『日本社会のしくみ』(小熊英二)本書の「しくみ」とは、現在の日本社会を規定している「慣習の束」を指し、主に雇用や学歴からみた日本近代の歴史社会学、およびドイツやアメリカとの比較社会史が展開される。新卒一括採用や資格昇進制度の起源が、明治の官庁や軍隊にある理由は興味深い。 pic.twitter.com/RFi9365kbV
2019-11-14 19:42:00「戦後から団塊の世代までは、右肩上がりで苦労なんかしていない」という雑な議論が時々見受けられますが、「正社員になり、定年まで勤め上げる」という生き方ができた男性は、1950年代生まれでも34%、3人に1人にすぎなかったわけですね。 pic.twitter.com/nqfp7mrXrs
2019-11-14 19:47:37「学生紛争みたいな左翼のバカ騒ぎに興じていた当時の大学生も、卒業したらみんな就職できたから羨ましい」という捉え方もやはり一面的で、彼らも高度経済成長期に急増した大学入学定員の煽りを受けて厳しい就活を余儀なくされ、「大卒者らしい仕事に就けない」鬱屈を抱えていたわけですね。 pic.twitter.com/n15aulcDNI
2019-11-14 19:59:23本書の最後に「社会の価値観をはかる、リトマス紙のような問い」として「スーパーの非正規雇用で働く勤続10年のシングルマザーが、昨日入ってきた高校生の女の子と自分がなぜほとんど同じ時給なのか、と相談してきたらどう答えるか」を挙げ、その答えが3パターン示されている。さて、あなたならどれ? pic.twitter.com/iPyNYaRD49
2019-11-14 23:35:28元マッキンゼーの方のtweetを揶揄する向きが少なくないですが、これは我が国で高等教育を受け専門知識や技能を持ったひとが、その専門能力を発揮できる機会が十分に与えられておらず、日本が「低学歴化」している事実を暗に裏付けていて笑っている場合じゃないかと。 pic.twitter.com/vlzWrVof8H
2019-12-27 02:13:18「主税局で、相続法改正を担当した官僚は、赴任わずか5日間でこの領域をマスターし、学者・専門家が集まる政府税調の審議をこなした」 日本の官僚の優秀さを示すエピソードとして引かれてますが、結局今の就活学生に人気のコンサルに求められる「地頭の良さ」ってこんなところじゃないでしょうか。
2019-12-27 02:22:45って話を、最近都内にタワマンを購入した、丸の内で疲弊している外資系コンサルの愚弟に嫌味たっぷりにぶつけてみたら、「そんなん言うたら医者も似たようなもんやろ、お気持ち仕事の割合が、僕らよりちょっと多いくらいで」と返り討ちに遭い、何も言い返せなくなりましたとさ(;ω;)
2019-12-27 02:30:49あなたならどう答えるか。 今より少しだけ日本を良くするために考えること『日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学』◆書評′19#22|大坪 誠|Makoto Otsubo @mkt66gsn #note note.mu/mkt66gs/n/n6ed…
2019-11-23 20:26:49こっちにも書いた。 書評『日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学』 mono-assemblage.com/book-review/bo…
2019-11-24 18:21:54会社法など勉強すると一般企業の従業員のことを「社員」と呼ぶことについて不思議に思うのであるが,これは明治時代,国家に対し業務上損害賠償責任を負っていた官吏が担保として身元保証金を納付していたことに起源をもつ。 この慣行が官庁→官営企業→民間企業へと広まった。
2019-11-24 15:24:43また黎明期の株式会社では雇われの経営者に一定数の株式を保有させることを定款で義務付けた企業が多く,この出資が身元保証金と同一視されるようになり,従業員のことを「社員」と呼ぶことに繋がったようだ。 以上,小熊英二著「日本社会のしくみ」(講談社現代新書)からのトリビアでした。
2019-11-24 15:26:42『日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学』の小熊先生に伺った記事です。 【情報労連リポート】2019.11月号 特集「小熊 英二 - 日本型雇用の成り立ちと限界を知る 改革のために何が必要か」 ictj-report.joho.or.jp/1911/sp01.html
2019-11-26 21:44:18新しい要約を公開しました。 日本社会のしくみ 小熊英二 講談社 @KDigibooks flierinc.com/summary/2087 #本の要約サイトflier #flier #小熊英二
2019-12-02 07:00:02「建造物とは、それを利用する人々の意識を、目に見える形に著したものだ。明治初期の建造物に個室が存在しなかったとしても、各職員の職務が明確化され、各自に個室が必要だという意識が形成されれば、個室がある建物は作られただろう。」『日本社会のしくみ』より
2019-12-09 22:09:13「現在でも「課」や「室」を単位にした大部屋の建物が使われているのは、「課」や「室」までしか所掌事務を定める必要がないという意識の反映にほかならない。」『日本社会のしくみ』より
2019-12-09 22:11:14小熊英二『日本の社会のしくみ』読了。日本企業独特の慣習について、明治期の官僚採用制度に原点を見出だし、他国との比較も交えて成立プロセスを追った一冊。今ではマイナスに捉えられる終身雇用も年功序列も新卒一括採用も定期人事異動も、歴史的過程で経営者と労働者の合意に基づいた産物だった。
2019-12-19 21:12:18個人的に、新卒採用で重視されていたのが『どんな職務に配置されても適応できる潜在能力』というのと、『学校の機能は(略)企業内訓練に応えられる潜在能力を持つ者を選抜するとこに特化』というのは色々腑に落ちる指摘。そんなものは指数化できないし、だからこその「コミュ力」が必要とされる。
2019-12-19 21:51:29小熊英二『日本社会のしくみ』を読んでいるが、これ近代史勉強してないと、ころっとだまされてしまう気がするな。 実証なしに印象論で関係性や影響を言及してしまう危うさ。丁寧に注をつけてくれているので2次文献を読んだ上で判断しないとなあ。
2019-12-08 16:25:38例えば301-302頁で「考課」という用語を民間会社が使い出したのは陸海軍の「考課表」に影響を受けていると示唆している。注において留保はつけてはいるが、明治人の教養であれば「考課」は陸海軍用語ではなく普通名詞であっただろうに。 「起源」かどうかを論じるのが主体の章で、これは雑。
2019-12-08 16:29:43