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学習意欲を損なう原因と育む方法

子どもの学習意欲を損なわず、育むには、教えず、強制せず、ただ横に並んで一緒に不思議がり、面白がること。
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shinshinohara @ShinShinohara

本来、学習意欲のカタマリであるはずの子どもが学ぶ意欲を失うのはなぜか?3つほど理由があると考えています。勉強すること、教えること、不思議がらないこと。 勉強は子どもによかれと思って勧めるのですが、これがかえって学習意欲を大きく損ないます。 amazon.co.jp/dp/4022515341/…

2018-01-20 08:57:09
shinshinohara @ShinShinohara

勉強は読んで字のごとく「つとめてしいる」で、嫌なことを無理矢理意思の力で頑張ろうとすることです。しかしイヤイヤ取り組むことはつまらないどころか嫌悪感が募ります。これでは学習意欲どころの話ではありません。「だって勉強はつらく苦しいものでしょ?」というお母さんも結構います。でも。

2018-01-20 09:00:15
shinshinohara @ShinShinohara

子どもは本来、猛烈な学習意欲を持っています。立てと言わなくても立とうとし、歩けと言わなくても歩き出した赤ちゃんの頃。言葉を教えなくてもどんどん話せるようになった赤ちゃんの頃を思い出せば、子どもは強いられずとも自分から学びだすものだと分かります。

2018-01-20 09:02:55
shinshinohara @ShinShinohara

子どもが勉強嫌いになるのは、まさに「強いられる」からです。皆さんも「さあこれを今やれ、すぐやれ」と言われたら気分が悪いでしょう。それがたとえ大好きなパズルであっても、気分が乗らない時に「今やれ」と何度も言われたら嫌気を差すものです。

2018-01-20 09:06:16
shinshinohara @ShinShinohara

人間は「あ、これやってみたい」と思ったときが一番意欲をかきたてられる時です。しかし気分の乗らない時に強いられると、嫌いになります。学ぶという行為は、自主的なら何時間でも集中してできるのですが、他人から強いられると1分でも嫌になります。

2018-01-20 09:08:46
shinshinohara @ShinShinohara

たとえば仕事でも、自分で企画し、やってみたいと思って自主的に取り組み始めたものは、「また徹夜しちゃったよ」と、頑張る自分を誇らしく思うくらい、すっかりのめり込みます。しかし上司から強いられて始めた仕事は「しんどい~、ダリ~、早く帰りたい~」になります。勉強は学習意欲の大敵。

2018-01-20 09:12:02
shinshinohara @ShinShinohara

もう一つ、学習意欲を奪うのが「教える」こと。大好きなパズルをやろうとしているのに「あ、それはね」と先回りされたら面白くありません。日曜大工の講習で、講師の先生が「こうした方がいいよ」とトンカチを振るって見事なイスができたとしても、愛着ある品にはなりません。

2018-01-20 09:15:21
shinshinohara @ShinShinohara

どれだけ時間がかかってもパズルは自分一人で解いてみたい。たとえ不格好でも、釘が曲がり、背もたれが少々歪んでも、最後まで自分一人で作品を仕上げたい。もし自分一人で仕上げたら、達成感はとても強いものになり、作品は愛着のあるものに変わります。

2018-01-20 09:18:05
shinshinohara @ShinShinohara

そう。教えるという行為は、「学ぶ」ことによる達成感を奪い、その努力を汚す行為なのだと言えます。子どもだけでなく大人でも、自分一人で成し遂げたい、無理な部分はやむ無く教えてもらっても、できるだけ最小限にとどめたいものです。それくらい、学ぶ意欲は本来強いものです。

2018-01-20 09:20:31
shinshinohara @ShinShinohara

もう一つ、学習意欲を失ってしまう原因が「不思議がらない」こと。子どもは身の回りのことに一つ一つ驚きます。すべてが生まれてはじめて目にするものだから当然です。道端のカタツムリが歩く様子を、30分でもじーっと眺めていたい。なんで歩いたあとが濡れているんだろう?どうやって動くんだろう?

2018-01-20 09:24:46
shinshinohara @ShinShinohara

ところが親はなかなかそういった「不思議がる」ことにつきあってあげられません。「ほら、急いでるんだから!」子どもはそこから引き離されます。それが繰り返しあると、子どもは興味を持つこと自体をやめてしまいます。中途半端に関心をもって引き裂かれてしまうくらいなら、と。

2018-01-20 09:27:25
shinshinohara @ShinShinohara

好奇心は学ぶ意欲の源泉です。いわゆる学校のお勉強だって、何を伝えようとしているかというと、私たちが生きるこの世界のことです。しかし「不思議がる」ことを何度も邪魔された子どもは、肝心の「この世に起きること、この世に生きるもの」に関心を持つことができません。

2018-01-20 09:29:37
shinshinohara @ShinShinohara

一昔前なら、子どもは公園に行けば様々な年代の子が集まり、年上の子が面倒を見てくれて、親も安心して家事に取り組めました。しかし塾や習い事にほとんどの子どもが通うようになり、少子化の影響もあって、子ども同士が遊ぶ光景が減り、核家族がバラバラに遊ぶ光景が多くなりました。

2018-01-20 09:32:29
shinshinohara @ShinShinohara

こういう状況では、子どもはどうしても親の都合に合わせて動かざるを得ず、親も子どもが道端のいろんなものに興味を持つのを我慢して付き合うことが難しくなります。結果、子どもは「不思議がる」ことができず、やがて「不思議がる」習慣を失います。好奇心を枯らすことで。

2018-01-20 09:34:31
shinshinohara @ShinShinohara

本来子どもが持つ学習意欲を損なわず、育む方法は3つです。強いないこと、先回りしない(教えない)こと、一緒に不思議がり、面白がることです。 子どもは何でもやってみたいやれるようになりたいと思っています。それがたとえ、今は苦手なものであっても。しかし強いられると嫌悪に変わります。

2018-01-20 09:39:05
shinshinohara @ShinShinohara

強制しなくても大丈夫。子どもはいつか克服したいと願っています。「まだ自分に備えがない」と感じる間は、前に進めないだけです。そんなときは子どもの手を引くのでも、背中を押すのでもなく、ただ横に立って、同じ景色を眺めていれば十分。子どもは自分のペースで一歩を踏み出します。

2018-01-20 09:41:35
shinshinohara @ShinShinohara

鹿児島には「泣こよかひっ飛べ」という言葉があります。飛ぼうか泣こうか迷っているなら思いきって飛んでしまえ、という、実に男の子らしい言い回しです。でもこの言葉は、「子どもが子どもにかける言葉」であることに注意が必要です。大人だと話は別になります。

2018-01-20 09:44:08
shinshinohara @ShinShinohara

かつて「子ども社会」が確固として存在した時代には、子どもは集団の中で孤立したくない、恥を書きたくない、地位を落としたくないという必死さがあったから、仲間にからかわれるのが嫌で「ひっ飛ぶ」ことができました。しかし子ども社会が崩壊した今、それを期待するのは難しいです。

2018-01-20 09:46:30
shinshinohara @ShinShinohara

小さな子どもからすれば、大人は「何十年も生きてきた巨大な怪物」です。その怪物なら「ひっ飛ぶ」くらい簡単だろうけど、「ぼく、こどもだよ?」という思いがあります。大人から「ひっ飛べ」と言われても、「ムリムリ、準備不足だよ」と尻込みして当然。

2018-01-20 09:48:54
shinshinohara @ShinShinohara

大人が子どもに対する場合は、手も引かず、背中も押さず、ただ横に寄り添って、同じ景色を眺めていれば十分です。すると、「お父さんやお母さんも同じ景色を見てきたんだ。そして一つ一つ克服してきたんだな。僕にもそれができるだろうか?」と、克服する方法を、自分なりに考え始めます。

2018-01-20 09:51:20
shinshinohara @ShinShinohara

子どもが一歩進めばあなたも一歩進んで横に。やっぱり怖いと思って子どもが一歩下がればあなたも一歩下がって横に。そして一緒の景色を眺めます。言葉も交わさず、ただ一緒に。すると、子どもは不思議と前に進む勇気を何度も諦めずに出そうとします。やがて克服する力を得ます。

2018-01-20 09:54:05
shinshinohara @ShinShinohara

「教えない」ことも、学習意欲を妨げない大事な秘訣です。子どもは自分の力で発見できるととても誇らしく、嬉しそう。その「発見」の喜びを邪魔しないよう、グッと我慢する必要があります。親だって実は「知っている知ってる、これこれ!」と自慢したい本能がありますが、グッと我慢。

2018-01-20 09:57:14
shinshinohara @ShinShinohara

「ぼく、見つけたよ!ほら、これ!」という喜びは、子どもに譲りましょう。教えられずに自分で発見できたという喜びは、「次もまた自分の力で発見したい」という強い学習意欲を刺激します。教えず、見守ることで、子どもは勝手に発見を続け、学んでいきます。

2018-01-20 09:59:13
shinshinohara @ShinShinohara

そして最後に「一緒に不思議がり、面白がること」。水ひとつとっても、世界中にいったい何百人の研究者がいることでしょう。仕事にしている人は、何百万、何千万人かもしれません。非常に身近な水でさえ、それほど奥深いものがあります。これを「お勉強」でしか学ばないなんて、いかにももったいない。

2018-01-20 10:02:16
shinshinohara @ShinShinohara

なぜ水は下に向かって落ちるのか?糸を引くように落ちるのはなぜなのか?水の糸はなぜつかめないのか?つかもうとすると手のひらの表面をなぞるのはなぜなのか?水の糸はやがて水の粒に分かれてしまうのはなぜなのか?身近に不思議はいっぱいです。専門家もすぐには答えられない不思議ばかり。

2018-01-20 10:05:03