、ソレを如何に体系化していったかの起源はフェアバンクス時代よりも後、カンフー映画よりも以前だ。 そのルーツこそ我が国日本が誇った時代劇映画である。 pic.twitter.com/mQ3MUnQvcS
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戦前からの剣戟スターで七剣聖と謳われた役者が7人いる。どれも特徴的な殺陣のスタイルを持つ人達だが中でも対極、見映えとリアリズムの位置に居たのが市川右太衛門と月形龍之介だ。 pic.twitter.com/wgFDgM6uUD
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舞踊を学んだ経歴からなる右太衛門の殺陣は実に華麗でかつ派手だ。 剣術を嗜んだ事は無いが独自の工夫を加え、その剣戟描写をより迫力あるものにした。 この舞踊式チャンバラは東映時代劇を象徴する定番スタイルとなり、当時に於いての他の中堅役者や松平健などの役者の時代にまで影響を与えた。 pic.twitter.com/VofHoJMfzl
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そして月形龍之介は右太衛門とは反対に舞踊の経験は無い。 剣道三段の経歴とその立ち姿と剣の握りには卓越したリアリスト志向のスタイルがある。 構えと刀捌きは一見地味に見えるが七経聖の中でも最も現実主義かつ本格的なスキルを持つ役者だ。 pic.twitter.com/i9OQcPYQAT
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時代劇で剣劇役者が魅せる殺陣はあくまで大まかにだがこの2パターンに注視してもらいたい。 舞踊式チャンバラはその太刀筋の軌道が如何に華麗で様になるかが特色だ そして主にリズミカルでもある。 リアル志向の剣戟はある種の武術的観点が無いと分かりにくいが、とにかくその迫ある姿を観てほしい。
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この時代劇に於ける見映えとリアリズムの系譜と分岐は黒澤明による三船敏郎の映画まで下る事になるがソレは別に動作設計の項目で語ろう。 話の舞台を中国に移すと、1940年代頃から既にカンフー映画が登場していた。 49年からひたすら黄飛鴻を70本以上演じてきたクワン・タッヒンの映画が元祖だ。 pic.twitter.com/k78uYXDwSX
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武術に精通したタッヒンだがその技斗の構成は型を再現した練習風景といった感じで、まだ見映えという動きを意識した物では無かった。 因みに『#燃えよドラゴン』の悪役ハンでお馴染みシー・キエンも古くから出ており身体能力自体は高いと思わせる動きを見せる。 pic.twitter.com/n0J1Gnt1o5
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そして武挟物の映画興行が盛んだった香港で1971年『#ドラゴン危機一発』が公開される。 そう、ブルース・リーの登場である。 pic.twitter.com/Hd774uQJL0
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タッヒンの時代から1970年までのカンフー映画での役者の動きはあくまで動作の手順を演じるだけの物だった。 だがリーが初の主演作で見せたその動きと動作設計は実に画期的だった。 打点の高い蹴り技で速さによるキレを魅せてくる技術は今では珍しくも無いがコレ以前の映画史を顧みれば実に衝撃的だ。 pic.twitter.com/UVlrkQKWkG
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足技に関しては見栄えの良いテコンドーを採用しており上体からの手技は詠春拳やカリに加え様々な武術を参考にして創始したジークンドーを取り入れるなどした ブルース・リーは早い時点で見映えとリアリズムを併せ持った存在だ そしてこの時点で世界規模に於いて「凄い動きとは何か?」の観念が生まれる pic.twitter.com/BiPs3aynIO
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時代劇に遡れば三船敏郎や勝新太郎の座頭市、若山富三郎など独自のスキルを持って凄い動きをする剣劇俳優が既にいた。 だが己の動きを如何に良く魅せるかを意識して研究し、武術面でも体系化していったのはブルース・リーが最初だ。 ドラゴン危機一発公開以降カンフー映画の様式はガラリと変化する。
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その後も様々に優れた後生が現れる。 京劇出自らしいリズミカルなテンポある殺陣を重要視したジャッキー・チェン、演舞選手のスキルを活かしより派手な見映えある体技を魅せたジェット・リー等の後継達は皆ブルース・リーが植えた種による成果だ。 pic.twitter.com/WjmWH0I9nB
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だがこういった超人達だけが魅せる殺陣「だけ」が「良い動き」という訳でもない。 リアリズムと見映えある動きの共存とは実に難しいものだ。 よく言われる例が本物の格闘家を映画に出して格闘シーンをやらせても大抵は見映えが悪いという物である。
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スパルタンXに出演した格闘家ベニー・ユキーデ等の例外は多々あるがソレは大抵映像ノウハウを心得た振り付け師の主導の元による成果である。 分かりやすく動きの速さを伝える為に連続的に動作を取り入れ最後にキメ技を魅せる工夫は、作り手による成果という例。↓ pic.twitter.com/yK6nxsquot
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基本ユキーデの動きは緩急を効かせたジャッキーの動きと比べると速すぎる傾向にある。映画に於いての殺陣は速さが大事だが全てではない。 如何に観てる人に情報として伝えられるかだ。 実際サモハンが振り付けした以外でのユキーデの映画の動きは精彩に欠ける、言わば見映えが不足した印象になっている
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動きの見映えを意識しなかった故に失敗してしまった最たる例が『アルティメット・フォース』という総合格闘技では最強と言われたミルコ・クロコップ主演の格闘映画だ。 ミルコのルックス自体が映画栄えしないというのもあるが、その最大の欠点は技のモーションの地味さに尽きる。 pic.twitter.com/CdVVjBKbnL
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効率的かつ素早い動きは一見すると正にプロの凄技だが、主にソレだけだ 打点の高い蹴りも見映えを意識しなければ只速いだけになる 月形龍之介はリアル志向と書いたが月形は、殺陣の中に実戦的リアリズムという名の想像力を促す立ち振舞いを魅せてくれた だが試合動作なミルコの動きは只現実的なだけだ
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リアリズムモーションに拘った俳優のドニー・イェンが語った言葉だが 「リアリティある動きを魅せる為には姿勢を多少崩せば良いという事に気付いた」 コレはドニーがジャッキー主演の『ヤングマスター』で悪役を演じたウォン・インシクの完璧な姿勢の良さからなる蹴りを観て閃いた事らしい。 pic.twitter.com/QDneDkNXOR
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確かに体幹の安定さがハンパ無い状態でとても綺麗な蹴りを二度も無茶な態勢にも関わらず繰り出している。 コレはコレで大変素晴らしいが、リアリズム表現の観点から見るとちょっと違う方向性になるという事だろう。 こういった表現の違いを説明してきたがその拘りや差異は多岐に渡り一括りには出来ない
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コメント

語るおじさん(おじさん) @ojisan_think_so 2019年12月16日
サモハンとラムチェインの名前がない!?(昭和後期脳) 詳細な解説勉強になりました 個人的には殺陣というと刀さばきのイメージが強いので 若山勝兄弟の凄みとかヨロキンのダイナミックなヤツとか仕事人シリーズの光陰の使い分けとか時代劇中心のまとめも見てみたいなあなんて
tacosun @kagami4432 2019年12月16日
時代劇の殺陣なら福本清三さん主演の『太秦ライムライト』が案外参考になるんじゃない?(だいま アクションとかスタントならジャッキー映画(NG集込み)だがw
nekosencho @Neko_Sencho 2019年12月16日
現在の日本の殺陣といえば特撮ヒーローものだと思うんだが、そのあたりがどうなのか語ってほしい気がしないでもない
△青島玄武 (あおしま はるたつ)▽ @hyakuhachiken 2019年12月16日
いや、もう本で書いて! 出版して!(^_^;)
mikumiku_aloha @mikumiku_aloha 2019年12月16日
その映画のシーンとして馴染んでいるか?有効か?が大事なポイントではないかと思います。
1㍑⚖👑🍹 @a1iHZrj3b1ZXK3r 2019年12月17日
カッコよけりゃいいんだあ!
kisara @kisara50 2019年12月17日
東映スパイダーマンと夏目雅子の西遊記は子供のころ見て面白かったが殺陣的にはどうなんだろ
takatakattata @takatakattata1 2019年12月17日
テレビとかのフレーム補間が台無しにするんだよね そのコマ数に合ったブレを入れてるんだから 60なら60で撮った映像で見るなら別にいいんだけど 今後60とかそれ以上で撮った映画が出てきたらそれに合った技法も開発されるだろうし
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