親の「成績よかった」自慢は無用

優等生の親が子育てに失敗する事例がある。それはもしかしたら、「自分は成績がよかった」自慢が原因かもしれない。
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shinshinohara @ShinShinohara

親の「私は成績が良かった」自慢は、子どもの学習意欲の刺激には基本的に役に立たない、と考えている。子どもの立場としては「そうですか、ご立派ですね。不肖の子どもですみませんでしたね」と、ふてくされというか、ひねくれた気持ちになって終わることが多い。

2020-03-08 22:06:15
shinshinohara @ShinShinohara

農水省元事務次官だった熊谷氏に殺された息子は、もしかしたら東大出身の立派な親を持ってつらかったのではないかと想像する。殺害前、「あんたたちエリートは」と両親を罵ったという報道が事実だとすると、「お父さんは立派、あなたはその息子、恥ずかしくないよう努力しなさい」と育てられたのでは。

2020-03-08 22:11:33
shinshinohara @ShinShinohara

そんな成績優秀な親を持ち、ことごとに「あなたのお父さんは立派な人」と聞かされたら、子どもは誇らしい気持ち反面、「自分はお父さんより劣っていたらどうしよう」と不安になる。ほんのちょっとのつまずきでもあれば「お父さんを見習いなさい」と言われるとしたら、つらかろう。

2020-03-08 22:14:27
shinshinohara @ShinShinohara

成績がもし落ちて「お父さんは偉かった、それに比べてお前は」なんて言われたら、最初は焦って頑張るかもしれないが、気持ちが後ろ向きでの努力だから、すぐに精神的に疲れる。意欲が湧かず、努力するのが辛くなり、「もはや立派な親には追いつけなくなった」と自暴自棄になりかねない。

2020-03-08 22:16:47
shinshinohara @ShinShinohara

親が優秀で、それを子どもに話すことがなぜ子どもの学習意欲を削ぐことになるのか。挫折に弱くするのか。親が「驚かなくなる」からだろう。親が優秀だと、子どもが好成績でも驚かない。しかし成績が少しでも悪いと、親が子どもの頃どれだけ努力し、好成績を維持したかの「自慢」をしてしまう。

2020-03-08 22:21:40
shinshinohara @ShinShinohara

これでは、「親は立派なのにあなたは」みたいな論理になる。好成績でも驚かず、成績が落ちると自分の優秀自慢と説教が始まるのでは、やる気が湧くはずがない。子どもは親を驚かすのが大好きなのに、親が優秀だと驚いてくれないというつらい環境が与えられる。意欲を失いやすい条件が揃っている。

2020-03-08 22:25:09
shinshinohara @ShinShinohara

私は、子どもには自分がいかにダメだったかの話をしている。勉強もダメで、スポーツもダメ。悲しいかな、私の場合、全て事実。 で、子どもが何か一つできることが増えると驚いている。驚くと、子どもは得意げ。もっと親を驚かせようと意欲をたぎらせる。

2020-03-08 22:28:20
shinshinohara @ShinShinohara

もし途中で疲れたり、それで成績が悪い時があったとしても「お父さんは23点取ったことがある」と成績の悪さ自慢をしている。そして、たまにはそのくらい悪い成績をとってみろとけしかけている。そうすれば、失敗することがあっても取り返せばよい、という安心感が得られると考えるから。

2020-03-08 22:30:48
shinshinohara @ShinShinohara

息子は正直、私とは比べものにならないほど成績がよい。実はこれが懸念材料。もし息子が親になったとき、「お父さんは小さい頃から優秀だった」なんて子どもに自慢するようなら、子育てで困ることになるから。だから、子どもには、完璧な優等生じゃなく、うっかりミスをどんどんしてもらいたい。

2020-03-08 22:34:54
shinshinohara @ShinShinohara

息子には、親になったら、「できなかった自慢」をするように伝えたい。そして、子どもの成長に一つ一つ驚くマインドセットを持つように伝えたい。もし息子が成績優秀で育ったら、それを意識的にやらないとできなくなる。子育てはある程度心理戦であり、テクニック。

2020-03-08 22:37:20
shinshinohara @ShinShinohara

親が子どもに承認欲求を満たしてもらおうとするのは、ある種の本能。けれど、それは逆。親は子どもの成長に驚き、面白がる必要がある。親になったら、ズッコケ自慢ができるようでありたい。

2020-03-08 22:39:08