【R-18】定期購入型魔理霖
- haccccchi18
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そんなサツバツとしたもんじゃなくて、お互いメリットのあるWin-Winなセフレ……みたいな。 お互いのこと嫌いじゃないけど、かといってひとりの時間はほしいから所帯は持ちたくないし、でもこんなことをしてもいいかなって思うのはお互い相手しかいないし、という感じで体を重ねる、という。
2020-02-24 08:19:30お互い求道者だから互いの人生に添い遂げるのは不可能で、でも体だけ繋ぎ合うことで交流を保ってる。愛情の行き場を処理してる。そんなかんじ。 むしろ定期購入するセフレという事務的な立場だからこそ、相手にのめり込まずにもいられる。
2020-02-24 08:22:48性欲処理というよりは、〈取り返しのつかない感情〉──恋とかいった類──に育つ前の、愛情の処理である。 という
2020-02-24 08:24:23霖之助「やあ魔理沙」 魔理沙「よ。しばらく」 霖「今日は何が入り用だい」 魔理「今日はお前の入り用の日だよ」 店内に入ってきて、腰掛ける霖之助のところまでずかずかと歩いてきて、膝の上に対面で座る。 魔理「定期購入の日だ」 薄く笑う魔理沙に、霖之助が眼鏡の位置を押し上げて直す。
2020-02-24 08:29:18霖「……もうそんな時期だっけ」 魔理「気が乗らないなら今月分は無しでもいいぜ。支払いは済んでるんだから、お好きなように」 霖「そう考えると損だなあ。払い戻しはしないんだろ?」 魔理「キャッシュバックは受け付けてないぜ。もうマホガニーの棚を買うのに使った」
2020-02-24 08:36:59霖「まあ、新調するのがいいだろうな。傷んで傾いていたし」 魔理「だろ。おかげでいいのが買えたよ。頑丈で、広くて助かる。たくさんの薬品が置ける」 霖「扱いにはくれぐれも注意するように……君は収納が雑なところがあるから。それと、何かいじったら手洗いうがいをしっかりとすること」
2020-02-24 08:40:38魔理「親かよ」 腕を霖之助の首に回したまま魔理沙が笑う。 魔理「……何かをいじったら?」 挑発するように笑い、魔理沙の手が捉えるので、霖之助が溜め息をつく。 霖「……君こそおやじか」 魔理「おやじは男のまたぐらを大抵は触らないんだよ。それぐらい、木石のリンも知ってると思うけど」
2020-02-24 08:46:05リン、と魔理沙が呼ぶのはこういうときだけだと霖之助は識っている。 プライベートの付き合いとサブスクリプションは分ける、ということらしい。
2020-02-24 08:51:37確かに、見知った少女の、女としての顔と声で、かぐわしく甘ったるい薫りのうちで香霖と呼ばれては、いつまでも耳に残るかもしれないし、自分の中の枯れた“男”も、変な条件反射を起こすかもしれない。 霖「……本当に木石だったらこんなこともしないんだけどな」
2020-02-24 08:52:42魔理「いいじゃないか、男ぶりを証明できて。お前は器量良しなんだから」 そう言って笑って霖之助の頬を叩く魔理沙。 霖之助「そう言われると女ぶりという感じなんだけど」 魔理「美形でいることに損はないよ。わたしだって熊みたいのよりは狐がいい。その顔立ちがいいんだよ」
2020-02-24 09:07:20霖「狐、……」 魔理「傷つくなって。狐が一番好きな動物なんだからさ」 頬を叩いていた手で、ぽんぽんと霖之助の肩を叩く。 霖「識っているよ。この前は咲夜の前で、狼が一番好きな動物だと云っていた」 魔理「おや。案外おしゃべり好きのメイドだな。口説き文句を口外するとは」
2020-02-24 09:11:39魔理沙が肩をすくめて笑う。 魔理「お前だけだよ、なんてセリフは、本当に相手だけのことを考えているやつからは出てこないんだ。だって、言葉通りの心なら引き合いに出す対象なんて、本来はいない筈なんだからな。大勢いる中でもお前だけだ、というのが、マスクされた修飾語として正しい」
2020-02-24 09:16:54突然始まる人を食ったいつもの長広舌に、くすくすと霖之助が笑う。 霖「君も充分、おしゃべり好きだ」 魔理「じゃ、今日は口を塞いでみるか? どうする」 霖「そうだな。喋っていてもいいけど。……付き合ってはもらおうかな」 魔理「よしきた」 閨への同意とは思えない口ぶりで、魔理沙が笑う。
2020-02-24 09:37:31魔理「……お前も言われてた記憶がある。雑な収納だって」 ふと呟く魔理沙に、霖之助が金の眼をしばたたかせる 霖「……何が?」 云いかけて、思い当たる。物事をなんでもはっきりと話し、説明が巧みな魔理沙が、敢えて主語を濁す人物ときたら、ひとりしかいない。もしくは、大目に見てふたりか
2020-02-24 09:43:35むろん、勘当された父親である。 そう霖之助が思い至ることをむろん魔理沙は知っていて、問いには答えず、黙って短く笑って頷いた。 魔理「……じゃ、試してみようか。“雑な収納”かどうか。な?」 ……リン。 そう言って、魔理沙は甘い薫りをさせながら、回した腕で霖之助の頭を抱きしめる……
2020-02-24 09:56:25