東方SS:01「僕のかぐや」

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lahalt@Illustrator🎨 @lahalt

【連続ツイッター東方小説】【タイトル:僕のかぐや】【著者:らはるとはると】【ハッシュタグ:#thbk】【概要:東方の二次創作の小説です。輝夜との甘くて爽やかな日常系ラブコメ。】

2011-06-10 13:27:49
lahalt@Illustrator🎨 @lahalt

#thbk「行かないで!」後ろから抱きつかれた。布の心地良い冷たさに包まれる。「嫌だよ。だって…」身をよじろうとすると否が応でも胸の膨らみに背があたる。柔らかい。「勝つまでやめだいろう?スマブラ」そう、僕はいつもの様にどうでもいい用件で永遠亭に呼び出され姫の相手をさせられている。

2011-06-10 13:27:55
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#thbk 「あんたってゲームしなさそうなのに強いわよね」かぐやは不思議そうに尋ねる。「いつも慧音のところのガキを相手にしてるからな」「強い人って好きよ?」「心にもない事を」僕はかぐやを振り切り縁側に出る。「慧音にちょっと頼まれててな。またな」「もこーのばか!」いつものことだ。

2011-06-10 13:28:05
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#thbk 「帰ったよ」「おお、おかえり」割烹着のまま慧音が出てきた。「で塩梅はどうだった?」「いや、やっぱりダメだった。うちは質屋じゃないとさ」『はぁ』揃って肩を落とす。そう、いま我が家は深刻に金がない。頼みの綱だった香霖堂もこのザマだ。どうしよう、その日は一晩中慧音と話した。

2011-06-10 13:28:17
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【連続ツイッター東方小説】【タイトル:僕のかぐや】【第二話】【ハッシュタグ:#thbk】【過去ログ:http://p.tl/UjtS】以降13:25まで自動で小説をつぶやきます。

2011-06-12 13:00:34
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#thbk 「仕事ぉ?」絡みつくようにかぐやは言う。「そんなに困っているの? 」「ああ…」「ふーん」黒髪をいじり考える素振り。嫌な予感しかしない。「あなた、私の執事をしなさい」「は?」「私の面倒をみるの」ぐいっ。顔が近い。「嫌…なの?」潤んだ瞳で上目遣い。僕は困ってしまった。

2011-06-13 03:15:17
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#thbk 「ちょっと胸がキツイかな」僕だって女だ。男物の執事服が合うはずが…ない。「似合ってるわよ」「嬉しくない」「めっ」人差し指でピシャリ。「お姫様、よ」「恥ずかしいよ…」「し・ご・と、よ」「…ひめさま」にこにこ。何か凄く嬉しそうだ。【挿絵:http://p.tl/9LEQ

2011-06-12 13:10:16
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#thbk その日はずっとかぐやのゲームの相手をさせられた。「つかれた…」家についてすぐ、大の字に寝転がった。「大丈夫か?」慧音が心配そうに覗き込んでくる。「変な事されなかったか?嫌だったら言うんだぞ?」優しく頭を撫でてくれる慧音。「がんばるから」そう呟くしか僕にはできなかった。

2011-06-12 13:15:28
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#thbk 「姫さま起きてください」「くかぁー」朝の永遠亭。私はかぐやを起こす重要な業務に当たっている。「姫さま朝ですよ」「もうちょっとだけぇ…むにゃむにゃ」寝起きが悪いとは聞いていたがここまでとは。「ちらっ」うどんげがふすまから同情の視線を送ってくる。お前も大変だったんだな。

2011-06-12 13:20:16
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#thbk 「むにゃ…うどんげのみみー」はむはむ。「み、耳はぁっらめぇ!?」突然かぐやに耳を甘噛みされ変な声を上げてしまう。「うみゅ…?もこー?」がばっ。起きるやいなや今度は突き飛ばされた。「な、なんでここに!」赤面した顔を枕で必死に隠すかぐや。こっちまで恥ずかしくなってきた。

2011-06-12 13:25:25
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【連続ツイッター東方小説】【タイトル:僕のかぐや】【第三話】【ハッシュタグ:#thbk】【過去ログ:p.tl/UjtS】

2011-06-17 00:37:18
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#thbk 「ごーごー」背中でかぐやが騒ぐ。かぐやの外出に付き合わされ、歩くのがイヤとか何だで、おんぶをしている。時より背中にあたる二つの柔らかい感触が罪だ。「あまり耳元で騒がないでくれないか」それとなく訴えてみた。「そうよねー。もこーは耳が弱いもんね。くすくす」僕は赤面した。

2011-06-17 00:37:22
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#thbk 「どう似合ってる?」町についた。かぐやは小物屋で髪飾りを物色してる。「僕はそういうわかんないから…」本当だ。慧音もそう言ったものに疎いし。ふと、紅玉のあしらった銀の髪飾りが目に付く。「これなんかどうだ」渡してみる。「綺麗ね。もこーの瞳みたい。これにするわ」即決だった。

2011-06-17 00:37:37
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#thbk 「いるかしら」博麗神社にきている。どうやら出払っているようだ。パンパン。かぐやが柄にもなくお参りをしている。きっと霊夢いたら感激しているだろう(主に賽銭的に)。それにしても何を願ったのだろうか。「さ、行きましょう」考える暇もなく、かぐやに手を引かれ僕らは神社を出た。

2011-06-17 00:39:34
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#thbk しとしと…。僕らは博麗神社の裏手の洞窟にきている。かぐやはここに用があるのだと言う。何かあるとは思えないけど。ぎゅっ…。かぐやが僕の腕にしがみついてくる。何か様子がおかしい。さっきから押し黙ったままだ。「なぁどうしたんだよ」「…」ただ強く握り返してくるだけだった。

2011-06-17 00:39:44
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#thbk 広い…とても広い地底湖についた。どこまでも澄んだ水底に引き込まれそうだ。「すごい…」思わず息を飲んだ。「ねぇ、もこう」かぐやは長い髪を翻してこっちを向く。薄く光る水面に白い肌がが照らされて、すごく幻想的だ。ひと呼吸おいて彼女は言った。「わたしと死んでくれない?」

2011-06-17 00:39:56
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【連続ツイッター東方小説】【タイトル:僕のかぐや】【第四話】【ハッシュタグ:#thbk】【過去ログ:http://t.co/W7D9GwX

2011-06-17 22:32:08
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#thbk 見慣れた我が家の天井。どうやら僕は寝てしまっていたようだ。「なんなんだって言うんだ…」未だに頭が混乱する。汗で服が張り付いている。気だるい身体を起こし若干ふらつきながら台所に向かった。水を飲み干すと、頭の痺れが引いてきた。昨日の事を沸々と思い出す。あの奇妙な体験を。

2011-06-17 22:32:17
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#thbk 静まり返る地底。かぐやは表情を変えず僕をみている。「僕は…」ぴしっ。言いかけた刹那、指で遮られる。「冗談よ」そうと言い放つと、かぐやは和やかに微笑んだ。「違うんだ…かぐや…」「さあ、帰りましょう」とりあってくれなかった。そのまま僕らは言葉のないまま帰路についた。

2011-06-17 22:32:26
lahalt@Illustrator🎨 @lahalt

#thbk 「そこは黄泉比良坂だな」慧音が言う。「黄泉に直接続く道だ。蓬莱人でも向こうに渡ってしまったら戻る事は困難だろう…」「もこう」一拍おいて真剣な顔付きで向き直る慧音。「あの女は執念深い悪女だと聞く。何を企んでいるかわからん。関わるのはもうやめろ」咎める様な視線で僕をみる。

2011-06-17 22:32:34
lahalt@Illustrator🎨 @lahalt

#thbk 「それでも僕はアイツを放っておけない」ガタッ「私よりもか?」憐れむように僕を見る慧音。「そうじゃない。慧音は僕に生きる意味を教えてくれた恩人だ。」紅潮する慧音。「だから命を安易に投げ捨てるアイツを放っておけない。わかってくれるか?」「…」慧音は何も言ってくれなかった。

2011-06-17 22:32:50
lahalt@Illustrator🎨 @lahalt

#thbk 朝露の永遠亭。竹林にぽっかり空いたこの空間は時の流れが違う気がする。トン、コロコロ。蹴玉が転がってきた。「もこういたの?入ればいいのに」トテトテと駆けてくるかぐや。僕はつい目を逸らした。「通っただけだから」「おもちあるわよ?」にこにこ。まったくこの笑顔には敵わない。

2011-06-17 22:32:58
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#thbk ピコピコピコ…。カキーン!「もう!もこー強すぎ!」「お前が弱すぎるんだよ。何でもまっすぐ突っ込みすぎ…」「んっ〜?」「姫様…」結局いつものように二人でゲームをしている。この間のことなどないように。「うさぎぱんち!」ぼふっ。いきなり縫いぐるみを投げてくる。「やったな!」

2011-06-17 22:33:06
lahalt@Illustrator🎨 @lahalt

#thbk 「入るわよ」澄んだ永琳の声。「こほん」二人は組んず解れつのあられのない姿になっていた。佇まいを直す。「今日から新しく家政婦が入るの。ほら、入りなさい」フリフリのメイドドレスに味を包んだその姿は、「け…いね?」若干涙目の見慣れた顔だった。

2011-06-17 22:33:14