なぜ未来は"原子力"じゃないのか? by小出裕章先生@5/23参議院行政監視委員会
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小「まず私自身が原子力に夢を抱いて、原子核工学科というところに入った人間です。原子力が無尽蔵にある未来のエネルギー源だと思ったから。ただし、入って調べたら、原子力は大変貧弱な資源だと気がついた。これからスライドに再生不能エネルギー資源を書いていく。」
2011-06-07 23:38:25小「いま一番多いエネルギー資源は石炭。今書いたのは究極埋蔵量。実際に経済的に掘れると分かっているのは確認埋蔵量。ではこの量がどのくらいを意味するか。右上に書いた四角は、世界が一年ごとに使っているエネルギーの総量。ということは現在の確認埋蔵量だけを使っても、60年70年分はある。」
2011-06-07 23:38:48小「究極埋蔵量がすべて使えれば800年近くあることが分かっている、これほど石炭はたくさんある。その次に天然ガスも、石炭もある。オイルシェール、タールサンドといった、現在はあまり使っていない資源もある。」
2011-06-07 23:39:01小「原子力の資源であるウランは、石油に比べれば数分の1石炭に比べれば数10分の1。大変貧弱な資源。しかし、原子力を進めて来たの方は、"核分裂性のウランだけで、原子力で使うのは、私たちが言っているのは、プルトニウムだ"というのです。」
2011-06-07 23:40:18小「非核分裂性のウランをプルトニウムに変換して使うからエネルギーとして意味がある。どういうことか。まずウランを掘ってくるのはどんな意味でも必要。それを濃縮、加工して原子力発電所で燃やす。しかしこれをいくらやっても今聞いていただいたように原子力はエネルギー資源にはならない。」
2011-06-07 23:40:34小「そこで原子力をやっている人は、ウランを掘ってきてプルトニウムにして、高速増殖炉を作って、プルトニウムを増やして発電する。それを再処理しながら、核燃料サイクルで回し、エネルギー源にする。最後は、高レベル放射性廃棄物というやっかいな形になるから、いつか処分しなければならない。」
2011-06-07 23:42:26小「ただ、プルトニウムはどこにもないので、現在の原子力発電所から出てくるプルトニウムを燃料にして、核燃料にして引き渡すという計画です。しかし、高速増殖炉は実はできないのです。日本の高速増殖炉がどのように計画して破綻していったかを今からこの図に示す。」
2011-06-07 23:42:42小「横軸は、1960から2010の西暦。原子力開発利用長期計画ができた年度、 縦軸は1980から2060まで、それぞれの計画で高速増殖炉がいつ利用できるかという見通しの年度を書きます。」
2011-06-07 23:43:03小「一番最初に高速増殖炉について触れられたのは、第3回の長期計画、1968年。1980年代前半に高速増殖炉は実用化するとあります。 しかしそれが難しいとなり、次の長期計画で、1990年前後にならないと実用化できない。」
2011-06-07 23:44:16小「その5年後の改訂、2000年前後で実用化すると書き換えた。これもできない。次の改訂、2010年に実用化する。これもできなかった。 次は、2020年代に、もう実用化ではない、技術体系を確立したいと書いた。、これもできない。次は、2030年に技術体系を確立したいとなった。」
2011-06-07 23:44:57小「次の長期計画では、2000年に長期計画を改訂したが、ついに年度を示すこともできなくなった。仕方ないのでグラフにバッテンを付けた。 さらに5年後に改訂があり、今後は原子力政策大綱という名前になったが、2050年に1期目の高速増殖炉を作りたいという計画になってきた。」
2011-06-07 23:45:45小「みなさん、この図をどのようにご覧になるか?私はここに一本の線を引きました。どんどんどんどん目標が逃げていく。 横軸も縦軸もひとます10年。10年経つと目標が20年先に逃げるのです。 永遠にこんなものには辿りつけない、ということを分からなければいけないと思う。」
2011-06-07 23:46:16小「ところが、こういう長期計画をつくってきた原子力委員会、それを支えてきた行政は、一切責任を取らないのです。もんじゅという高速増殖炉の原型にすでに日本は1兆円以上を捨ててしまいました。」
2011-06-07 23:46:39小「原子力委員会、原子力安全委員会、通産省、経産省、もんじゅに責任のある人が何人いるのか知りません。仮に100人いても、1人100年実刑になるだけの罪ですが、まだ誰も実刑になっていない。原子力の世界というのは非常に異常な世界だと思う。」
2011-06-07 23:48:04