- ontheroadx
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高校に入った時、文芸部に入ろうと思ったら存在してなかった。かつては存在していたらしいがお取りつぶしになったという。理由を聞いたら「部室で火炎瓶作ってた」というとても文学的な理由だった。
2020-02-08 00:58:02で、文芸愛好会からスタートしたよ。クラスの友人数名に声かけてさ。予算は初年度五千円。場所は放課後の空き教室。でも、屋上のペントハウスの余り机や椅子が転がってるスペースがたむろ場所だった。
2020-02-08 01:05:45顧問の先生が、中古の型落ちのワープロ「東芝ルポ」を手に入れてくれて、それで会誌作り始めた。ちなみにこのルポ、原稿が保存できないし文字も横並びにしか印字できないほぼタイプライター。それでも縦打ちした。一字打って改行という荒技で。
2020-02-08 01:09:37一字打って改行という荒技で強引に縦並びにした文章を紙からカッターで切ったものをノリで台紙にはっつけて、会誌作った。北大そばの7円コピーで印刷したものを家で製本してホチキスで止めた。
2020-02-08 01:12:16この「東芝ルボ」を使えたのもやっと第3号から。第1号と第2号は手書きだった。私は悪筆で、自分の字を読むのがとにかく苦痛だった。この辺の経験から、いずれワープロを自分でも手に入れなければと決心したっけ。
2020-02-08 01:18:12顧問の先生が高文連が文芸コンクールってのを始めるみたいだぞと教えてくれて、会誌に載せた小説をリライトして送ってみた。ある朝、教室にいたら顧問の先生が駆け込んできた。「おい、大変なことになったぞ」 受賞したらしい。焦る。
2020-02-08 01:21:01これが高文連の第1回文芸コンクールである。小説部門の最優秀賞と文部大臣奨励賞なるものを頂く。後に少年サンデーの原作大賞をもらうのも第1回だった。どうやら私は第1回に強いらしい。
2020-02-08 01:25:24今はもう遠くなった時代だけど、時々思い返す。屋上のペントハウスに転がる余り机や椅子に座って屋上を叩く雨の音を聞きながら非生産的でとりとめもない馬鹿話をして、そして四百字詰め原稿用紙に必死になんか刻み込もうと足掻いていたあの日々。かけがえのないものだったよ。
2020-02-08 01:32:50